※「蔵織」の社長さんが20代の時、レコードのジャケット用に描いた作品だそうです。
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●ねとらぼ:「ブラよろ」無料公開の効果は 佐藤秀峰さん、赤裸々な数字明かす - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1010/26/news084.html
漫画家の佐藤秀峰さんが、自身の漫画「ブラックジャックによろしく」(ブラよろ)をWebサイト「漫画onWeb」で無料公開した結果について、ブログで報告している。
サイト全体の月間売り上げが開設以来最高の100万円に届くなどプラスの効果はあったものの、サイトに出展している佐藤さん以外の漫画家の売り上げは「平均数千円程度」にとどまるなど、PC向け電子書籍市場の厳しさもつづっている。
佐藤さんは10月4日にブラよろを全話無料・会員登録不要で公開。24日までに、漫画onWebのページビューは数十億規模、アクセスした新規閲覧者は40万人で、うち約3000人(約1.3%)が会員登録したという。
●漫画 on Web
http://mangaonweb.com/welcome.do
●マンガのカタチはこれからどうなる? 紙への希望を失った漫画家『佐藤秀峰』連続インタビュー - ガジェット通信
・第1回:マンガのカタチはこれからどうなる? 紙への希望を失った漫画家『佐藤秀峰』
http://getnews.jp/archives/81483
今のところまだみんな”本”に価値があると信じているから、描いているものが書籍化されると嬉しい。
でもこれって情報を紙に印刷しただけのもの、ってみんなが気づきはじめたら、別に欲しくなくなるんじゃないかと思うんです。
それこそ「インクのにおいが」「手触りが」と言っているマニアの人たちだけのものになっていく。
今後も『物語』自体は必要とされていくと思います。
雑誌も棄てるのが面倒だし要らないものになっていきますよ。
だから、残るのは”棄てなくてもいいもの”になるんじゃないかと思います。
・第2回:「これは、君の本じゃないから」と出版社の人に言われたんです
http://getnews.jp/archives/81710
出版社を気に入らないということじゃないです。
おかしいところをおかしいと言っているだけで、普通のことしか言っていませんよ。
今、話題になっている電子出版の新しい契約書の話で言えば、すべてを自分たちの統括下におきたがっていますよね?
それを「作家さんのためにやっています」という顔でやられるとウソですよね。
いやそれ、自分たちのためでしょ? と思っちゃう。
デジタルやネットも含めた包括的な契約をして権利は全部おさえたがるのに、次世代に向けてのなにかを用意しているかというと、特になにもないんですよ。
なんの準備もないのに「とにかく、俺達に任せてくれ」と言っている。
そして「逆らったら、仕事なくなるよ」というプレッシャーが背後にあるわけです。
フェアじゃないですよね。
出版社は来るべきネット時代に向けて答えは示せないけど、何か起こりそうだから権利だけを押さえようとしている。
・第3回:ミリオンセラー『ブラックジャックによろしく』全巻無料公開のインパクト
http://getnews.jp/archives/81927
『ブラックジャックによろしく』の全巻無料公開をスタートしたら、これまで僕の作品を読んだことがない人が新しい読者としてサイトに来てくれているんで、続編の『新ブラックジャックによろしく』の売上がすごくよくなったんですよ。
僕の描いた漫画を読んだことがない、という人はいくらでもいるんだな、と改めて気づきました。
作品認知度が上がったと実感しました。
宣伝として考えたら、莫大な費用をかけてやるようなことが、お金を使わずにできたということになります。
韓国では、もう漫画はダメだと言われているらしいんですね。
韓国の漫画出版エージェントの人からのメールによれば。
読者も漫画には興味を持っているし、作家さんも既にいるんだけど、お金をそこから取るシステムがなくて、漫画ビジネスが崩壊してしまっている、ということが書いてあったんですよね。
・第4回:電子出版はマンガの救世主になるのか?
http://getnews.jp/archives/82112
漫画電子出版は二極化するんじゃないですか?
