2025年04月10日

「時間」と「抽象度」を意識したノート術

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●苫米地式 思考ノート術(著:苫米地英人)より


ノートでなら、こういった言葉を実際に駆使しながら、物事を統合する能力(ゲシュタルト)を上げることができます。
そして、真の意味で役立てることができるのです。
ノートの書き方の詳細はこれから述べていきますが、先に言っておきたいことがあります。


いままであなたが持っていた「ノート」の概念は捨ててください。
いままで持っていた概念とは、「ノート=メモ帳」のことです。これは大きな誤解です。
この本で使う「ノート」は明らかに、いままであなたが書いていたノートとは異なります。
ノートは記憶にとどめるために書くのではなく、自分の思考に関して書くものだからです。


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まずどんな用紙に書き込むか、です。 ノートと呼んでいるので、何十ページもある一般的なノートブックを想像するかも知れませんが、 基本的には一枚のA四サイズ以上の紙で十分 です。 ある情報に対する自分の言葉をノートに書き、次の情報に対する新しい自分の言葉をその上に書きます。

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脳は一人に一つしかありません。しかも、すべての物事には関係性があるので、情報ごとにノートを分けて書くと、本来のノートの目的である思考過程がわからなくなり、ゲシュタルトもできなくなります。

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ノートを作成するときは パソコンを使わず、手書きでつくってください。


キーボードをたたくより、紙の上で手や腕を縦に動かしたり、横に動かしたりすることで運動性が高くなります。
運動性が高ければ、筋肉はたくさん動きます。
より多くの筋肉を動かした方がいま書いたことを脳に記憶させやすく、自在に関係をつけやすいのです。


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では、実際に書いてみましょう。


最初に、用意した紙に 縦軸と横軸の線を引きます。
縦軸は抽象度、横軸は時間の流れ を表します。
縦軸の抽象度は右に書いても左に書いても自由です。
横軸には「時間」、縦軸には「抽象度」と、軸に名前を付けるか付けないかも自由です。


ノートに書く言葉は、抽象度の低いものから高いものへと上げていきますから、わかりやすいように矢印(↑)をつけて上方向に伸ばしておいてください。


時間軸は右側を「未来」として、左方向にある「現在」に向かって流れることを意識してください。
慣れないうちは、横軸のラインを(→)にして伸ばしておくと時間の流れを常に意識できます。


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どこに何を書くかですが、ルールはありません。


縦軸と横軸の中であれば、どこでも好きな場所に書いてください。
書く場所にこだわると、肝心の思考の防げになるので、最低限以上の形式にはとらわれず、自由に書けばいいのです。

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●右端にゴールを書く 縦軸と横軸の線を引いたら、ノートの 右端に自分のゴールを書きます。


第二章でどんなゴールを設定するのか説明しました。
もっとも抽象的な最も実現困難なゴールです。


「頑張れば手の届きそうなゴール」や、「自分の成功のみを追求したゴール」はゴールとしてふさわしくありません。
こういったゴールはきわめて抽象度の低いゴールですから、抽象思考の防げになります。

もし、最終ゴールの抽象度が高すぎて、なかなかノートに書き込めない場合は、 最終ゴール手前の少し実現可能な抽象度を落としたゴールを設定します。
これを「小ゴール」と呼んでも「サブゴール」と呼んでもかまいませんし、もっと具体的に「○○年後のゴール」としてもいいでしょう。

小ゴールはゴールの存在をより身近に感じるための布石のようなものですから、一つのゴールでは足りない人に複数設定します。

複数の小ゴールを設定する場合は、常に時系列に書き込んでください。
この場合の「時系列」とは、もちろん未来から過去に向かって流れる時系列です。
右端に最終ゴール、それより左に小ゴール、小ゴールより左に小小ゴール、という位置関係です。
現在に近づくにつれて小ゴールの抽象度は少しずつ下がっていきます。

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●気づきをノートに書き込む


第二章で話したように、ノートに書くことは、相手の話を聴き、あるいは記事や本を読んで「気づいた言葉」(以下、「認識」と表記)です。
相手の言葉でないことは、十分理解していますね。

まず、 最初の認識を、ノートのどこでもいいので書き込みます。
認識の内容をいちいち全部文章にしようとすると、文章化するという行為に意識が傾いてしまい、思考の防げになります。
キーワードを走り書きする程度で十分 です。

最初の認識を書いたら、次は少しだけ抽象度を上げて考えます。
ノートに書くときは抽象度が低い順番に書いていく必要はありません。


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【コメント】


上記はその後も、ノートの書き方が続きます。


普段、私達が書くやり方とは違いますね。
そもそも思考を深める為にノートを使用する方法ですから、当然とも言えます。


いろんな事実を自分の仕事に活かすには、その物事を抽象化する必要があります。
そうしなければ、ただの劣化コピーですから。


ちゃんとゴールや抽象化を意識し、思考を深めていきましょう。

Posted by kanzaki at 2025年04月10日 07:03