●外資系コンサルの知的生産術〜プロだけが知る「99の心得」〜 (著:山口 周)より
カントは人と話すことで思想に磨きをかけましたし、そもそもソクラテスは書くことすらせず(ソクラテスは一冊の本も残していません)、ひたすら対話を通じて思想に磨きをかけました。
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まず書いてみる。
その上で、何かが見えた、わかったと思ったらその内容を人に話してみましょう。
話してみてアイデアが通じるようであればよし、なんらかの破綻や疑問点、あるいはさらに深い洞察が得られればそれをまた紙に書いて、何か見えたと思ったらまた話してみる。
これを繰り返すことでしか知的生産物のクオリティを高めていくことはできません。
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十七世紀のイギリスは世界をリードするさまざまなアイデアを生み出しましたが、それらの革新的アイデアの多くが「カフェ」での対話から生まれています。
え、どうしてカフェで? と思うかも知れません。
カフェは、封建主義身分制度がまだ支配的だった当時において、唯一といっていい「さまざまなバックグラウンドの人が集まる場所」だったのです。
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自分のアイデアを話すことで、他のさまざまなアイデアとの化学反応が起きたのです。
創造性に関する過去の研究からも、科学者が革命的なアイデアを思いつくのは研究室で沈思黙考しているときではなく、カフェ等のテーブルで他の科学者とダベっているときだということがわかっています。
「人に話す」というのは、考えをまとめたりアイデアを生み出したりするために、とても有効な手段なのだということを覚えておいてください。
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【コメント】
学生時代、頭の良い人は、他の生徒へ教えるのが上手でした。
そうやって教えることで、自分の思考を整理することが出来ていたのかもしれませんね。
仕事でも、黙々と一人でやっている人は、大きな成果を出せていないです。
自分がルーティーンでやっていることに関しては確実にこなしますが、たったそれだけです。
大きな新しいことに関しては不得手な人が多い。
そもそも、誰だって一人で大きな成果なんて出せません。
他者と関わり、話し合い、互いに行動することで大きな成果を出せるのです。