2006年10月18日

モノを捨てたい病

私は基本的にモノをたくさん所有するのは好きじゃありません。
所有して、それらを管理することがストレスになってくるからです。
そうすると、今まで集めてきた品々を捨ててしまいます。

そんな性格のくせに、以前はコレクション癖があったので困りました。
集めること自体は好きなのに、それが終盤になってくると、集めたモノに囲まれることが辛くなってくるのですから。
本当に矛盾した性格でした。

何かで聞いたのですが、35歳までにコレクション癖が治らなければ、一生そのままだそうです。
それは嫌だなあと思い、今まで集めたモノを一気に捨てました。

例えば大量のビデオテープ。
映画やライブを録画しまくったのですが、殆ど見ることはありませんでした。
ある意味、録画した事で満足していたのです。
「この大量のビデオテープを保管しておくスペースの分も部屋の賃料として支払っているなんて、なんて勿体無いんだろう」と思い、続けて「一年経って見ないものは、一生見ないだろう。見たくなったらレンタル屋で借りればいいし」と自分を納得させて捨てました。

捨てる際、「このビデオテープに記録してあるデータをDVDへコピーしてから捨てよう」なんて事も考えましたが、目の前に高層ビルのように立ち並ぶビデオテープをDVDメディアへコピーする時間なんてありません。
そんな風に気の迷いもありましたが、何とか捨てることが出来ました。

上記のビデオテープをはじめ、数々のコレクションを捨てた後、数日は後悔するかもと考えるのですが、しばらくするとその存在すら忘れていました。
もともと、自分に必要が無かったものですからね。

私は世の中のコレクションおよびコレクターを否定する気なんて、一切ありませんよ。
むしろ、その入手努力、管理能力、それらの行動に幸せを感じる心・・・全て最高じゃないですか!
そういう人は、他の人にもそのコレクションの良さを広めて、多くの知人を作る・・・これもまた最高じゃないですか!
私はそこまで出来る能力がないだけです。

一度リセットすると、「無駄な買い物はしないようにしよう」と心がけるようになりました。
勢いづいて買いまくるよりも、一つ一つ吟味した上で、本当に欲しいものだけを所有しようと思ったのです。
沢山のものを管理する能力がないので、こうするしかありません。

吟味するため、実際に買った人の評価をネットで調べたりと、事前調査が入念になりました。
こういう行動そのものも、楽しいものですよね。
こういう事に関しては苦労は惜しまない方なので、何時間でも出来ます。

部屋からモノが減ると、モノとモノの間の「空間」に良さを感じてきました。
昔の日本の家と云うのは、基本的にモノは押入れにしまい、部屋はスッキリとさせていました。
モノではなく、空間・間(ま)に趣をおく。
そういう日本古来の住まいに対する認識を体感できるようになってきましたよ。

西洋の部屋は、沢山のモノがその人なりのセンスでディスプレイされていますよね。
そういうセンスがあれば、コレクションがたくさんあっても大丈夫でしょう。
しかし、私にはそれが出来ません。

部屋の隙間は、心の隙間。
「心のスキマ」なんて云うと、虚無とか無感動とか、あまり良いイメージがありませんね。
けれど私は、そういう隙間のある方が好きです。
心の中にスペースがあるからこそ、他人の意見・考えを受け入れられるのではないでしょうか?
空間・隙間を「余裕」と云いかえる事もできますね。
「余裕」と云う言葉には、平穏な精神状態をくみとれます。
つい先日も、心の余裕について書きました。

●神崎のナナメ読み: 空を見ていますか?
http://kanzaki.sub.jp/archives/001143.html

もし、日頃からイライラする方ならば、ご自分の部屋を見渡してください。
きっと、自分の心が反映されている状態だと思いますよ。
ならば、その後にどうするかは分かりますよね?

本日は会社にて、自分の家同様に、たくさんの書類などを処分しました。
周りからは、「急に身辺整理をはじめちゃって、会社を辞めるの?」と心配されましたよ(汗

会社の書類は自宅のコレクションとは違い、捨てるのに躊躇するものです。
自宅のコレクションは諦めれば良いだけですが、必要な書類は捨ててしまったら仕事にトラブルが起きますから。

けれどですね、今回はあっさりと捨てることが出来ました。
何故かと云うと、殆どがデジタルデータで代用できるからです。
仕事の書類は、ワードやエクセル、メール等を使って処理しているので、紙ベースの書類が無くても、デジタルデータがあります。
これらのデジタルデータは、紙の書類と違って劣化しませんし、作成・利用した日時も分かる。
更には、二次利用・二次加工も可能。
デジタルだから場所も取りません。
デジタルデータですから、当然、一気に消滅する恐れもありますが、その対策をしないほど無知ではありません。
毎日バックアップはとってあります。
スケジュール管理も、PDAとPIM管理ソフトを利用して同期。
紙の手帳も勿論便利なのですが、検索が早いし、二次利用、バックアップの有無の面で、私はデジタル化した方が役に立っています(あと、書く文字が汚いので、紙に書いても後で読めないorz)。

書類を捨てまくったら、自分の机の引き出しから、本当に殆どモノが無くなりました。
ここ数年、少しずつデジタルデータへ移行していった成果だと思います。
捨てた書類は、古いものばかり。
つまり、もう使うことがないものです。
そして、今後はデジタル化したものだけが蓄積していくので、今回みたいな大掃除も不要になるでしょうね。

こうやって、自分が作成する書類はデジタル化できるのですが、問題は取引先の業者から貰う書類です。
以前だと、デジタルデータとしていただいていた書類も、わざわざ紙に出力して提出される事が多くなってきました。
個人情報流出が社会的問題になってからと云うもの、各社はその事でナーバスになっているからです。
これが困るんですよね。
そういう書類に限って何十枚もの大量の書類だったり、A3サイズ以上の大きな用紙に出力されたものだったり。

そんな中、注目している機器とソフトがこちら。

●ITmedia +D PCUPdate:デザイン一新。スキャン速度や使い勝手もさらに向上
──PFU「ScanSnap S500」 (1/3)
http://plusd.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0602/13/news001.html

・カラー イメージ スキャナ ScanSnap : 富士通
http://scansnap.fujitsu.com/jp/

両面カラー原稿をワンプッシュで読み取るスキャナ装置です。
書類や名刺をスピーディーに電子化、スマート検索でビジネスをサポートします。

●楽2ライブラリパーソナル | 株式会社PFU
http://www.pfu.fujitsu.com/products/raku2library/personal/

オフィスの身の回りにある紙文書や電子データを手軽にパソコンにまとめ、パラパラめくりでデータ閲覧ができるソフトウェアです。

フラットベッド型のスキャナより高速で読み取れて、更にそれをパソコンの画面上で扱いやすいように加工。
これにより場所をとらなくて済むし、グループウェアでの情報共有にも使えそうですね。
デジタル化すると、モノを捨てたい病が発症しにくくなりそうです。

「デジタルには、モノの良さ・趣がない」と云われるかもしれませんが、モノが大量にあふれかえり、ひとつひとつのモノの良さを見失わない為にも、整理しておくべき事は整理した方が良いのではないでしょうか。

Posted by kanzaki at 2006年10月18日 22:51