2009年03月27日

高い目標設定が成功の秘訣

「日経ビジネス アソシエ」最新号の特集は「最強の問題解決術」です。
そこに白井恵美(しらいえみ)さんのインタビューが載っていました。

●白井恵美(Emi Shirai)
ユニクロ執行役員
商品本部ウィメンズMD部 部長
1965年生まれ。
88年京都大学卒業後、モード学園入学。
英会話学校を経て、94年米国留学、MBA(経営学修士)取得。
米デルを経て、2000年ファーストリテイリング入社。

ユニクロの快進撃が目覚しいですよね。
過去、何度もヒット商品を出しております。
最近ですと、ブラトップとヒートテックでしょうか。
私も何着も買い、毎日着用しています(いや、ブラトップじゃなくて、ヒートテックね)。

白井恵美さんはユニクロで「ブラトップ」や「ヒートテック」の開発を手がけた人です。
ヒットの連発する秘訣は、高い目標設定だと語っています。

2004年、白井さんは女性用インナーの担当に変わりました。
彼女は新規事業を任されたと捉え、「2010年までに女性用インナーの年間売り上げを1000億円(現状の3〜4倍)にする」という目標を立て、事業計画書を書き、社長にプレゼンしました。
春夏と秋冬に、それぞれ複数の爆発的ヒット商品を出すと決め、候補を提出。
その中に、ブラトップやヒートテックのアイディアもありました。

ユニクロ内で女性用インナーは目立たない部門でした。
商品は店内の隅に追いやられるし、チラシでも良い位置が取れませんでした。

彼女は既存商品の売り上げと在庫のデータを調べて、売り逃がしのある商品を探し、そこに強気な発注をかけました。
さらに、店舗でサンプルをワゴンに引っ掛けるフックを改良するなど、店舗での商品の見せ方に細かな工夫を加えていきました。

地道な努力で売り上げが上向いたところで、この小さな実績を交渉材料に上司へ掛け合い、良い売り場や広告枠を確保しました。
平行して月に1回、社長に事業計画の進捗状況を報告し、理解を求めました。

昨年夏に大ヒットしたブラトップは、「小さな部署から大きなヒットを出すには、沢山の人を巻き込む必要がある」の言葉通りの開発でした。

ユニクロには元々、パッド付きのキャミソールがありました(2004年)。
この商品にしっかりしたカップと美しいシルエット、多彩な色とデザインという新しい要素を加えればヒットするとにらみました。

カップの開発技術陣、シルエットを任せられるデザイナーはいました。
しかし、色とデザインに問題がありました。

繰り返し着ているとカップが黄色く変色するため、白や淡い色の生地だと透けて見えてしまう。
だから、濃い色しか使えずにいました。

業界ではカップの変色は常識だったそうです。
しかし、ユニクロの生産部門の社員が本気を出せば、問題は解決できると信じていました。
そこで、一人の社員に目をつけ、「彼が欲しい」と上司に頼みました。
その社員が女性用インナーの専任になると、ほどなくして問題が解決。
ついに理想のブラトップが完成しました。

それからのヒット快進撃はご存知の通り。
事業計画にあった年間売り上げ1000億円は、前倒しで目標達成をできました。

白井さんが売上高1000億円を実現するためには、上司や社内の他の部署の協力が必要でした。
そこでまず、自分の権限でできることで実績を積み上げ、それを材料に上司などに掛け合いました。

雑誌「PRESIDENT」最新号の特集は「年収1800万の勉強法」でした。
その中に「これが給料を3倍に増やした人の共通点だ」というアンケート結果の記事がありました。
その共通点の一つが「稼ぐ人とそうでない人で"習慣化率"に2倍の差」というものがありました。

年収1800万円を稼ぐ人の42.3%が若い時「5年以上先まで勉強のビジョンをもっていた」のに対し、600万円台の人は26.8%。
稼ぐ人の方が、勉強について長期のビジョンを持っていた事が分かります。

目的無く漠然と勉強をしているだけでは、なかなか続かないし、学んだ事が長期的な年収アップにつながりにくいものです。
やはり勉強にもビジョンは必用なのですね。

冒頭の白井さんも、大きな目標を掲げていましたよね。
大きな事を成したり、成功する人は、志も大きい人なんだと思います。

白井さんは最初、自分の権限でできる事で実績を積み、交渉の材料にしました。
大きなものを動かすには、小さな事をコツコツと地道にやったものが活きてくるのです。

辞書一冊を一週間で覚えられるような驚異的な記憶力の人なんて、まずいません。
膨大な知識を得るには、これも毎日の地道な努力の先にあるのです。
地道にやる・・・勉強の習慣化が必要です。
年収1800万円を稼ぐ人は、20〜30代で既に58.4%の人が勉強を習慣化していました。
それに対し、600万円台の人は30.4%に留まり、2倍近くの差がありました。

若い時に勉強の習慣を定着させた人は、歳をとっても学び続ける力があり、その結果として、いくつになっても実績を上げ続けることができます。
そしてそれが年収につながっていると。

また、勉強を習慣化する上で、書斎の存在は大きいものです。
テレビを含め自宅には数々の誘惑がありますから。
しかし、書斎があれば気分を勉強モードへ切り替えられます。
1800万円稼ぐ人の主な勉強場所は、書斎という回答が多く、600万円台ですとリビングが多かったです。
勉強の習慣化を早くから定着させる為の環境づくりとして、書斎を持つのも良いようですね。


高い目標設定が成功の秘訣と書きましたが、自分の身の丈や実力を知らずに設定するのは馬鹿というもの。
長期ビジョンで自分や環境を高めていき、その行き着く先が高い目標なのです。
高い目標を目指すには、いつ何が必要なのかを逆算する必要があります。
そういったスケジュールを考える事が大事なんでしょうね。

社会人で資格の取得に精を出す人が沢山います。
その資格は、自分の長期ビジョンの中で、どういったポジションなのか、本当に必要なものなのかを検討する必用があります。
そうでないと、ただの資格ゲッターで終わってしまいますから。
「●●という目標の為に資格をいついつまでに取得したい」・・・こういう形で考えるのが大事だと思います。

連日、当社へ就職の為に会社見学や筆記試験、面接等を受けに来る大学生を見ていて、今回の記事を取り上げました。

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Posted by kanzaki at 2009年03月27日 22:27