2003年03月18日

ブランド

ブランドという言葉から、何をイメージしますか?
私は、「経済のサイクルが廻っているモノ」という印象があります。
経済という血流があって初めて、生きたモノとなるのだと思います。
ブランドを維持するにもお金がかかりますからね。
利益があってこそのブランドです。

最近の経営者のお話しは、どこも安売りの内容ばかり。
値上げして成功したなどという経営者は、殆どみたことがありません。
そんな中、ニチレイの「上等洋食」シリーズが、値崩れもなく順調に売れているそうです。
「手間と時間がかかっているものだから、安売りはしません」と断言しています。
逆に、「手間と時間がかかっているのに、こんなに安いの!」というのも、お客の購買欲を沸きあがらせます。
どっちにしても、「手間と時間をかけた」という、目に見えない「汗の奇跡」が感じられるから売れるのでしょう。
販売までの過程が見える・・・まるでNHKの「プロジェクトX」みたいだ。

異業種の会社が、無農薬野菜の販売をしたりして好評を得ていますよね。
作っているのは、どこどこの誰々ですと書いてあり、多少、値段が高くても安心して買ってしまいます。
似たような例で、おばあちゃん達の直売所が人気です。
実はこれって、現在のところ、約5,000億円もの経済が廻っているのだそうです。
10年後には3兆円規模になることが予測されているとか。
3兆円といったら、全国農産物生産高の30%にあたるんですよ。
食べもののブランド化は、消費者がただ安価で便利な食べものばかりを求めているのではないという証拠でもあります。
おばあちゃん達の直売所パワーは、固定客がいることです。
生産者の顔がまともに見える産物は人気があり、次回も買ってしまう力があります。
生産者は生産者で、ブランドによる効果もあります。
それは、消費者に自分達の顔を見られていることから、責任感が生まれることです。
本物の自然を届ける気持ちの再認識。
手間と時間をかけたというドラマは、消費者の購買意欲を高めます。
このエネルギーをもっと使うべきでしょうね。
そういや、モーニング娘。が人気があったのも、アサヤンという番組で、彼女達の現場裏でのドキュメントを放送していて、「頑張っているんだなあ」と思わせたからだと思います(今、そういうのが無くなっているので、思い入れがしにくい。けど、ナッチは可愛い)。

相手が期待していることよりも、ちょっとだけ上回ることで、感動というものが生まれてきます。
相手を感動させる秘訣。
それは何も大袈裟なものではありません。
例えば、無地のラベルのお酒が売れています。
買い求めるお客の殆どは、酒の味がどうのこうのと御託を並べずに、ただ無地のラベルに一筆を依頼します。
その文字は「感謝」。
このお酒を貰った人は、おそらく予期せぬ贈り物に感動します。
「感謝」というストレートな気持ちが相手の心を直撃します。
なかなか言えない言葉ですからね。
これもまた、「感謝」というブランドの力なのでしょう。

Posted by kanzaki at 2003年03月18日 20:38
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