2008年03月06日

「宿命」と「運命」の違い

ジャニーズのV6が出演している「学校へ行こう!MAX」というバラエティ番組があります。

●「学校へ行こう!MAX」公式サイト
http://www.tbs.co.jp/gakkou/

この前の放送では、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんが出演していました。

●江原啓之公式サイト
http://www.ehara-hiroyuki.com/guest/index.html

あらかじめ言っておきますが、今回、私が書きたいことは、霊能力だとかそういう世界の話しではありません。

V6のメンバーと江原啓之さんは看護学校へ行き、そこの生徒達の相談にのるという企画でした。
その看護学校は、高校の授業をやりつつ並行して、看護士の勉強をするというところです。
高校生と言えば遊びたい盛りですが、一般的な授業の他に看護の勉強もするのですから、遊ぶ暇は殆どないそうです。

見たところ、全員女の子でした。
多感な時期ですから、色々と思い悩むことも沢山あります。

例えば、研修で実際に人の死を目の前にした事。
両親が離婚した為、離れて暮らす父の突然の死をしばらく知ることが出来ずにショックを受けたこと。
夕方までには帰ってくると入院している祖父に伝えたものの、遊んでいるうちに戻ってくるのが夜になってしまい、祖父の死に立ち会えなかった事。

いろんな過去を引きずったり後悔している生徒達に、江原啓之さんはアドバイスしていました。
基本的に親身になって話しをよく聞くスタイルでした。
そして、悩んでいる人に答えを提示するというよりも、その凝り固まった心をほぐして上げるような話し方でした。

例えば、上記の祖父の死に立ち会えなかった生徒の場合、祖父は死んだことにより、いつでも傍で見守り続けられるようになったのだから心配しなくていいというアドバイス。
霊的な話しもしていましたが、そういう話しも時には、悩んでいる人にとって救いになるのかもしれないと思いました。
なにせ、物理的には解決できない悩みですから。

最後に体育館にて、全員を前に話しをしました。
よく、「自分が10年後、どうなっているかを教えてください」というような質問を受けるそうです。
彼は、分かりませんと答えるそうです。
運命は自分で作り出すものだから、他人には分からないのだそうです。

そして皆に、「宿命」と「運命」の違いが分かるかを問いました。
「宿命は材料」であり、「運命は料理」なのだそうです。

自分をダイコンに見立ててみます。
他の野菜はカラフルだったり、色んな料理に使われて羨ましいと悩みます。
しかし往々にして、他人はよく見えるもの。
他の野菜から見れば、「ダイコンは、なんて色白で綺麗なのかしら」と羨ましがられているものです。

まずはダイコンである自分をよく観察してみる。
よく観察してみると、アクが強い事が分かる(宿命)。
じゃあ、それをどう解消するかを考える。
そうやって少しずつ改善し、立派な料理になるのです(運命)。

人も同じで、自分というものをよく観察し、努力をすること。
それが運命となり、みんなが知りたい「自分の10年後」になるのです。

当たり前の事を話しているように思えますが、実際は難しい。
切羽詰った人間には、広い視野で客観的に自分を見つめる余裕なんてありません。
迷って、行き当たりばったりで突き進み、そして挫折の繰り返し。
準備をしていないのですから、失敗して当たり前です。

10代の子供達には、難しい話しです。
だからこそ、大人たちの優しい助言が必要なのだと思いました。
(まあ今の世の中、成人ですら優しい助言を求めていますが・・・)

私は看護学校の生徒よりもずっと年上なのに、未だに自分の宿命を分かっていません。
自分を過大評価したいと思っているから、本当の宿命を見つめられないのかもしれません。

もしも花ならば桜になりたいと思っていても、自分が梅だとしたら、どうやっても桜にはなれないのです。
桜を羨ましがってばかりいて、梅である自分の美しさを知らないで過ごすことは幸せでしょうか?

宇多田ヒカルさんの「Beautiful world」という曲は、まさにそんな歌詞です。


Beautiful boy
自分の美しさ まだ知らないの

寝ても覚めても少年マンガ
夢見てばっか 自分が好きじゃないの

何が欲しいか分からなくて
ただ欲しがって ぬるい涙が頬を伝う


ちょっと、生きることにもがいているこの頃。
たまたま見たテレビでの言葉に、色々と考えさせられました。
もちろん、結論なんて出るわけがありません。
まずは宿命を見つけ、今の自分と、10年後の自分を結び付ける作業をしたいと思います。

Posted by kanzaki at 2008年03月06日 22:12