●『成果を増やす 働く時間は減らす 高密度仕事術』(古川武士 著)より
現在、5大商社で高い売上・利益を誇る伊藤忠商事。
残業を減らす働き方改革でも成功している会社ですが、その改革は岡藤社長のトップダウンで断行されました。
岡藤社長は、若い頃から「繁忙期以外は残業しない」という働き方でトップまで上り詰めた人物です。
休日出勤、深夜残業が当たり前だった商社において稀な存在です。
岡藤社長がインタビューで時間管理のコツを聞かれると、「全体の仕事量を見ながら、最も重い仕事から着手することだ」というシンプルな回答をされていたのが印象的でした。
「今日やるべきこと」と「しなくていいこと」を明確に分けて優先順位を立てることが仕事の要諦だというのです。
複数の仕事(マルチタスク)に同時に手をつけていると、複数の仕事に意識が分散(マルチモード)し、生産性が低下します。
複数の仕事に着手するとき、その都度、仕事への集中モードを起動させるための時間が増えてしまいます。
カリフォルニア大学アーバイン校の研究では、「一度注意がそれると、集中力を取り戻すには23分かかる」と言われています。
また、マルチタスクで仕事をすると最大40%程度、作業効率が落ちてしまうとも言われています。
脳が最も高い集中力を発揮するのは、シングルタスク、シングルモードのときです。一度に1つの仕事に取りかかることで、高い集中力を発揮でき、生産性が高まります。
やるべきことが多すぎたり、心配事が積み重なると、頭の中が雑然とします。
心理学では、大量の雑念に意識を奪われる状態を「モンキーマインド」と言います。
猿が木を忙しく飛び回る様子をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
モンキーマインドから抜け出すことができなければ、高い集中力を発揮することはできません。
生産性が低い人は、ずっとモンキーマインドで、頭がやるべきことや心配事など雑念にまみれています。
一方、生産性が高い人は、その雑念を脇に置くことができます。
そうは言っても、雑念にまみれている頭を鎮めるのは簡単ではありません。
そこで頭の中で湧いてくる雑念を、2つのリストに書き出すことをお勧めします。
●リスト1 やることリスト
やるべきことを書き出すことで、記憶することに使われていた脳のエネルギーを節約することになります。
ポストイット、ToDoリスト、手帳、仕事管理アプリなど自分に合ったツールを見つけてください。
●リスト2 心配事・不安リスト
不安と心配事は、頭の中で増殖し精神を疲弊させます。
そこで、どんな些細なことであっても仕事・私生活の小さな不安や心配事を書き出すことをお勧めします。
「〜に怒られたらどうしよう」「〜が間に合わなかったらどうしよう」という心の声を全てリストに書き出すと、頭の雑念を一旦脇に置きやすくなります。
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【コメント】
私も短時間のうちに複数の仕事が重なると焦ります。
3つぐらいから大抵、「ああ、もうそろそろオーバーフローになって、イライラしてくるなあ」と考えます。
そう思った直後、突発的な案件の電話がかかってくるという毎日です。
優先順位をつけることの大切さは知っていますが、意外と出来ないですよね。
理由は、優先順位を低く考えていたものが、相手にとっては優先順位が高い場合でしょうか。
そういうリスクを考えてしまい、ついマルチタスクで仕事をしてしまいます。
優先順位のつけ方が良く分からないので、部下に指示をして遂行してもらっています。
以前よりその割合が多くなりました。
一人でマルチタスクをするのではなく、複数人でマルチタスクをするのです。
一つの仕事も分解して、複数人で取り組むのです。
その場合、どの部分をどれぐらいの時間をかけ、最終的にどういう形にすべきかをなるべく詳細に説明します。
途中経過も把握しながら情報共有することで、一人では不可能なことも可能になってくるのです。
口頭でのやり取りに加え、Evernote、Notionでデータ共有しておくと、精度が高くなります。
正直、この年齢になっても仕事で足がすくむことが多いです。毎日かも。
それでもやってこれたのは、一緒に仕事に取り組む皆さんのおかげです。
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