日本人とインド人の考え方の違いについて考えたいと思います。
【ビジネスの場での違い】
・インドではまず、トップが決めて、そこから計画を立てます。
問題が起これば、その時に対策を考えます。
・日本では、あらゆることを調査して、詳細に検討・熟慮しながら計画を立てます。
決定までに時間はかかりますが、決めるときちんと進むため、事故や失敗、無駄が少ないのです。
・両社の違いをよく表したもの→「新幹線」:
通常、高速鉄道のシステムは一定の運転間隔で、停まる駅も同じ。
対して日本は、時間通りに運行され、事故も少ない。
運転間隔も停まる駅もバラバラというケースは、日本にしかありません。
※
【尊敬される人物像の違い】
・日本では、勤勉で正直で、誠実に約束を守る人が尊敬されます。
・インドでは真面目さより、うまく立ちまわることがスマートだとされています。
インドには、「ジュガール」という言葉があります。
これは、「上手に立ちまわる」という意味です。
・これは、インドの社会環境が整っていないことが原因です。
インドでは何をするにも不便さが伴います。
スマホがあっても道が整備されていないからナビは使えません。
病気や怪我の際、すぐに救急車が来ません。
学校で使う鉛筆が店に売っていません。
このようなときにどうするのか。
その場その場で考えて行動するしかないのです。
「ジュガール」によって、積極的なインド人らしさが育まれたのです。
・ただしこの考え方は、その場しのぎです。
根本的な解決にはなりません。
皆がそう考えるから自分もそうなってしまう。
最近では、正直に頑張っている人をバカにする風潮もあります。
ワイロや汚職も、「チャンスを利用して何が悪い」と考えます。
結果主義で、何をやっても認められるのはよいことなのでしょうか?
・一方、日本人も最近、「頑張ることが好き」という日本人の良さが失われてきています。
グローバル化の中、「楽して儲けたい」「手っ取り早く儲けたい」という感覚が広まっています。
日本的な仕組みは繊細で壊れやすい。
一度失ったら作り直しができないかもしれません。
大切にしてもらいたいです。
以上、インド出身、サンジーヴ・スィンハさんの解説。
●Amazon.co.jp: インドと日本は最強コンビ (講談社+α新書)_ サンジーヴ・スィンハ
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1973(昭和48)年インド・ラジャスターン州生まれ。
IIT(インド工科大学)カンプール校で物理学修士課程を修了。
人工知能の研究開発のために1996年に来日。
証券会社数社での勤務の後、2008年にSun and Sands Groupを設立し、同社代表取締役社長に就任。
※※※
グローバルスタンダード(国際標準化)とは、シンプルでストレートなアメリカ的な考え方です。
これが日本のほとんどの会社を占める中小企業に合うかどうかは分かりません。
しかし最近は、海外で行われている仕組みを自分たちの都合の良い所だけ切り抜き、会社のルールに組み込むということは、よく聞きます。
はっきり言えば、従業員の給料を全体的に下げるための口実です。
海外の場合、ルールは強制されるけれど、その代わり、仕事を成し遂げた際には、ちゃんと賃金やポストというリターンがありました。(今の社会情勢では、どうなのか分かりませんが)
日本の場合、リターンに関しては実感がないと思う人がほとんどだと思います。
しかし個人レベルで愚痴を言うけれど、大声を上げる人はいません。
しぶしぶでも、それを受け入れます。
なんだかんだで、「働かさせてもらっている」「雇ってもらって感謝している」という恩・情があるからだと思います。
時代劇とかに出てきそうな考えですが、これは事実だと思います。
うまく立ちまわるというのは、日本人には難しいです。
でもいじゃないですか。
「誠実」ということを中心に物事を考える姿勢を貫けば。
新聞記事に載るような人物だけが偉いわけではありません。
ためしに明日から一週間だけでも、誠実を意識してみませんか?
きっと、あなた自身は気づかなくても、まわりの見る目が変わると思います。
それがきっと、組織の向上につながる・・・これこそ日本的な方法ではないかと思います。
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