2019年06月11日

「青」〜実際の色を示すだけではなく、神様とともにあるハレの世界と、この日常のケの世界の境界にある色として、観念的に使われています

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(日本画:金箔の上に、青や緑の岩絵の具を彩色中)


「青」という色は、青や緑などの実際の色を示すだけではなく、神様とともにあるハレの世界と、この日常のケの世界の境界にある色として、観念的に使われています。


これは、民俗学者の柳田国男さん(明治8年〜昭和37年)が、日本人の伝統的な世界観を表現するため定義したものです。


ちなみに、「ハレ」は「晴れ」、「ケ」は「褻」と書きます。


「ハレ」は折り目・節目という意味があり、語源は「晴れ」から来ています。
結婚式や成人式などで着用する「晴れ着」は「ハレ(節目)の日に着るもの」という意味があります。
「人生の晴れ舞台」や「晴れ姿」などと使いますよね。



割と昔から、「青」は比喩的に使うように思います。
緑色の葉っぱが雨に濡れ、緑が濃くなった部分の比喩とか。


それ以外にも観念的に使ったりするのですね。


青色は冷たい色なはずなのに、「青空」は私たちの心を明るくしてくれます。


「青春」なんて、口にすると恥ずかしいものです。
しかし、自分の若かりし頃の情けない行動も、やはり振り返れば、心がじんと切なくも安らぎます。


「青雲(線香じゃない)」は、「地位や学徳の高いことのたとえ」だったり、「俗世間を離れ、超然としていることのたとえ」だったりします。


ひとつの色だけで、いろんな使い方・考え方があるようです。
一日をひとつの色にフォーカスして過ごすのも良いかもしれませんね。

Posted by kanzaki at 2019年06月11日 07:07