2020年01月31日

「帰謬法(きびゅうほう)」とは?〜哲学史2500年において「相手を言い負かす議論術」

aaiebakouiu01.JPG


どうしても「苦手なタイプの人」というのはいるものです。


私の場合は、「ああ言えばこう言う」の人です。


そういう人とは距離を置くか、何も言い返さないことにしています。


結局そういう人は、相手を言い負かすことを良しとしている人です。
たとえ無意識だったとしても。



哲学史2500年には、「相手を言い負かす議論術」が存在します。


哲学用語で「帰謬法(きびゅうほう)」と呼ばれています。


帰謬法とは、相手の主張の矛盾や例外を見つけ出し、そこをひたすら攻撃・反論する論法のことです。


日本の哲学者・苫野一徳(とまの いっとく)さんの本で知りました。
勿論、まったくオススメしない論法として紹介していました。



議論に勝つためには、相手にこう言い続ければいい。


「あなたの言っていることは絶対に正しいと言えるの?
それって絶対なの?
絶対?」


少なくとも、相手を否定しつづけている限り、議論に負けることはありません。



【実用例1:人それぞれ考えは違う】


「人にやさしくするのはいいことだ」

(反論)「いや、やさしくされて迷惑だと言う人もいる」


「このコーヒーはおいしい」

(反論)「いや、おいしいと思わない人もいる」


--


【実用例2:時と場合によって違う】


・例外をあげて相手の主張を相対化してしまう論法


「放たれた矢は空間を移動する(あたり前のこと)」

(反論)「"今、この瞬間"から見れば、飛んでいる矢も止まっている」


--


もうこれは屁理屈ですよね。
しかし、これが大昔から今に至るまで、公で使われている方法なのです。


古代インドの哲学者たちは、言い負かされたら「死(殺される)」の文字通り命がけの論争だったから、意地でも負けるわけにはいかなかったそうです。


しかし、今は令和。
こういう論法は良くないですよね。

Posted by kanzaki at 2020年01月31日 22:34