2003年11月30日

働かない「働きアリ」もいる

11月1日の日記にて、「2:8の法則」の話しをしました。
働きアリの中にも、実は2割の割合で働いていないアリが存在すること。
2:8の法則は、いろんな分野で応用できること。
それに似たような追加記事があったので、ご紹介します。

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秀才ばかりの集団では、組織の生産性は低下する――。

大阪府立大大学院工学研究科の西森拓・助教授らがアリの行動をコンピューターで再現したら、そんな結果が出た。
エサ集めの下手なアリが集団内にいた方が、優秀なアリだけよりもたくさんエサが集まった。
札幌市で開かれた日本動物行動学会で31日、発表した。
アリはエサを見つけると、巣への帰り道に目印になる物質(フェロモン)を塗りつけ、他のアリはこの目印を触角でたどってエサ場に向かう。
西森さんらは、目印に敏感なアリと感度が悪いアリの行動をコンピューターで再現。
すると、感度の悪いアリがいる集団の方が、エサを効率よく集めた。
優秀なアリは目印を忠実に追うため、エサを効率よく集めるが、目印に固執するあまり、新たなエサは発見しにくかった。
一方、鈍いアリはうろうろすることで、エサを発見するチャンスが高まるらしい。
ただ、実際にエサを集めるのはほとんどが秀才アリだった。
西森さんは「特に状況の変化が著しいときには、人間でも手堅い秀才ばかりでは駄目なのかもしれない」と話している。

(読売新聞)
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「秀才ばかりの集団では、組織の生産性は低下する」・・・・・・なるほどねえ。
みんなが同じような性能で、同じ方向に向かっていたら、もし何かしらのトラブルがあった際、その種が絶滅するおそれがあります。
だから、全然違う方向性を持ったタイプがいてもいいのではないかなと思います。

>優秀なアリは目印を忠実に追うため、エサを効率よく集めるが、目印に固執するあまり、新たなエサは発見しにくかった。
視野が狭まると、チャンスを見逃してしまう可能性があります。
新しい事をやろうという革命意識は大切だと思います。
勿論、なまける事を推奨する訳ではありません。
本来やらなければいけない事をせず、別の分野へ逃避することは駄目だと思います。
勉強が嫌いだけど、何かしなければいけないから、とりあえず調理師の専門学校へ行こうなんていう考えは良く無いし、本気でその道へ進みたい人に対して失礼です。


この記事をご紹介しようと思ったのは、何もこの本文そのものについて知って欲しいと思ったからではありません。
新聞、テレビ等で紹介される、こういう類のニュースに、人々は関心が行きやすい傾向があるよなあと思ったからです。

例えば、今回の記事ですが、普段は怠けている人にも、実は有効性があるという解釈ができますよね。
そうすると、怠けている人が、自分を正当化しやすく、人に堂々と言いやすい訳です。
自分を正当化できる証拠になる記事だから、注目してしまう。

テレビで良く、健康法みたいなものを紹介します。
そんな番組で、人々から健康を害すると思われるものが、実は健康に良いと紹介されたらどうです?
もし、「ビールやお酒は、胃腸の調子を良くする効能がある」「実は、タパコを吸っても健康の良し悪しに関係ない」「ギャンブルは、頭の思考を良くする」という事を紹介していたら、あなたはどう思います?
普段、多少は引け目を感じている所が正当化されて紹介しているのですから、注目して見てしまいますよね。
そして批判してくる人々へ、対抗手段としてこの記事を紹介するでしょう。

9割は悪なのに、たった1割の良い所の部分をひけらかし、さも全てが良いように説明する(言い訳する)のは、どうかと思います。
こういう心理を狙った記事は、いろいろな所で目にしますね。

あと、健康関係で、「××は身体に良い」と紹介されると、次の日、スーパー等でたくさんの人が買い求めます。
身近な食品を次々と紹介しているのですが、それを見ていると、「結局、どれもそれなりに効能があるんじゃん。だったら、一つだけをドカ食いせず、平均的に食べ続ければいいだけじゃん」と思ったりします。

人々の関心を引き付ける記事の書き方、内容の秘訣が、これらの中にあるように思います。
けれど正直、そういうやり方で、みんなの注目を引くのは、何となく「下衆」なような気がします。

Posted by kanzaki at 2003年11月30日 23:40
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