仕事の場面で相手から、「アウトソーシング」なんて言葉が出てきた際、相手の言いたいことは何となく分かるのだけれど、本当の意味を理解できず、されど分からない事をあからさまに顔に出すと恥ずかしいので、表情ひとつ変えずに、そしらぬ顔でお話しを聞いている事ってありません?
普段なんとなく使っている横文字。
横文字を使ったりしていると、何となく「俺って、出来るビジネスマン。っていうか、IT時代の申し子じゃん」なんていう、勘違い野郎になってしまうこともしばしば。
あんまりにも横文字を多用している人の話しを聞いていると、「お前は、ただ単にその単語を使いたいだけとちゃうんか?」と子一時間ほど問い詰めたい気分になったりならなかったり。
まあそれでも、その横文字を知らないよりも知っていたほうが当然に良いわけでして。
この程、国立国語研究所というところが提案する、「外来語の言い換え」が発表されました。
以下、その一部を抜粋いたします。
果たしてあなたは、何項目を正確に理解しているでしょうか?
(語/言い換え語例)
アウトソーシング(外部委託/業務委託)
アクセス(接続/接近/利用/参入)
アナリスト(分析家/分析専門家)
インキュベーション(起業家育成・支援/新規事業育成・支援)
インタラクティブ(双方向の/双方向性/双方向的)
オンデマンド(注文対応/受注対応)
コンソーシアム(共同事業体/事業連合)
コンテンツ(情報内容/内容/番組)
シェア(占有率/市場占有率/分かち合い/共有)
スキーム(枠組み/計画)
スクリーニング(ふるい分け/選別)
セキュリティー(安全性/安全対策/保安)
タイムラグ(時間差/時間のずれ)
バックオフィス(事務部門/管理部門/事務管理部門)
フィルタリング(選別/情報選別)
プレゼンテーション(発表/提示/企画提案/提案説明)
プロトタイプ(原型/試作モデル/典型)
ライフサイクル(生涯過程/一生涯/循環過程)
リニューアル(改装/改修/刷新)
ワーキンググループ(作業部会)
上記は、今回発表した63語のうち、IT/コンピューター関連でよく使われている言葉です。
これらを理解していれば、「IT時代の申し子」とバカチンな勘違いをしていても許されるかもしれません。私は許しません。
パソコンの使い方を初心者の方に教える際に思うのは、「お互い、技術レベルがそれなりにあれば、横文字を使った方が話しやすい」という事です。
結構、パソコンユーザーの人達が話す言葉って専門用語が多く、その殆どが横文字なのですが、かえって相手に伝えやすいんですよね。
その代わり、他人が聞くと、何を言っているのかさっぱり分からないのですが。
電話で初心者の方をサポートしている際、「それじゃあ、そこでクリックしてください」という言うと、相手からは「何それ?」みたいな反応が返ってきます。
「マウスの左ボタンを押してください」と言い直すと、ちゃんと指示に従ってくれます。
しかし、作業の途中何度もクリックをしなくてはいけないのに、その度に「マウスの左ボタンを押してください」と言うのは、こっちもしんどいんですよね。
専門用語は略語みたいなもので、短い言葉でそれを言い当てることが出来るので、お互いが理解さえしていれば、会話はスムーズに進みます。
ただ、何度も書いたように、それはお互いのスキルがそれなりにある場合のお話し。
相手が初心者だったり、あまり熟知していないお客様に使うのは、あまり関心できません。
全国で、いろんな方の講演が毎日のように行われています。
それらは大抵、ごく一般の人たちがお客様。
壇上に立つのは、何かに秀でている人だったり、数奇な運命を辿った人であったりします。
そういう特別な人のお話しを聞くのは楽しみであったりするのですが、同じ内容でも、ごく普通の人たちが聞いても理解できて面白いと思える講演というのは、専門用語や横文字をあまり使わない人なんですよね。
講演とはちょっと違うのかもしれませんが、最近、綾小路きみまろさんの「爆笑スーパーライブ第1集!中高年に愛をこめて…」というCDが売れていますよね。
うちの母も買ったので、私も聞いたのですが、そこで話されるものは、どれも難しいものではありません。
誰もが理解できる馬鹿話しだったり、下ネタだったりします。
お客さんは、綾小路さんがしゃべる度に爆笑します。
爆笑というのは、相手の言葉を理解するだけでなく、感覚的に面白いと思えるからです。
そういう風に思うには、喋る方も極力、難しい言葉を使わないように意識する必要があります。
綾小路きみまろさんは、自分の思っていることをちゃんと相手に理解してもらえるように努力している人だよなあと思いました。
横文字はかっこいいけれど、かっこいいだけじゃ相手は理解してくれません。
ほどほどにね。
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