2004年08月20日

静止した闇の中で

本日、二回目の更新。

タイトルは、「新世紀エヴァンゲリオン」の第拾壱話から借用。
決して新潟市に、第九使徒が出現した訳ではありませんよ。

19日から20日に切り替わった0時過ぎ。
ここ新潟市は、台風15号の影響により、強い風が吹いていました。

私はここ最近、法律の勉強をやっています。
その時間も参考書を熟読していました。

・・・すみません、嘘をついておりました。
素直に白状しますと、勉強をしていて疲れたので、15分ほど休憩をしようと畳の上で横になっていたら、仮眠どころか熟睡してしまい、2時間が経過していました。
うつらうつらと目が覚めはじめたのが、深夜0時過ぎ。
突然、天井の照明が消えてしまいました。
照明だけではありません、エアコンまでも止まりました。
停電してしまったのです。
停電する際の照明の明かりが消える音、エアコンが止まる音に、ビクッと反応して起き上がりました。

完全に真っ暗になり、一体、この部屋の出入り口はどこかさえ分からなくなりました。
両手を壁に当て、手探り状態です。
ようやく出入り口が分かり、廊下へ出ました。
すると階段の下より、母親が小さな明かりの灯った懐中電灯を手にして登ってきました。
「停電になったみたい。明かりを持ってきたよー!」
母親は私に、もう一つの懐中電灯を渡しました。
私は、「非常時に備えて、ちゃんと懐中電灯を用意していたんだなあ。しかも二つも」と感心しました。
しかし、渡された懐中電灯をよく見ますと、それは懐中電灯ではありません。
けれど棒状で、先の方は明るい。
これは仏壇にあがっていたローソークの形状をしたライトでした(お。
白くて細長いローソクを模した本体。
その中に単三電池が入っています。
そして先の方は、ローソクに灯る炎の形を模した半透明のケース。
その中に豆電球が入っており、電池を入れるとオレンジ色に発光するのです。
仏壇にローソクを灯すのは、火事などで危険ということもあり、このライトに切り換えたのです。
我が家が、非常時に備えて何かを準備している訳がない。
まさか仏壇のローソクに模したライトも、停電時の懐中電灯代わりに使われるとは思いもしなかったでしょう。
とりあえず明かりを手に入れた私。
各部屋の状況を調べているうちに、停電が復旧。
電化製品によっては、停電のお蔭で、時刻表示がリセットされているものもありました。
デスクトップパソコンは、いつもスタンバイ状態にしているのですが、電源が完全にOFF。
パソコンの電源を入れて起動してみました。
ぱっと見、異常はなかったようです。
それでもまあ念のため、再起動したパソコンを電源OFFにして、もう一度、再起動しました。
電源が入ったらハードディスクの状態を調べて、その後にスタンバイ状態にしようと考えていたのです。

その再起動中の事です(画面には、Windws XPのロゴが表示されている)。
なんと、また停電したのです!!
ぐわっ、再起動中に電源が落ちた!!
いや〜焦りましたねえ。
起動している途中で、強制的に電源が落ちてしまい、下手すると、ハードディスクのデータが吹っ飛んでしまう恐れがあると思ったからです。
あたふたしている数分後、停電復旧。
恐る恐るパソコンの電源を入れてみました。
すると画面には、「起動の途中で電源が切れました」みたいな警告メッセージと、訳の分からない英語と日本語の列記。
気が動転していたので、何をキー入力したのか忘れましたが、いろいろと触っていたら、いつものデスクトップ画面が表示されました。
ハードディスクのチェックをしたら、特別、異常はありませんでした。
本当に焦った。
再起動中の停電は勘弁してください。

