2007年12月11日

お弁当について

本日、「笑っていいとも!」の「テレフォンショッキング」のコーナーに、トミーズ雅さんがゲストで出演していました。
タモリさんとの会話の中心は、お弁当についてでした。

雅さんは、娘さんたちのお弁当を毎日作っているそうです。
別に、嫁さんに命令されて作っているのではなく、自分で作りたいから作っているとか。
理由は、父親と娘の関係というのは、年齢が経つにつれて薄れていくから、せめてお弁当で繋がっていたいからなのだそうです。

朝早く起きてお弁当を作る習慣が、何年も毎日続いているそうです。
下の娘さんが高校を卒業するまで続けるとなると、あと6年は続けないといけないそうです。
上の娘さんは、今年の春に高校を卒業しているのですが、勿論、卒業までずっとお弁当を作ってあげていました。
雅さんによると、お弁当のおかずは6種類ぐらいは必要だそうです。
例えば、ウインナーを何本も入れず、あえて一本だけにします。
色んなおかずを少しずつ詰めており、食べるのが楽しめるように意識しています。
女の子のお弁当ですから、確かにそういうのが良いのでしょう。
最近は冷凍食品が発達したおかげで、レンジでチンすれば良いので、随分と助かっているそうです。
ただし、卵焼きだけは自分で作るとか。
卵にみりんを入れると美味しくなるそうです。
ただし、みりんを入れると焦げやすくなるのですが、そこら辺は、美味しさとのトレードオフ。

雅さんのお弁当作りは凄いなあと思いますよ。
だって毎日ですよ。
朝も早いし、短時間で行わなければいけないし、地味な作業でもあります。
そんなに毎日、感謝の言葉を娘から言われる訳でもないでしょう。
それでも、親子の関係を確認するために続けている姿は素敵です。


私は中学・高校と、お昼はお弁当でした。
母親の作るお弁当はいつも決まっていました。
白いご飯、厚焼き玉子、焼きシャケの三点セット。
殆ど、メニューは変わりません。
私の父親は既に他界しているので、母は子育てと仕事を両立する毎日。
そんな忙しい合間にお弁当を作ってくれるだけでも大変にありがたい事です。
今ならば、そういう事も分かるのですが、まだ幼い頃の私は、そういった事がわかっておりません。
いつも同じものばかりだったので、ある日母親に不満を漏らしました。

次の日、私のお弁当は非常にカラフルでした。
色んなおかずが少しずつ入っていたのです。
凄く嬉しいけれど、母親の作る料理と何かが違います。
ご飯をよく見ますと、一部分が赤く染まっていました。
それで気づきました。
これは、お店で弁当を買ってきて、それを弁当箱に詰め替えたものだったのです。
ご飯の一部分が赤かったのは、元のお弁当にのっかっていた梅干の名残りなのです。
私のわがままで親を困らせてしまい、苦肉の策としてこのような事をさせた自分を責めた記憶があります。


そういえば、現在放映されているNHKテレビ小説「ちりとてちん」にて、母親の作る料理についてのエピソードがありました。
主人公の女の子は学生時代、母親の作る料理が嫌いでした。
理由は、「お母ちゃんの作る料理は茶色いから」です。
田舎ならではの味付けのせいで、料理の見た目が茶色いのです(醤油ベースで煮たり焼いたりしているのかな?)。
学校で食べる際、母親の作ってくれた茶色い料理ばかりのお弁当を恥ずかしく思っていました。
そんな主人公はある日、自分の人生を変えるため、大阪へ上京することになります。
いろいろあった挙句、ようやく住む場所が決まりました。
その住む場所が決まった最初の日、たまたま母親が上京。
そこで一人暮らしをする為の準備を手伝ってくれました。
母親は不器用な主人公に、料理を教えてくれました。
母親が帰った後、作ってくれた料理を見つめます。
相変わらず茶色い料理でした。
けれど、嫌とかそんな感情は起きず、なぜだか涙が出てきたのです。
あんなに嫌だった母親の料理ですが、ふるさとや家族を思い起こしてしまい、涙が止まらなかったのです。

親の作る手料理。
どんなに有名な料理店の食べ物も、自分が親しんだ家庭料理の味にはかないません。
それは味を超えた、家族の絆だから。

私は母親の作る料理、お弁当を当たり前のように感じていました。
最近、冬になって乾燥しはじめたせいでしょうか、母親の指が荒れてきました。
いつも料理だけではなく後片付けまでやってもらい、非常に申し訳ないなあと思いまして、最近、後片付けは私がやっています。
後片付けひとつでも、毎日自分でやってみると、とても大変なものですね。
続けていると、食器用洗剤によって手が荒れてしまい、非常に痛い思いをしました。
最近は、ゴム手袋をして洗っています。

何事も自分でやってみないと、相手のやっている事の大変さって分からないものですよね。
こんなに大変な事を親だからと言う理由で、何も文句を言わずにやり続けてくれた母親には大変感謝しています。

私も、もういい年齢なのだから、母親には楽をさせてやりたいのに、未だに頼ってばかりの駄目な息子です。
いつか、ちゃんとした形で恩返ししたいものです。

Posted by kanzaki at 2007年12月11日 23:51