2019年03月24日

昔、「一生懸命(いっしょうけんめい)」は「一所懸命(いっしょけんめい)」でした

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「一生懸命(いっしょうけんめい)」という言葉。


昔は今と少し違っていました。
「一所懸命(いっしょけんめい)」と書いていたのです。


なぜ、「一所」から「一生」になったのか?


「一所」は「一つの場所」という意味で、昔、武士が自分の土地(領土)を命がけで守ろうとした様子から生まれた言葉です。


武士の時代は終わり、自分の土地を命がけで守るようなこともなくなりました。


そこで「生きている間に一度しかない」という意味で、読みも似ている「一生」が「一所」の代わりに使われるようになったのです。


(辞書編集者・神永 曉さんの解説)


神永曉(かみながさとる)
辞書編集者。
元小学館辞典編集部編集長。
小学館では入社以来37年間、辞書ひとすじ。
担当した主な辞典は『日本国語大辞典 第2版』『現代国語例解辞典』『使い方の分かる類語例解辞典』など。
著書に『悩ましい国語辞典』『さらに悩ましい国語辞典』がある。


※※※


「一所懸命」という文字を見ると、入社以来、同じ会社でずっと頑張って働き続けるというイメージが浮かび上がります。


いわゆるフリーランスだったり、会社員とは違った働き方の人もたくさんいます。
しかし、私には今までできませんでした。


障害はやはり、「奨学金」。
あの長期に渡る返済のおかげで身動きができませんでした。
もし会社を辞めたら、返済プランが崩れてしまい大変なことになりますから。


会社を辞めると収入/支出の波が変動するので、そんな中で高額な奨学金を毎年一定額支払うのは大変です。
だから、会社を辞めませんでした。


また、素敵な皆さんに支えていただいたのも、長く続けてこれた理由です。
自分の考えや生き方にも、良い影響がありました。
大変感謝しています。


「一所」で頑張り続けるのは大変な面もありますが、長期的な視点で人が成長できるという面がもっとも大きいかと。
これは、雇う側・雇われる側どちらにとってもです。


同じ業種でも、会社によって社風は違うもの。
その社風に合った人材を獲得し、育成するのは簡単なことではありません。


事情が許す限り、「一所懸命」を続けていきたいものです。

Posted by kanzaki at 2019年03月24日 22:13