2003年07月28日

風呂とラジオ

遂に新潟も梅雨明け宣言!
近くの海水浴場も人で賑わった模様です。
皆さんの昨日の休みは、いかがお過ごしだったでしょうか。

私はというと、昼の12時から2時間ばかり、お風呂に入っていましたよ。
昼間っからお風呂に入る贅沢というものをここぞとばかりに味わおうと、ぬるめのお湯に浸かりました。
しかし人間、2時間もの間、何もしないでボーとしているのも辛いものでして。
そこで用意しましたるが、CDラジオ。
パソコンで音楽を聴くようになってからというもの、殆ど使用する事も無く、今では母が自分の部屋で使用しているものです。
そいつを脱衣場に置きまして、FMラジオをスピーカーから流して、風呂場から聴いていました。
本当は防水性のラジオなんかがあると便利なのですが、意外と値段が高いものでして、なかなか手が出ません。
でも、これで充分に聴けますよ。
地元のFM曲は、全部で4つあります。
最近じゃ、ジャズ、クラシックばかり聴くようになったので、ロックやポップスのオンエア回数の多い民放はちょっと遠慮しまして、NHKを選局。
ちょうどその時間は、「日曜喫茶室」というトーク番組をやっていました。
民放のトーク番組と違い、大人の方々が小粋なトークを交わす番組でして、お洒落で知的な雰囲気がぷんぷんします。
今回のゲストは、人間国宝になった落語家さん、日本の大学で教授をしている外国人、そこにレギュラーゲストのドイツ文学者という、そうそうたる面々。
そんな彼らが面と面を付き合わせて会話された議論が、「妖怪対幽霊、どっちがお好き?」でした(笑)
落語家さんは、妖怪の出てくる話しが得意な人ですし、大学の教授は、日本の妖怪の出てくる古典を研究している人なのです。

皆さんのお話しを総括しますと、妖怪と幽霊どっちが好きかと言えば、断然、妖怪の方が可愛げがあるという事でした。
妖怪は生活に密着したものが多く、人と触れ合う機会が多いです。
生き物(猫など)、生活用品(傘など)などのモノが、100年とか長年たつと「もののけ」になるという考えが日本にはあります。
生き物が妖怪になるというのは海外でもありそうですが、傘などの日用品が妖怪になるというパターンは日本だけのようです。
海外の妖怪(怪物、モンスター)は、ドラキュラを筆頭に、ちょっと高貴なところがありますが、日本の妖怪は殆どが、平民の世界に存在します。
日本の妖怪というのは、とても生活に密着したものだったのです。
「座敷わらし」なんて可愛いじゃないですか。
童子の姿をしたこの妖怪が家にいる間は福運に恵まれ、去ると家運が傾くそうです。
座敷わらしがいてくれるような家庭にしようと意識が出てきます。
いろんな妖怪を通じて生活のあり方みたいなものを子供に教えていたみたいです。
一方、幽霊はというと、あまり好きじゃないとか。
恨み、辛みを一方的におしつけてくるからです。
なんか性格的にも暗そうですしね。

落語の世界の事なんかもお話しされていました。
昔、お化けのお話しをする時、終盤にその怖さを強調する為にいろいろとやったそうです。
例えば効果音。
雷、雨の音を本物を使わず、太鼓などの楽器を使って表現していたそうです。
こっちの方が、怖さ・雰囲気を強調できるのだそうです。
そして、お話ししていると、突然どこからともなく、お化けの格好をした弟子が現われて脅かすこともあったそうです。
その時のエピソードで、弟子がお化けの格好をして天井で出番を待っていたそうです。
その日は大雨。
その建物に通ずる電線が切れてしまい、それが元で漏電し、天井にいた弟子が感電してしまったそうです。
あまりのショックにすごい大声を出したのですが、それがとてもリアルな悲鳴で(当たり前ですが)、お客様はたいそう驚いたそうです。

キャバクラで講演をするのも当たり前だったそうですが、怖いお話しの時のクライマックスで照明を全部落とすのだそうです。
お客の男性は、その際、怖がった女性が抱きついてくるので、とても評判だったとか。
というか、早く照明を落とせと、せっつかれたとか(笑)。
でもまあ、お客の少ない時もありまして、2,3人しかいない時などは辛かったそうです。
今でこそ少なくてもお客は神様ですから、ちゃんとやりますが、昔は「つの付く日は、店を早く閉めて飲みに出掛けよう」とか言っていたそうです。
1(ひとつ)〜9(ここのつ)までは、全て最後に「つ」が付きますが、10になると「つ」が付きません。
「つの付く日」とはつまり、お客が10人より少ない日という意味ですね。
なかなか洒落た言葉だと思いました。

講演をしている最中、外で大風が吹いて、お客の注意がそちらへ行ってしまい、一瞬、場が静かになってしまう事があったそうです。
そんな時、「おや、神様も聞きに来てくれたようだよ」と言って場を再度盛り上げたとか。
この場合の風というのも、ある意味「妖怪」みたいなもんだよなあと思いました。

大学の教授をやっている人は、「大都会」というクリスタルキングの曲が好きだそうです。
昔、日本に留学してきた時、身内のいなくて独りで寂しかったのですが、孤独の中でも頑張ろうという歌詞に共感したそうです。

古典の妖怪の出てくる本を研鑚するには日本語を読めないといけませんよね。
地元で日本語を学んでいたので、読むのは余裕だと思っていたそうです。
ところが実際、本を開いても読めません。
彼は先生から、「平仮名」しか教わっていなかったのです。
どうも、平仮名さえ読めれば日本語は大丈夫だと誤って教わったとか。

アメリカでは、ポケモン、コジラ等、日本の怪物が大人気です。
そういえば今、メジャーリーグでも一人、日本の怪物が活躍していますね・・・なんて言う話しもしていました。

そんなウィットにとんだ会話が弾むのも、ゲストの皆さんの豊富な知識と経験があるからだと思います。
どうも最近、テレビやラジオのトーク番組を面白く感じなくなりました。
それは20代以下の若い人向けの内容だからかな?
今更、「告った、告られた」みたいな話しを聞いても面白いと思う訳がありません。
話し自体はついていけるのですが、どうも浅いんですよね、中身が。
だから聴かなくてもいいと思ってしまう。
NHKは割かし、大人の人同士の会話が多いように思えます。
おかげで2時間も風呂に浸かっていても、時の長さを感じませんでした。
お風呂とラジオの相性って良いように思えます。
けれど真似して、のぼせないようにして下さいね。
(^_-)

Posted by kanzaki at 2003年07月28日 22:55
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