2009年10月15日

自転車通勤をはじめる人へ神崎が言いたいこと

昨年から自転車というものが見直され、通勤・通学、趣味・スポーツとして利用する人が増えましたよね。
昨年後半、ガソリンの値段も落ち着き、更に冬に入ってしまったので、「これで自転車ブームは終了か?」とも思ったのですが、今年も安定した人気を維持していたように思えます。

しかし私見ですが、昨年もてはやされた「趣味・スポーツ」としての自転車ブームは終わっているように思えます。
そういった方に力を入れている人が、初心者からアドバイスを求められると、「バイク(自転車とは言わない)は、最低でも10万円以上のものを買った方がいい」と、自分の価値観ばかりを押し付けて、初心者がドン引きしているのに気付かないものですから、一向にシェアが広がりません。
確かにその人達の言っている事も分かるのですが、10万円あったら普通は、家族の笑顔が増える方へお金を回すものです。
どうもあの、上から目線で自転車を語るのが、一般人にはついていけません。
もっと、相手のライフスタイルを考えてアドバイスしてあげればいいのに・・・。
(それに自転車は、10万円から30万円の間が一番中途半端なクラスだと思います。10万円以下が無難ですよ。そして30万円以上する自転車の場合、本気でプロ志向の気構えと体力、日々のトレーニングが必用です。でも普通の人がそこまで鍛えて、何の大会に出るのでしょうか?)

一方、昨年よりも「通勤・通学」に自転車を利用する事については、裾野が広がったように思います。
特に社会人がスーツ姿で、通勤に自転車を利用するのをよく見かけるようになりました。
決して、レーパンやヘルメットなんて利用しません。
あくまでも、今までの自分の生活の延長線上に自転車があります。

さて、下記のように自転車通勤のアドバイス的な記事がありました。

●何から始めればいいの? 「自転車通勤」の初歩の初歩 : J-CAST会社ウォッチ
http://www.j-cast.com/kaisha/2009/10/15051713.html

●Business Media 誠:楽しく手軽に運動不足を解消:明日から始める! 初めての自転車通勤
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0910/15/news002.html

両方とも、初めて買うならば「クロスバイク」というジャンルをすすめていますね。
ママチャリよりも少しスポーツ系に振っている自転車。
けれど、ベル、ライト、泥除け、スタンド等は装備しており、無理なく毎日利用できるものが多いです。
割と低価格なものが多いです。
とは言え、4〜6万円ぐらいはするので、通勤用途ではやはりオーバースペックなような気もします。
まずは安いママチャリで、とりあえず自転車通勤をはじめてみるのが良いと思います。
プロ的な視線からの自転車通勤のアドバイスは、上記の記事を参照してください。
ここからは、私なりの自転車通勤のアドバイスを書きます。


●雨の日、別の通学・通勤手段を用意しておく

雨の日だろうと、先日のような台風であろうと、学校・会社はあります。
しかし、雨などで天候が悪い日は、なるべく自転車以外の移動手段をおススメします。
傘をさして自転車を運転するのは、まず危険。
それに今は、公に禁止されています。
雨合羽などで完全武装する手もあります。
しかし、全身はそれで大丈夫ですが、カバン等の荷物も防水対策をしなければいけません。
正直、「たかが自転車」で、そこまで本気でやる必要はありません。
それより、いつもと同じ格好とカバンのまま、傘をさして歩いた方が楽です。
公共機関なり家族に送ってもらうなりして、なるべく楽に行きましょうよ。
だって目的地についてから、その日の勉強、仕事が始まるんですよ。
着くまでで全力を出し切ってどうするんですか。
天気予報などには注意を払い、自転車以外で移動する際の時間を計算して、遅刻をしないようにしましょう。
別の移動手段を用意しておくと、例えば、自転車で移動している最中にパンク等のハプニングが起きた際にも対処がしやすいと思います。
パンク修理キットを毎日持参し、更に数分で修理できるスキルを磨くより、別の移動手段を用意しておく方が、普通の考えだと思います。
ちなみに私は、自宅から会社まで、歩いても20分以内で到着します。
自転車で通勤する際も、万が一の事を考え、この徒歩20分という余裕を見て出勤しています。
また雨の日は、傘をさして歩いて通勤しています。


