2004年11月19日

西武鉄道株・有価証券報告書虚偽記載の余波

西武鉄道が有価証券報告書の大株主の株式保有比率を虚偽記載していた問題が、ニュースで連日、取り上げられています。

一応、株式関係の仕事に携わっている私ですが、「ふ〜ん。まあ、ウチには関係ないや」と、あくまでテレビの中の出来事として捉えていました。
株式の仕事をやっていて思う事は、「虚偽の書類って必ずバレる」って事です。
今回の事件は、かなり大昔からやっていたそうですが、それだってバレた訳です。
株式の仕事って・・・否、どんな仕事でもそうですが、どこかを偽りのデータに変えると、別の部分にも影響があるので、そこもまた直してやらないといけません。
そして、そこを直すと、また別の場所が・・・。

ドリフのコントで、こんなのがありました。
ボンネットが開いたからそれを閉じると、今度は右のドアが開く。
そこを閉じると今度は左のドアが開き、次々と同じ事が繰り返される。
そして最後のドアを思いっきり閉じたら、車がボンッ!と壊れる・・・みたいな内容。
その現象と同じで、偽りを偽りとして続けるには、それなりの労力とリスクがつきまとうのです。
そして最後は、バッド・エンド。

今回の件だと、トップの指示があり、誰も逆らえなかったというワンマンオーナーな体質から出た事件だと思います・・・そんな内容だったような気がします。
新聞でナナメ読みしただけだから間違っているかもしれませんが。

そんな事が起きている最中、私の会社に1通の手紙が。
差出人は「関東財務局長」。
中身は「有価証券報告書等の記載に係る自主的な点検について」という内容のもの。

最近、証券取引法上のディスクロージャーをめぐり、不適正な事例が相次いで判明していることにかんがみ、有価証券報告書を提出している各社においては、他人名義で実質的に保有している株式が存在する等により有価証券報告書等において事実と異なる記載が行われていないかどうかにつき、自主的な点検をいただきたい。
その結果、仮に、有価証券報告書等について訂正の必要がある場合には、速やかに訂正報告書の提出等必要な手続を取られたい。
また、訂正の必要がないと認められる場合には、その旨を12月17日(金)までに文書により回答願いたい。

・・・だそうです。
つまり、「今後、同様な事件があった際、世間から財務局が批判される前に、こういう対応をしてあったのだから、私達は悪くない」と云う為でしょうかね。

記載例も非常にアバウトでして、どんな風に書いたらよいのか分からないものでした。
みんなで「うーむ。どうするよ、これ?」と頭を突き合わせていました。
書式は任意で良いというぐらいですから、やはり上記に書いたような理由の為に送ってきたのかな?

この糞忙しい時期、仕事が増えるのは困りましたねぇ。
自分の会社内だけでなく、よその会社にまで迷惑をかけたのですから、事件を起こした当人には反省してもらいたいですよ。
実務をやっていると、確かに色んな「裏技」に気づくのですが、バレる可能性が0ではありません。
やはり、リスクの大きい悪いことは、やる価値はありませんよ。
疲れるだけ。

ちなみにウチは、そんな悪いことはしてませんので。

Posted by kanzaki at 2004年11月19日 12:18 | トラックバック (0)