2004年11月18日

ドコモ「FOMA 901iシリーズ」発表〜SH901iCは26日発売

901iシリーズ5機種が発表された。
SH901iC、N901iC、F901iCがFeliCaに対応。
全機種ステレオツインスピーカーを搭載したほか、着うたサイズの拡大や、メール最大添付容量が500Kバイトに拡大されている。

ドコモは11月17日、FOMA 900iの後継となる901iシリーズ5機種を発表した。
第1弾として「SH901iC」が11月26日に全国一斉発売される。

901iシリーズは、FeliCaに対応した「SH901iC」「N901iC」「F901iC」と、FeliCa非対応の「P901i」「D901i」。
共通の特徴として、全機種がステレオツインスピーカーを搭載し3Dサウンドに対応。
また、「着モーション」「着うた」の容量を300Kバイトから500Kバイトに拡大し、高音質・長時間の着うたが楽しめるようになった。

メール添付容量も100Kバイトから、業界最大となる500Kバイトに拡大。
メガピクセル画像や高画質iモーションののメール送信が可能になっている。

赤外線関連機能として、「Gコード」を閲覧できる番組表iアプリもプリインストールした。

また、外部から取り込まれるコンテンツに対して、問題要素を検出する「セキュリティスキャン機能」も搭載している。


ドコモ「FOMA 901iシリーズ」発表〜SH901iCは26日発売
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news032.html

携帯がビデオデッキに〜回転2軸のおサイフ携帯「SH901iC」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news033.html

指紋認証+AF204万画素カメラ+FeliCa〜「F901iC」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news040.html

NEC初のおサイフケータイ〜「N901iC」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news035.html

カスタムジャケット+202万画素カメラ〜「P901i」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news036.html

FOMA初のスライドボディ〜「D901i」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/17/news038.html

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ドコモのハイスペックシリーズ発表会で、今回の901iシリーズほど世間の反応がクールなのは初めてじゃないでしょうか。
話題に取り上げる人が、リアルワールドでもネットワールドにも殆どいません。
そういや最近、周りの人達と携帯電話について話すことが無くなりました。
もう世間では、携帯電話は話題の中心では無くなっているんじゃないでしょうか。
それだけ生活に浸透し、それがある事が当たり前で、尚且つ、ユーザー一人一人が「自分は○○と××の機能があればいい」とか、自分の生活とつき合わせ、丁度良い機種を選ぶ知識と目を養ったからではないでしょうか。
少なくとも、普通の社会人はそうだと思います。

901iシリーズ共通の特徴は、どれも本筋の通信機能に関係無い付加機能ばかり。
まあ本来ならば、「800Mhzと2Ghzのデュアルバンド」が最大のウリだったんですよね。
しかし今回、それが見送られました。
理由は、どうやらソフトバンクにあるらしい。
「2005年3月期 中間決算説明会」の質疑応答の4によると、ソフトバンクの行政訴訟問題により、デュアルの認可が下りなかったそうです。
訴訟が長引けば、902iでも見送られるかもしれませんね。
ただある意味、ドコモとしても、これにはホッとしているのではないでしょうか。
ソフトバンクが現時点で進出してきたら、価格破壊は相当なもんでしょう。
この訴訟問題で、それが先送りになったのですからね。

メール添付容量が業界最大となる500Kバイトに拡大したそうですが、受信は10000バイト(10kbyte弱)のままです。
最大容量を受信するには、パソコン等を使うしかありません。
これでは、通常のユーザーには意味が無いですね。
そもそも、あの小さい液晶同士で写真のやりとりをする分には、カメラの画素等もオーバースペックなのですが。

FeliCa機能も含めて端末をロックできる「遠隔ロック」機能を提供したそうですが、その機能が必須なのは最初から分かっていたと思うのですが・・・。
第2世代でようやく対応というのは、ちょっといただけませんね。
ただ、ちょっと思ったのですが、FeliCa機能の遠隔ロックは、盗んだ相手が端末の電源をオフにしていたらアウトじゃありませんか?
確か、FeliCaそのものは、端末の電源がオフになっていても使えますよね?

901iシリーズは、全モデルがAACエンコードの音楽再生に対応だそうです。
アップルのiTunesなどを利用し、PCから端末のminiSDカードに楽曲を転送して再生できる機能などを備えています。
対応コーデックはAAC、ビットレートは128kbps。
iPodのお陰で、ポータブルオーディオに活気が出てきたように思うのですが、携帯電話もその恩恵に預かろうという事ですかね。
ただ、そんなに大々的に宣伝文句として伝えていないところを見ると、まだまだ改良の余地があるのかもしれません。
また、その音楽を記録するminiSDカードは、一般人には値段が高いと思います。
あんなちっぽけなモノに、1万も2万も出して買う人は、限られたユーザーだけです。
PDAユーザーならば何枚か持っているでしょうが、普通の人は、端末以外にそんなに多くの投資はしません(端末だって、一つ前の安くなった端末を買ったりして工夫している)。
ドコモが通信機能とかの強化よりも、今回のシリーズのように、付加価値の機能を重視し続けるならば、いつかはハードディスクドライブ内臓なんてのも登場してくるでしょうね。
現状では、中途半端なポータブルオーディオ機能の為に大金を注ぐならば、その分+αで、iPodを買った方が幸せのような気がします。

端末の形状で、「?」な所がありますよね。
なんで、アンテナが露出している端末があるのでしょうか?
明らかに退化ですよね。
なんちゅうか、共通仕様の進歩の乏しさに問題があります。

2.4インチ大画面
200万画素数以上のCCDカメラ
マルチタスク機能
アンテナの露出なし
動作のモッサリ感解消

これらの機能や特長が全機種標準搭載でも良いと思うんですよ。
だって、FOMAから「ハイスペック」という文字を抜いたら、何も残りませんもの。
PDCである50×iシリーズは、現行の506iで終了し、507iは登場しないそうです。
まあ、それは当然でしょうね。
同等なハイスペックをPDCでやっちゃったら、FOMAへの移行がにぶるでしょうから。
けれど、世間も冷ややかな態度になりつつあるし、未だにFOMAが使えないエリアが多い。
私の業界では正直、FOMAは使えません。
現在、100台中1台の割合しかFOMAを導入しておりません。
それも、携帯を会社から貸与されている従業員が携帯ヲタで、「どうしても、FOMAじゃなきゃヤダ!」と、ダダをこねるからそうしてやっているだけです(結局、本人は後悔しているようだが、私は放置プレイ)。
機種選定は基本的に私がやっているのですが、まだFOMAは積極的に買いたいとは思いません。

きっとドコモも、飯のタネを探している時期なんだと思います。
iMODE、カメラ搭載の直前もこんな感じでしたから。
ただ、次の一手の決め手がなかなか出せない。
難しいところでしょうね。
今回の発表で一番頭を抱えているのは、ドコモさん当人じゃないでしょうか。
今回のシリーズを販売するには、今ひとつ「ウリ文句」がありませんから。
これらの内容ぐらいでしたら、当然に値下げするであろう900iシリーズを買う人の方が多いでしょうしね。

殆どの人が通話とメールが出来て、カメラが搭載していれば満足なんですよ。
だから、ハイスペックだけを追わず、後ほど登場するらしい700iシリーズにも力を入れて欲しいと思います(案外、本命かも)。


今の携帯電話のレールを築いたのはドコモさんなので、これからも頑張って欲しいなあと思っています。

Posted by kanzaki at 2004年11月18日 20:00 | トラックバック (0)