2008年04月19日

あなたを誇りに思います

本日の「NIKKEIプラス1」に、女優・上戸 彩さんのインタビューが掲載されていました。
その中で、母親からの手紙について話していました。

「誕生日などの記念日や大きな仕事の前後には、母がいつも手紙をくれるんです」
「読んでいるうちに、思わず泣いてしまうこともあります」

上戸家では何かあるたびに手紙を送る習慣があって、普段は照れてしまって言えないことでも不思議と書けるそうです。

手紙の封筒の写真が掲載されていました。
奇麗な文字で、こう書かれていました。


お疲れ様でした。
あなたを誇りに思います。

2006.12.25.AM3:43 母


2006年にチャリティーでラジオ番組の24時間パーソナリティを勤め上げたときにもらったものです。
記念日や連続ドラマなどの撮影に入る前にくれる手紙には、封筒の表に、必ず日にちと時間が書かれているそうです。
こういう親御さんに育てられたからこそ、いろんなドラマやCM等に出演し続けられる魅力があるのかもしれませんね。

坂東眞理子さんが書いた「女性の品格(PHP新書)」には、お礼状を書くことの勧めがありました。
パーティーに招かれたり、何かいただいた際など、パソコンや携帯電話が普及した今だからこそ、あえて自筆の手紙を送るのです。
直筆で長く書くのが苦手ならば、アメリカのようにカードを送るのもいい。
それならば一行でも大丈夫。
人と人との繋がりを大切にするためにも、こういったお手紙や年に一度の年賀状の必要性を書いていました。


中山産婦人科クリニック(http://www.area-link.com/~nakayama/)の鮫島浩二先生が作った詩に、このようなものがあります。

---私が あなたを 選びました---

おとうさん、おかあさん、あなたたちのことを、こう、呼ばせてください。
あなたたちが仲睦まじく結び合っている姿を見て、
わたしは地上におりる決心をしました。
きっと、わたしの人生を豊かなものにしてくれると感じたからです。
汚れない世界から地上におりるのは、勇気がいります。
地上での生活に不安をおぼえ、途中で引き返した友もいます。
夫婦の契りに不安をおぼえ、引き返した友もいます。
拒絶され、泣く泣く帰ってきた友もいます。
あなたのあたたかいふところに抱かれ、今、わたしは幸せを感じています。

おとうさん、
わたしを受け入れた日のことを、あなたはもう思い出せないでしょうか?
いたわり合い、求め合い、結び合った日のことを。
永遠に続くと思われるほどの愛の強さで、わたしをいざなった日のことを。
新しい”いのち”のいぶきを、あなたがフッと予感した日のことを。
そうです、あの日。わたしがあなたを選びました。

おかあさん、
わたしを知った日のことをおぼえていますか?
あなたは戸惑いました。
あなたは不安に襲われました。
そしてあなたは、わたしを受け入れてくださいました。
あなたの一瞬の心のうつろいを、わたしはよーくおぼえています。
つわりのつらさの中でわたしに思いをむけて、自らを励ましたことを。
わたしをうとましく思い、もういらないとつぶやいたことを、
私の重さに耐えかねて、自分を情けないと責めたことを、
わたしはよーくおぼえています。

おかあさん、
あなたとわたしはひとつです。

あなたが笑い喜ぶときに、私は幸せに満たされます。
あなたが怒り悲しむときに、私は不安に襲われます。
あなたが憩いくつろぐときに、私は眠りに誘われます。
あなたの思いはわたしの思い、あなたとわたしは、ひとつです。

おかあさん、
わたしのためのあなたの努力を、わたしは決して忘れません。
お酒をやめ、タバコを避け、好きなコーヒーも減らしましたね。
たくさん食べたい誘惑と、本当によく闘いましたね。
わたしのために散歩をし、地上のすばらしさを教えてくれましたね。
すべての努力はわたしのため。あなたを誇りに思います。

おかあさん、
あなたの期待の大きさに、ちょっぴり不安を感じます。
初めての日に、わたしはどのように迎えられるのでしょうか?
わたしの顔はあなたをがっかりさせるでしょうか?
わたしの身体はあなたに軽蔑されるでしょうか?
わたしの性格にあなたはため息をつくでしょうか?

わたしのすべては、神様とあなたたちからのプレゼント。
わたしはこころよく受け入れました。
きっとこんなわたしが、いちばん愛されると信じたから。

おかあさん、
あなたにまみえる日はまもなくです。
その日を思うと、わたしは喜びに満たされます。
わたしといっしょにお産をしましょう。
わたしがあなたを励まします。
あなたの意思で回ります。
あなたのイメージでおりてきます。
わたしはあなたをこよなく愛し、信頼しています。

おとうさん、
あなたに抱かれる日はまもなくです。
その日を思うと、わたしの胸は高鳴ります。
わたしたちといっしょに、お産をしましょう。
あなたのやさしい声が、わたしたちに安らぎを与えてくれます。
あなたの力強い声が、わたしたちに力を与えてくれます。
あなたのあたたかいまなざしが、わたしたちに励ましを与えてくれます。
わたしたちはあなたをこよなく愛し、信頼しています。

おとうさん、おかあさん、あなたたちのことを、こう、呼ばせてください。
あなたたちが仲睦まじく結び合ってる姿を見て、
わたしは地上におりる決心をしました。
きっと、わたしの人生を豊かなものにしてくれると感じたからです。

おとうさん、おかあさん、今、わたしは思っています。
わたしの選びは正しかった、と。

わたしがあなたたちを選びました。

・・・この詩を読んだ親御さんは、育児の辛さの中、僅かばかりでも力をもらえるのじゃないでしょうかね。
親と子の絆というものは、子供が幾つになろうとも、決して本来、もろくなるものではないのです。

上戸さんのお母さんの「あなたを誇りに思います」という言葉は、とても素晴らしい。
この一言に、親子の絆の強さ、信頼感が伝わりますね。

ちょうどこれから、母の日、父の日があります。
お花やプレゼントと一緒に、手紙を書いてみませんか?
きっとその手紙は親御さんにとって、どんな書物よりも価値があるものだと思います。

Posted by kanzaki at 2008年04月19日 07:21