上記は、時間管理や手帳術についてのコラムでした。
・手帳には、実際の締め切り日よりも2・3日早めの「自分締め切り」を設け、前倒しで仕事にあたるようにする。
・相手の都合に合わせてばかりでは、時間がなくなるのは当たり前。
「○曜日の何時までは執務に当たる」「○時までは人に会わない」と、ある程度の自分ルールを決める。
・相手のある予定の場合、日時を決める際には、「○曜日の△時から□時の間で、いかがでしょうか?」と、自分のスケジュールに合わせた具体的な日時を提示するといい。
主体的になって予定を組むのは、とても良いことです。
「仕事は前倒しで」と、よく朝礼などで、上司がお話ししたりしますよね。
しかし私は最近、上記でいうところの「自分締め切り」はほどほどにしています。
あまり意識しすぎると、「スケジュールの黒字倒産」になってしまうからです。
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【「黒字倒産」とは?】
仕事をして利益を出しても、実際に相手から現金が入ってくるのは数ヶ月後になることが多いです。
取引先との決済の約束がそうなっているからです。
現金がすぐに入ってこない。
この現金が入ってこない期間に、実際のお金の入金と出金が一致せず、経費の支払いなどで資金繰りが困難になることがあります。
損益計算書上では黒字であったとしても、自己資金で支払いができず、銀行からの借入もできなくなると、仕入代金が払えなくなるため、倒産状態となってしまうのです。
詳しいことは、会社の経理さんに聞いてみてください。
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【「スケジュールの黒字倒産」とは?】
世の中のお仕事は、自分ひとりで完結できることは少ないです。
ひとりでやっているように見えても、その仕事をするのに必要な道具・書類などは、他の人や業者がやってくれているのです。
年に一回、数ヶ月単位で行う仕事というものがあるかと思います。
もの凄くたくさんの細かい仕事の積み重ねの中で成立するものです。
あまりにも「前倒し」を意識しすぎると、ある時点で無理が生じてきます。
自分は一日でも早く終わらせたい仕事なのですが、それに必要な書類が、他の部署から回ってこない。
業者から、納品がされてこない。
理由は、相手にも都合があるからです。
だんだん、そういうものが続くと、イライラしてきます。
他人から見れば、予定どおりに進んでいるように見えるのに、本人からしてみれば納得がいっていないからです。
自分だけで完結するものでもそうです。
前倒しでやろうと思っても、次から次へと、他からの別の仕事が回ってくる。
前倒しすることが前提で思考が固まっているから、自分の思い通りにいかないことで、ストレスがたまっていきます。
現実の仕事の流れと、頭のなかで思い描く「前倒しのスケジュール設定」が一致せず、その格差で自分の心を痛めつけてしまう。
他の人にも、自分のスケジュールを強引に押し付けて、ストレスを与えてしまう。
「スケジュールの黒字倒産」とは、こういうものだと私は思います。
アスリートは、自己ベストタイムを0.1秒短くするのに、心身を破壊していきます。
組織の場合、自分だけではなく、「他の人の人生」も破壊してしまうのが恐ろしいです。
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真面目にやっている人ほど、「自分締め切り」を意識します。
意識しすぎて、自分で自分の首を締めつける。
世の中、「スケジュール管理」や「時間の効率化」を解説した書籍が腐るようにあります。
それらは単に、作業期間を短くするだけになりがちなテクニックが多いです。
会計でいうところの「入金と出金の一致」にあたる部分を意識して、心身を壊さないようにしましょう。
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