「ぞうさん」まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲
ぞうさん
ぞうさん
おはなが ながいのね
そうよ
かあさんも ながいのよぞうさん
ぞうさん
だあれが すきなの
あのね
かあさんが すきなのよ
※
最近、家へ帰る途中、頭のなかで「ぞうさん」の歌が流れます。
正しい歌詞が気になって調べたら、上記のとおりでした。
小象は、「鼻が長いね」と悪口を言われました。
しかし、悲しくなったり、怒ったりしません。
一番大好きなお母さんと一緒だという誇りを持っているからです。
2014年、詩人 まど・みちおさんは、104歳で亡くなりました。
この歌詞の意図についてまどさんは後年、詩人で小説家の阪田寛夫氏(故人)の問いに答えて、「ぞうに生まれてうれしいぞうの歌」と説明した(「まどさんのうた」阪田氏著、童話屋)。
鼻が長いねと悪口を言われた時に、一番好きな母さんも長いのよと、誇りを持って返したというのだ。
人も動物も地球上のすべての存在がそれぞれに尊く、あるがままの姿が大切なのだ、という思いを強く抱いていたまどさん。
子供たちにも分かる易しい言葉で命を輝かせる作品を多く手がけた。
創作意欲も旺盛で、100歳を超えても入院生活の中で絵を描いたり詩の創作に取り組んだりした。
まどさんは近年、アルツハイマー病などで東京都内の病院で入院生活を送っていた。一昨年ごろから手が動かしづらくなったが、看護師に頼んで日々の新発見を日記に書きとめていた。
アナ雪のおかげで「ありのまま」の大切さが、多くの人に知れ渡りました。
以降、哲学的な本、人生本でも、そう書かれるようになりましたね。
それまでは、変革することが大切と叫ばれていました。
どうもそれでは、行き詰まってしまうことに気づいたのでしょうね。
自分自身だけではなく、相手の存在もそのまま受け止めようとすることも大切。
相手を否定せず、拒絶もせず、変えようともしない。
ありのままを受け入れていけば、価値観の違う人とも、自然と会話が弾むはず。
「ぞうさん」は、1952年にNHKラジオで初放送されました。
既にメッセージとして広く知れ渡っていたのです。
ちゃんと昔から言われていたことだったのに、それを最近まで否定する風潮だったのは、右肩上がりの高度成長やバブルが弊害だったのかもしれませんね。
※
母は最近、「自分の頭の中から、たくさんの事がこぼれていく・・・」と言います。
母ひとり、子ひとり。
これまでの感謝をこめ、これからも大切にしていこうと思います。
●歌手・さだまさしさん「初めて母不在の『母の日』」
http://kanzaki.sub.jp/archives/003599.html
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