●日焼けに注意

本当に簡単に日焼けをしますよ。
特に女性は、いくらUVケアをしたところで、絶対に日焼けをします。
なるべく肌の露出は控えた方が良いと思います。
それはある意味、転倒した際の防護にもなりますしね。


●スーツは痛みます

ズボン・スラックスの類は、マタの部分を中心に痛みます。
そりゃそうでしょう。
ある意味、自転車通勤も簡単な運動に違いはないのですから。
特に距離が長くなればなるほど、ズボンの痛みは早いです。
せっかく、自動車に乗らずにガソリン代を節約しても、衣類の消耗による買い替えで出費が増えてしまうかも。
カバンも、ベルトを肩からたすきがけをしての運転となりますと、スーツの型崩れなどが激しいです。
ママチャリみたいに、カゴにカバンを入れておけば良いのですが、昨今のスポーツバイクは、カゴは装備していません。
自転車通勤をするならば、あまり高価なスーツは着ないほうが良いと思います。
そういうスーツを着る人は、自家用車や公共機関を使って通勤した方が良いと思います。
絶対に後悔しますから。

ちなみに私は最近、スーツは着ていません。
Yシャツ、ネクタイ、スラックスのみ。
リュックを背負って自転車を運転しています。
仕事で履く革靴は、リュックに入れています。
革靴のままでの自転車の運転は、とても革靴にストレスを与えます。
できれば、通勤用と仕事用の二種類の靴を使い分けた方が、靴が長持ちしますよ。
ただ、袋に入れた革靴って案外、大きいし重たいんですよね。
リュックの中が、それだけでかなりのスペーツを占めます。


●簡単でいいから、マメに自転車を綺麗にする

パンク修理のスキルを見につける必要は無いと思います。
それよりも、一つの自転車を長く使い続けるならば、こまめに綺麗にしてあげてください。
また、チェーンなどにさび止めスプレーをしてあげてください。
自転車の錆び対策が、長く自転車を愛用する秘訣です。
安い自転車ほど、簡単に錆びます。
しかし逆に言いますと、マメに綺麗にしておけば、安い自転車だって長く愛用できるのです。
さび止めは、呉工業のKURE 5-56 で十分です。

・呉工業 KURE 5-56 SERIES 商品情報
http://www.kure.com/556/detail/

私は無香性のタイプを使用しています。
500円程度でタップリ使えます。
普通のは、ニオイが強くて気持ち悪くなりますから。
さび止めスプレーは、どこにでもスプレーして良いわけではありません。
スプレーをしてはいけない部分もあるので、自転車の取り扱い説明書を読んでください。
日々のメンテナンス道具は、空気入れ、さび止めスプレー、ドライバー、雑巾ぐらいで良いと思います。
タイヤの空気が少なくなってくるとも、パンクしやすくなりますよ。
空気入れで、定期的に空気を入れてください。
空気圧のわかるタイプは値段が高いので、安い普通のやつでいいと思います。


●死なないで

当たり前ですが、事故には気をつけてください。
特に暗くなると、自動車は自転車に対して、凶暴な悪魔となります。
早めのライト灯火をおススメします。
自転車と自動車の接触事故の場合、自転車を運転している方が弱い立場ですから、保険金関係では勝てるでしょう。
しかし、肉体を外気にさらけ出して運転している以上、事故の場合、ダメージは自転車を運転している人の方が断然大きいです。
未だに、暗くなってもライトの灯火をしない人がいますが、あれは危ないと思います。


●まずは休日に試運転

いきなり自転車で通勤・通学を始めるより、まずは一度、休日に自宅から職場・学校へ自転車に乗って行ってみましょう。
自動車や公共機関とは違うルートになるかもしれません。
距離は短くても、信号や踏み切りにつかまる時間が長いかもしれません。
坂道が多くて、自分の体力では難しいことが分かるかもしれません。
自動車にはねられる危険性の高い場所も分かるかもしれません。
予め危なさそうな場所を知り、本当に毎日、自分の体力で自転車通勤が出来るかを知っておくのが得策だと思います。
そして、実際に自転車で通勤・通学をするのも、いきなり毎日ではなく、最初は週に何回とか、天気が悪ければ運転しないとか、無理せずにはじめた方がよいと思います。
特に女性は身体的構造上、自転車の運転が腰をはじめとした部分に悪影響を及ぼすこともあります。
何度か運転してみて、無理だと思ったら中止しましょう。

Posted by kanzaki at 2009年10月15日 22:58