2009年01月14日

新潟県新発田市で見かけた火祭り「さいの神(左義長・どんど焼き)」

前回に書きましたとおり、1月11日に新潟県新発田市へ行き、「第五回 城下町しばた全国雑煮合戦」を見て(食べて)きました。

●神崎のナナメ読み: 第五回 城下町しばた全国雑煮合戦
http://kanzaki.sub.jp/archives/001773.html

あいにくの大雪でしたので、寒くて仕方がありませんでした。
その日は雑煮を食べただけではなく、他にも色々なものを見て、そして撮影してきました。
今回と次回は、その模様をお届けします。

雑煮合戦の会場へ行くため、シャトルバスに乗りました。
シャトルバスと言っても、普段から利用されている路線バスを利用していました。
新潟は「新潟交通」という所が運営をしています。
路線バスは、濃銀色のボディに青色のラインが入り、ルーフは赤色。
通称「銀バス」と呼ばれています。

そういや私、路線バスに乗るのは久しぶりです。
この数年、銀バスに乗っていないかもしれません。
小さい頃は、画家の先生のアトリエへ行って絵の描き方を教わっていました。
その場所へ行くのに毎週、銀バスに乗っていたっけ。

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普段から利用している人には当たり前の光景でしょうが、私には懐かしさを感じます。

雑煮合戦が終わった後、自家用車で移動しました。
道路を走っていると、新潟市内では見られない光景を発見しました。

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上記の写真を見てお分かりでしょうか?
道路の真ん中から水が噴出しています。
道路の凍結を防ぐための消雪パイプが備わっているのです。
新潟県と言う大きなくくりで見れば当たり前の設備です。
しかし、県の中心である新潟市にはありません。
どうも地下の地盤が良くなく、地下水を利用すると地盤沈下を起こしかねないからです。
だから新潟市内の冬の朝は、凍結でスリップしないように、ノロノロ運転になってしまうのです。
こうやって消雪パイプをまじまじと見たのは初めてかもしれません。

移動中、視線の先に黒い煙を発見しました。
最初、火事だと思いました。
しかし近づいてみると、それは違う事に気付きました。

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この火祭りはいわゆる「左義長」や「どんど焼き」です。
新潟でも場所によって呼び名は違いますが、多くは「さいの神」と呼ばれます。
普通は毎年1月15日に行われるものですが、日曜日である11日にしたのでしょうね。
越後の小正月に行われる「さいの神」は、宮中の火祭り「左義長」が民間に広まったものです。
竹の先にスルメを結わえ、この火で焼いて食べると風邪を引かないとか。
この伝統行事は各地で復活しているそうで、今年も新潟の各雪原に威勢の良い火柱がのぼっていることでしょう。


●左義長 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A6%E7%BE%A9%E9%95%B7

左義長(三毬杖・さぎちょう)とは、小正月に行われる火祭りの行事。地方によって呼び方が異なる(後述)。日本全国で広く見られる習俗だが、東京では江戸時代、万治、寛文と、火災予防のために禁止されて以降廃れた。
1月14日の夜または1月15日の朝に、刈り取り跡の残る田などに長い竹を三四本組んで立て、そこにその年飾った門松や注連飾り、書き初めで書いた物を持ち寄って焼く。その火で焼いた餅を食べるとその年の病を除くと言われている。また、書き初めを焼いた時に炎が高く上がると字が上達すると言われている。 道祖神の祭りとされる地域が多い。
民俗学的な見地からは、門松や注連飾りによって出迎えた歳神を、それらを焼くことによって炎と共に見送る意味があるとされる。お盆にも火を燃やす習俗があるが、こちらは先祖の霊を迎えたり、そののち送り出す民間習俗が仏教と混合したものと考えられている。
どんど、どんど焼き、とんど(歳徳)焼き、どんと焼きとも言われるが、歳徳神を祭る慣わしが主体であった地域ではそう呼ばれ、出雲方面の風習が発祥であろうと考えられている。とんどを爆竹と当てて記述する文献もある。これは燃やす際に青竹が爆ぜることからつけられた当て字であろう。

道路のすぐ脇にある田んぼの横で行われており、しかもこの一つだけを燃やしていました。
だから決して、観光客を呼んだりして行う大きな行事ではありません。
しかし、だからこそ地元民の生活に密着した行事のように感じられましたよ。

この寒い時期、あまり生活圏内から外へ出かける事はない私ですが、こうやってたまには普段と違う場所に立ってみるのもいいものですね。

Posted by kanzaki at 2009年01月14日 22:59