自動販売機でコーヒーでも買おうと会社の外へ出たところ、周りが霧に包まれて、遠くが見えない状態でした。
見えるのは、道を行き交う車のヘッドランプのみ。
不思議だなあとは思ったものの、そこはそれで終り。
その後、会社帰りに先輩方と食事に行こうと、一台の車で出たんですよ。
するとですね、会社の向かい空き地奥の建物が燃えていたんです。
霧だと思っていたのは、家事による煙だったのです。
どうりで、火事特有のあのキツイ匂いが立ち込めているはずです(最初はどこかでゴミを燃やしているのかと思ってた)。
火事は一般民家の二階窓際の部屋からでした。
まだそれほど火は燃え移ってはいません。
早速、119番をしようとしたところ、遠くで消防車のサイレンの音。
既に通報があったようです。
しかし、待てど一向に消防車は来ません。
帰宅ラッシュにより遮られて、消防車がスムーズに来れなかったのかもしれません。
ようやく到着した時には、既に火はかなり回っており、建物全てを炎が包み込んでいました。
周りは火事見物でごった返し、交通規制により沢山の車は、私の会社の駐車場にてUターンして引き返していきます。
炎だけでなく、電線にも燃え移ったのか、ショートしたような大きな音が轟くこともありました。
暗い夜なので、建物をライトで照らしています。
炎よりも白い煙の方が多くなると、その煙に、消防隊の方々が屋根の上で動く姿が、まるで紙芝居のようなシルエットで大きく映し出されました。
あんな危険な中、中にいる人を助けたり、鎮火させる為に動き回る姿に感動を覚えました。
これだけ大きな火事を見たのは初めてでした。
私は実際、何も鎮火の手伝いをしていません。
と云うか、出来る状態じゃありませんでした。
あの火災の際に立ち込めるキツイ匂いで、とても近くまで行けません(それに、消防隊にせき止められる)。
それにちょっと混み入った場所に建っているので、一般人がバケツに水をくんで消す事すら不可能なんですよ。
次の日、テレビ局の方が「近火御見舞い」を持ってきてくださいました。
近くに火事があったとろこへのお見舞の事です。
こういう”しきたり”がある事を始めて知りましたよ。
翌日、太陽の下で燃えた建物を見ますと、一階はとりあえず家としての形は維持しているものの、二階は骨組みを残して何も無いような状態でした。
昨年は洪水や地震、台風等で散々な一年でしたが、天災以外にも私達はいろんな危険と隣り合わせに生きているのですよね。
自動車事故、火災など。
そのたった一回の事で、人生が大きく左右される事もある訳です。
誰にだって起こりうる事です。
私は「視聴率の高い人生を送りたいとは思わない」人間です。
他人から見て関心の高い生き方ってありますよね。
テレビドラマ化したら高視聴率をとれそうなもの。
それは、本人の幸・不幸とは関係がありません。
ドラマのような、事業が成功したと思ったら倒産したり、交通事故にあったり、病気になったり、愛憎とりまく恋愛があったり、そんな波乱万丈な生き方を自分自身はしたくありません(観ている分には良いのですが)。
むしろ、NHKの教育テレビでやっているような趣味の番組・ローカル番組等、物凄く静かで、世間の視線もそれほど強くない生き方がしたいです。
なんかとても寂しい生き方だと思われるかもしれませんが、「平凡が一番」だと思いますよ。
風邪の時に、普段の健康のありがたさを思うじゃないですか。
また、海外旅行をして疲れて帰ってきて、やっぱりいつもの我が家が一番だと感じたりしませんか?
色んな有名な人、身近な人の生き方を観察して思ったのは、とても視聴率の高い生き方をした人って、結局最後は平凡な生活へ戻りたいと願っていると云う事です。
けれど視聴率の高い人生を送ると、ふと平凡に憧れるものの、一度走り出した特急列車のような人生は、そう簡単には停まってくれません。
また、悲しいかな。止めようと思う反面、スピードを止める事による不安(失敗、苦渋、失墜)もまた怖くて、そうそう「普通の人生」へ戻れないものです。
いろいろ経験して失敗し、最終的に平凡に戻るのも良いのですが、そんな事をせず、最初から平凡を維持し続けるのもアリだと思います。
スキーって、滑って転んで覚えていく人もいますが、その転んで怪我をしたりして恐怖心から滑る事が出来なくなる人もいます。
それならば、過程はスローでも、少しずつ上達するような安全な練習方法もアリだと思います。
火事の話しが人生論へ飛躍しすぎましたが、つまり平凡を維持する事だってとても凄いんだと云う事を知ってもらいたかった訳です。
Posted by kanzaki at 2005年03月08日 20:16 | トラックバック (0)日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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