2010年03月05日

減築リフォームという選択

雑談の中で、「減築」という言葉をはじめて聞きました。
建物のリフォームといいますと、不通は真逆の「増築」ですからね。
「リフォーム 減築」等のキーワードで検索して調べたところ、最近は増えているようですよ。

大抵、一戸建ての住まいを新築する時というのは、夫、妻、子供達、更にはおじいちゃん、おばあちゃん、ペット等、およそ一つ屋根の下で最大人数が住める間取りを考えるものです。

しかし、ローンの返済額がだいぶ減ってきた頃には、両親が他界、子供たちが大学生、社会人となって巣立っていったり、家族構成にも変化が出てきます。
最終的には、妻と夫の二人暮らしの老後。
たった二人しかいないのですから、沢山の部屋があっても使い切れません。
掃除等が大変なだけ。
足腰が弱れば、二階への昇り降りも大変になります。
その為、二階建ての家を平屋建てにしたり、敷地面積を減らした分を農園や駐車場にする人もいます。
そういったリフォームを減築といいます。

老後は田舎の一戸建てから、都心のマンションへ移り住む夫婦もいます。
自分の歩ける範囲内で食料や日用品が買え、病院へ通える場所を選択するのも、減築と同じく、生活の変化にあわせた住まいの選択です。

とある方は昔、支店長として働いていました。
単身赴任で行った支店には寮がありました。
一人ですから、本人は寮へ住むことを希望しました。
しかし、寮に住んでいる他の従業員達としましては、プライベートな時間まで上下関係を持ち込まれたくないという事で、入居を拒否されました。
支店長は基本的に、一戸建ての賃貸物件に住む会社だそうです。
しかし部屋数が多くて、一人で住むにはかえって不便。

その方は週末に実家へ帰る際、洗濯物をまとめて持ち帰って、奥さんに洗濯をしてもらいます。
そして仕事の為に賃貸の一戸建てへ行く際は、衣服の他、奥さんが作った一週間分の食事も持っていったそうです。
洗濯、料理共にしない一人暮らしの場合、一戸建ては掃除が大変なだけの不便な空間だったのです。

長い人生ですから、その時にあった生活空間にも変化があります。
少子高齢化社会がますます本格化するこれからの時代、「減築」は「増築」に変わるリフォームの姿になることが予想されます。

同じ年代の同僚たちは新築ラッシュ。
しかし私自身は、一戸建てを買いたいとは思いません。
かと言ってマンションを買いたいとも思いません。
いくら場所や建物が快適だったとしても、隣近所に住む人達によって(例えば騒音)、その快適さは失われるからです。
賃貸と違って、我慢して住み続けなければいけない。
かなり大きな賭けとなります。

また、増築・減築等をして自分の生活スタイルに対応させるより、賃貸物件を移り住む方が楽かなと(トータルの金額が変わらないとしてもです)。

私の理想は「ホテル住まい」です。
映画解説者として有名だった故・淀川 長治(よどがわ ながはる)さん。
wikiによりますと彼は、東京全日空ホテル34階のスイートルームで暮らしていたそうです。
その広い部屋の中は、映画に関する書籍や資料で埋め尽くされていたそうです。
もちろん、人それぞれ好みはありますでしょうが、お金があって一人暮らしならば、ホテルで生活をするのも悪くないです。

私にはそんな大金はありませんので、各地の安いホテルを転々として生きる形で構いません。
住まいにこだわりが無いと思われるかもしれませんが、これはこれである意味、私なりの住まいのこだわりです。

ムーミンの登場人物にスナフキンがいますが、彼は私の理想像です。
私のカバンにはこっそり、爪の大きさ程のスナフキンの人形をぶら下げているほどです。
冬が来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷へ戻ってくる・・・・・・そんな生き方がしてみたい。

Posted by kanzaki at 2010年03月05日 23:47