今週は早出出勤をしているお蔭で、翌朝は5時に起きなければいけないのに、すっかり目が冴えてしまいました。
時計を見たら、まだ1時にもなっていません。
しょうがないから、再度、勉強をはじめました。
もともと深夜体質のせいでしょうか、やけに勉強がはかどりました。
しばらくすると小腹が空いてきました。
それと、冷蔵庫の中の牛乳が無くなっているのを思い出しました。
私は深夜と早朝は、必ずホットミルクを飲む習慣があります。
飲むと、何故か落ち着くんですよねえ。
まだ外は暴風ではありますが、家の裏にあるコンビニへ行くことにしました。
家の階段を降りて一階へ。
すると居間では、母親がレンタル屋から借りてきた、韓国ドラマのDVD鑑賞をしていました。
ここ数ヶ月、寝る間も惜しんで、韓国ドラマを観ているようです。
停電になろうが何をしようが、一日のノルマを観るまでは寝ないそうです。
何もこんな日に・・・とも思いつつ、私は外出しました。
母親は母親で、「何もこんな強風の夜中にコンビニへ行く馬鹿がいるか?」と思っていた事でしょうが、目の前の韓国ドラマの方が大事なので、何も声をかけてきません。
外へ出ますと、思ったほどの強風ではありませんでした。
きっと傘をさしても、傘の骨が折れる事はないでしょう。
雨も降ってなかったし、意外とすんなり歩けました。
家の裏にコンビニがあると便利ですよねぇ。
逆に頼りすぎて、生活のリズムが狂う温床でもありますが・・・。

コンビニへ行って、いきなり驚きましたよ。
コンビニの入り口のガラス戸が、大きく割れているではありませんか!
まるで大きな石を投げつけられたような形で割れています。
ガラスの破片は、外から店内に向かって散乱しています。
つい先ほど、割れたのでしょう。
まだ掃除の途中なのですが、レジにお客がたくさん並んだので、清掃を中断していたみたいです。
私は店内を歩き回り、牛乳とパンを買いました。
そして、お客の空いたレジの前に立ち、お会計をしていました。
お店の人は、年恰好からして店長のようです。
店長に「×××円になります」と云われました。
袋詰をしている店長に、割れたドアの事について聞きました。
強風の為に勢いよくドアが開き、今度は再度の強風で勢いよくドアが閉まったそうです。
その勢いに耐えられず、閉まった途端にガラスが割れたそうです。
「それは大変でしたねぇ」と云いながら、私はお釣りが無いように小銭を取り出していました。
すると、その瞬間・・・


なんとまた、停電です!!


コンビニの店内が真っ暗になりました。
店長が、「またかあ・・・」と愚痴ってました。
店の横の道路の信号も、電柱の灯りも消えています。
コンビニは真っ暗になっていますが、会計中のレジと、店内に設置してある銀行のCD機は電源が入っていました。
停電になっても、現金を扱う機械は死なないのですね。
まあ、それまで電源が落ちたら、泥棒が盗み放題ですもの。
店内の一箇所だけ、オレンジ色の小さな照明が灯っていました。
非常灯でしょうか?
しかし、あまりにも貧弱な灯りなので、店内を見回しても、何も見えません。
活動機能を停止してしまったコンビニを体験した事ってありますか?
私は生まれて初めてですよ。
店長が、「財布見えますか?」と聞いてきたのですが、レジに付いている巨大な液晶モニター(会計金額や、宣伝が表示されている)の明かりで、何とか見えました。
そしてお釣り無しで支払いを済ませ、買ったものを引き取ると同時に、停電が復旧しました。
何を思ったのか、店長が入り口のところへ行きました。
強風で、ふいに扉が開かないようにと手で押さえて、壊れたドアを開けた状態にしてくれたのです。
「私が押さえていますので、どうぞお通り下さい」と店長。
いやあ、これには嬉しかったですね。
このコンビニは、中学の時から使っていますが、ますます利用したくなりましたよ。

翌朝、新潟市には強風の爪あとが残りました。
道路に面していた看板が倒れて、道路を塞いでいました。
また、別のところでは、錆びたボロボロの鉄板が空中を舞い、それが住宅展示場の屋根に突き刺さっていました。
そこには警察もいて、現場検証をしていましたよ。
うちの会社を囲っているスチール製の柵の部分は、風か何かわかりませんが、その力でひしゃげていました。

私は本社の人間なので、全店へメールし、各支店の被害状況を調査依頼しました。
一部の店所で、ちょっとした故障があった以外は、特別、異常はありませんでした。
これには、ほっとしています。

それにしても、新潟も住みにくい土地になってきましたよ。
水害にはなるわ、猛暑にはなるわ、風は強いわ、これで数ヶ月後に訪れる冬に豪雪となった日には、新潟県脱出計画を画策せねばなりませんよ。
どこか、良い土地はないものか・・・。

Posted by kanzaki at 2004年08月20日 18:20 | トラックバック (0)
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