自然界では成虫になれない幼虫は淘汰される。
しかし、ホタルは「留年」ができる。
成虫として1、2週間ほどで命を終えるホタルが、あと1年間幼虫で過ごせる。
受験に悩む学生に聞かせたい話しだ。
さだまさしさんは、この話しを聞いた時、「風の篝火(かがりび)」という歌を書いた。
●さだまさし 風の篝火 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a0004ab/l022019.html
※
ホタルの種類によっては、例えばオオシママドボタルは、2、3年幼虫のまま過ごすこともあるそうです。
最初から順調に行き、最短で空へ飛び立つのは素晴らしい。
特に日本では、神童がもてはやされる国ですから、なにかと注目を浴びます。
けれど、他者より歩みは遅くとも、いつか羽ばたくならば、それも素晴らしい。
マラソンで1位の人に拍手をします。
そして、最下位でも最後まであきらめずに完走するランナーにも、人は惜しみない拍手を送ります。
人間ならば留年しても死ぬわけではないし、いずれ卒業できる仕組みが「社会」にあります。
ホタルの留年制で驚くのは、「社会」という人工ではなく、「自然」の生体メカニズムとしてあることです。
留年は、自然の摂理としてちゃんと概念があるのですね。
セカンドチャンスが自然界にあることが、なにより素晴らしい。
若いころほど、人より物事の歩みが遅いことに悩むものです。
社会人になり視野が広くなると、若いころの悩みの大半は、その事実すら忘れたり、後で笑って話せるものばかりだと気づきます。
過去に悩んだ物事の中で、1年後も覚えているものは幾つありますか?
1年後には忘れたり、笑って話せるものが大半のはずです。
くさらず、焦らず、ゆっくりでも着実に前へ進みましょう。
誰かに照明をあててもらわなくても、ホタルのように、いずれ自ら光り輝くことができるはずですから。
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