「課長島耕作」等でおなじみの漫画家・弘兼憲史さんが、フリーペーパーにてインタビューに答えていました。
この人が話すのですから、当然ビジネスの話しになります。
弘兼さんは、人を動かすのに二通りの方法があると言います。
(1)あえて厳しく叱り反発させて、「なにくそ!」という内から沸き上がってくる気持ちを利用して前進させる方法。
(2)8割ダメなところがあっても、2割の良いところを褒め、やる気を引き出し、ダメな8割部分のボトムアップへつなげる方法。
現代では(2)の、褒めて伸ばす方が有効に働く気がすると語っています。
生まれた時から、何でも身の回りにある時代。
ハングリー精神というものを持つ人が少ないからです。
厳しく言うとへこんでしまうし、叱られて萎えてしまう人が多い。
ゆとり教育をうけた若い世代に、昔のようなやり方で育てようとするのは間違っているとの事。
また、出世に関して欠かせないものとして、上司とのコミュニケーションがあります。
うまくやっていくために必要なのは、上司の性格を見ぬくこと。
複数の上司がいたら、みんな同じ性格じゃありません。
そして上司といえど、理解度に差があるのです。
相手の性格にあった対応が必要になります。
数多くの方法論を身につけても、誰しも落ち込んだりすることがあります。
そんな時は「すぐ忘れること」。
忘れるのにとっておきの方法は、「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」の3つの言葉をセットにして言ってみること。
苦難に直面しても乗り切り、好転させる魔法の言葉だと弘兼さんは語っています。
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最後の「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」の三連コンボは分かるような気がします。
特に「人それぞれ」という言葉は強いです。
相手の口撃に対し、こちらは何も切り札が無くても、「まあまあ。人それぞれだから」で対等に持ち込み、むしろ逆転できる可能性があります。
安易に使いやすいので、本当の自分の意見というものを考えたり、主張出来なくなってしまう部分もありますが。
人間、なかなか嫌な事って忘れられないですよねえ。
正直なところ。
嫌な思い出の方が、頭の中で再生されやすいです。
何度も脳内再生するものですから、余計に記憶として定着してしまいます。
弘兼憲史さんは上記のようなアドバイスを提示しました。
勿論、これも正解でしょう。
けれど多分これは、いろんな意味で強い人じゃないと無理だと思います。
人の心は、忘れようとするとかえって記憶に残るそうでして、「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」と唱えているうちは、実際は忘れるなんて出来てない訳ですよ。
じゃあ、どうするかと言いますと、「事実として受け入れる」しか無いのではないかと私は思います。
事実そのままですからね、嘘はありません。
嘘じゃないから、脳も自律神経も反発のしようがない。
無駄な抵抗が無い分、ニュートラルへ持ち込めます。
生きている以上、前へ進んでいかないといけません。
変なところでつっかえていると、せっかく別のところでチャンスを迎えても、それを見逃してしまいます。
また、手を差し伸べてくれる別の人物の存在にも気づかなくなります。
どこかの本で知ったのですが、「辛い」という言葉の「辛」は、そこに横棒を一本足すと「幸せ」の「幸」になるのです。
辛かった事を忘れるなんて難しい。
それより、辛いことがあった分、次に幸せが訪れると肯定していく方が、本人にとってベターな考えだと思いますよ。
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