神崎のナナメ読み

タロットカード【カップの９】

タロットカードのお話しをしましょう。

カップの９のカードには、９つのカップの前に商人が座っている絵が描かれています。
商人が王子に、こう云いました。

私が幸福になれる秘密を王子様にお教えしましょう。
幸福とは手に入れる事が目的ではありません。
幸福とは何処かから買ってくるものだと思って毎日汗水をたらしてます。
彼らは手に入れたものを楽しむということを知らないのです。
だから、いつまでも満たされないのです。
王子様、幸福とは今持ってるものを充分味わうことなのです。

そして王子には、その商人が飲んでたワインがとても旨そうに見えたというお話しです。

＊＊＊

何だか、物欲に走り過ぎている人間への戒めのように感じられました。
買っても買っても、それを充分に使いこなしたり、愛着を持って使ったりする事が無いうちに、すぐにまた別のものを買ってきてしまう。
そしてまた、同じ事を繰り返す。
本当にその人は、それを買って幸せになったのでしょうか？

テレビ番組を録画して、カセットテープの山を作り、結局、何年経過しても一度も見ること無く処分した事を思い出しました。
その中の何本でもいい。
ちゃんと見てあげれば、何かしら感銘を受け、それは思い出として残るというのに・・・。

「将来への夢」についても、考えさせられます。
自分の得意とするモノ、努力しているモノの先にある夢や希望ならば、それは抱きつづけるのは素敵な事だと思います。
けれど、何もしていないのに、「××になりたい」「将来は大物になりたい」と吹聴するのは、何も身にならないし、他人はあなたを内心では見下すことでしょう。

「あなたは今の自分を１００点満点中、何点だと思いますか？」
３０点？　６０点？　８０点？
１００点と答えた人・・・・その人は、幸せは自分の目の前にあると知っている人だと思います。
自分の中にある素敵な宝石の原石を無視して、あなたには全く関係の無い世界に憧れ、そして夢が砕けた時、とても不幸となってしまいます。
自分には全く届かない、とても高いハードルを飛ぼうとして失脚して落ち込む・・・・そんな事をしていても、人は幸せにはなれません。
「身のほどを知れ」なんて事を云っているのではありません。
自分の中にある可能性、才能を見つけて欲しいのです。
全員が同じ事を出来る訳ではありません。
他の人には全員できる事が、あなたには出来ない事があるでしょう。
けれど逆に、誰一人として出来ない事が、あなたには出来る事があるはずです。
自分の持っている才能を自覚し、それを鍛錬していけば、あなたは将来、とても素敵な人生を過ごせると思います。
好きな事、得意な事をやっている時って、大変だけれど、辛いとは感じないものだしね。
途中の過程も、素敵な人生の一章節となるでしょう。

一枚のタロットカードから､私はこんな事を考えました。
一枚一枚に、教訓めいたものが込められているそうですよ。
そういうものを調べてみるのも面白いかもしれませんね。