2003年02月06日

ユニクロvsファッションセンターしまむら

ブームというのはこの時代、ある意味「リスク」と考える方が良いのかもしれません。
トップに立ったら、後は落ちていくだけですから。


あれだけ騒がれていたユニクロも、ここのところずっと前年比割れ。
低価格を勝負にしていると、いずれはそのインパクトも薄れ、客足が引いていきます。
似たような事例では、マクドナルドもそうですね。
売上が伸び悩み、遂に激安バーガーも止めてしまいました(一番安いハンバーガーのみ、現状の価格)。
スターバックスも赤字で、出店計画数を減らしています。
スタバは、20・30代の「ワンランク上の生活を目指す女性」に支持されていたのですが、その支持層が飽きてしまったらしく通わなくなりました。
客層が故に、恥ずかしくて入れなかった年配の男性達を顧客として引き入れにくかったのも敗因かと(私も行ったことがありません)。
古くは、バンダイのたまごっち。
在庫不足を補うために増産を始めたら、既にブームが去っており、大量の在庫を抱えて大損害となりました。

ブームというのはやはり、ブームでしかありません。
一時はみんなに持ち上げられても、それを長期間維持することは難しいですね。
そんな世の中ではありますが、急成長ではないものの、毎年コンスタントに売上を伸ばしている会社もあります。
例えば、「ファッションセンターしまむら」。
地味ではありますが、おばさん層の支持を受けており、売上は全国レベルです。
他社が出店計画を抑えている中、この会社は毎年コンスタントに増やしています。
ただし、急激な出店はしません。
どんなに景気が良くても悪くても、一定のレベルで増やしているんです。
たまたま世の中が不景気で周りの会社が悪くなっているので、この会社が良く見えるんです。
1000店舗近くあるにも関わらず、それほどマスコミに取り上げられないのは、社長があまりメディアに出たがらないのもあるし、関東での出店数が少ないのも理由でしょう。
私は中に入ったことはありませんが、あのお店は駐車場が広く、トイレが建物の外にあるので、ドライブの最中のトイレに便利なんですよ。
しかも、隣にあるジュースの自販機は、通常の120円よりも安いときたもんだ。
あのお店は、どこへ行っても全く同じ建物です。
一定の敷地面積が無ければ、例え相手から誘致のお誘いがあっても出店はしません(だから関東に少ないのかな?)。
社長自らが、出店予定の土地へ出掛け、確実だと思ってから出店します。
目立つようなパフォーマンスをしません。
目立つような商品を出しません。
ブームを作る要因はありません(失礼な話しですが)。
けれど、確実に売上を伸ばしている。
地味でも飽きさせず、定期的に通わせるお店の雰囲気を作ることに力を入れているからでしょう。
芸能人と違い、何十年も同じ場所で働く会社です。
数年間の調子の良い時代を築くことよりも、長年に渡って安定した経営をする方を選んだのです。
従業員から見れば、これほどありがたいトップもいないでしょう。
華やかさを前面に打ち出し、業績が悪くなったらリストラだなんだと切り捨てていくトップなんか欲しくありません。

私の会社も、しまむらのようなタイプです。
だから、世間で華々しいパフォーマンスを繰り広げている会社に対し、とても憧れのまなざしを向けていました。
けれど、それも昔の話し。
当社は、何だかんだで毎年黒字だし、少ないけれど毎月一定のサラリーは貰えているし、売上も伸びています。
自分自身の仕事も、着実に効果を上げていますし、ここまで来ると派手な新しい事をするよりも、今の仕事の内容をもっと深く探求する方が好きですね。
とても安心して仕事をしているように思います。
長年働くのならば、やっぱりこういう方がいいなあ。

個人的にも今年は、地道に行こうと思っているんですよ。
派手な遊びは避け(元々していませんが)、黙々と勉強して資格を取ろうとしています。
無い袖を振って自分を派手にアピールするより、ちゃんと実力を付けて、何も語らずとも、相手に認められる人物になりたいですね。

Posted by kanzaki at 2003年02月06日 20:56
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