僕みたいに、個人レベルで好き勝手にやる漫画家と、大企業に寄り添う人と。
それが、インディーズとメジャーにおける悪い意味での作品格差につながるかと言えば、そうとも限らないと思います。
漫画家からしてみれば、生活さえできれば、自分の描きたい漫画が描けたほうが、本当は幸せかもしれないんですよ。
すべての漫画家が大ヒットを目指しているかと言えば大間違いだし、個人レベルで作品を発表して、製作環境を支えるお金だけを稼げればいいようになれば、それでいいのかもしれない。
読者も、昔と比べると、必ずしもヒット作を求めなくなりましたよね。
情報が少ない時代は、1つの作品に人が群がりましたが、今は、あふれる情報の中から1つの作品を選ぶ時代になっています。
多様な価値観が認められているし、ひとつひとつコンテンツのユーザー数が少なくても、お互いにつながれる環境もある。
大勢で盛り上がりたければ、ヒット作に飛びつけばいい、みたいな形になってきている気はします。
だから、売れる作品とそうじゃない作品の差が激しいですよね。
時代が進んで、閲覧環境や課金システムが整備されれば、漫画家は、より個性的な作品を発表できる可能性が出てくるし、後は、良い読者と批評家が育ってくれれば、インディーズが単独で成り立つ可能性はあると思います。
僕がやってるのは、こっちですね。
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前回、「紙の本」が5年以内に消えてしまうのかについて書きました。
紙に代わって、電子書籍の時代が本当にやってくるのか?
私個人の考えとしましては、電子書籍で儲けを出すのはまだ難しいと思います。
電子書籍はむしろ、金儲けとは別のスタンスで、表現発表の場として発展するのではないかと考えています。
●神崎のナナメ読み: 「紙の本」は5年以内に消えてしまうのか?
http://kanzaki.sub.jp/archives/002197.html
日本の出版業界は海外と違い、大手卸問屋の二つが牛耳っている特殊な状態なので、電子書籍がどういう方向へ進んでいくのか定まっていません。
むしろ、阻止しようとしている雰囲気すら感じます。
そんな閉鎖的な業界の中、漫画家・佐藤秀峰さんは新たな方法を模索しようとしています。
佐藤さんのやっているのは、ある意味「インターネット版の同人誌販売会」と言っても良いかもしれません(良い意味ですよ)。
インディーズ的な発表方法をすることで、企業に中間搾取もされないし、表現方法の強制的変更等の重いクサリから開放されています。
けれど、まだまだビジネスとしては成功の域に達していません。
日本人と言うのは「情報」に対してお金を払うことに抵抗があります。
抵抗と言いますか、「情報は無料」という考えです。
だから、弁護士に相談したら、時間単位で請求されることに非常に抵抗を示します。
情報に対してお金を払うのは、せいぜい、その情報のおかげで儲けが出た後の出来高報酬みたいになっています。
しかも、「お駄賃」と言ってもいいかもしれない程度です。
「形」が無いものにはお金を払いたくない国民性。
しかしそれも、少しずつ変化はあるようです。
大きく変化が現れているところは、佐藤さんへのインタビューの中にもありましたが、音楽業界です。
CDという「形」が無くても、その音楽データという情報をダウンロードという形で購入しています。
携帯電話で音楽を聴いている人達は、抵抗無く購入しているようですね。
「着うたフル」というのは、情報という形の無いものをこの日本という場所で、ビジネスとして成功させた珍しいものだと思います。
そんな風に、形が無くても情報に対して対価を支払うことに抵抗が無くなる土壌が整えば、電子書籍もビジネスとして成立していくかもしれませんね。
ただ前回にも書いたように、だんだん人々は緻密で詳細なものを求めなくなっています。
40代以上だと考えられないかもしれないけれど、テレビ・芸能等のメディア・エンタメに興味を示さない若い子達が大勢います。
そんな若い子達にとって、テレビ等のメディアにとってかわるモノというのは「友達同士のコミュニケーション」なのです。
その為のツールとして携帯電話を使用します。
メールでのやりとりも出来ますし、同じ通信キャリア同士ならば長電話をしてもお金が掛からない。
彼らにとっての世界は「友達同士」が全てであり、大人たちが作った立派な器は興味がないのです。
情報に対して形が無くても対価を払える人も出てきましたが、そもそも外部の情報を必要としない人達も出てきました。
ただね、それはそれで悪いことじゃないと思うのですよ。
無縁社会なんて言われ、孤独な死を迎える人もいる時代です。
そんな中、自分たちの小さなコミュニティーであっても、楽しく過ごせるのは素敵な事だと思うのです。
派手なステータスも、高価な機材もいらない。
テレビ等を通して海外の状況を知ったところで、それが自分の生活に直接結びつくわけじゃない。
屁理屈を言えば間接的にはあるのかもしれないけれど、例えば中国の反日デモがあっても、新潟市に住んでいる女子高校生の明日の生活に、なんら影響も無いわけです。
芸能人がセレブな生活をしているのをテレビで見たところで、今日の夕ご飯のおかずが一つ増えるわけでもありません。
だんだん、みんな気づいてきているのかも。
遠くの他人がどうあろうと、自分の生活には関係ないことを。
例えば、新潟市に住んでいる私にとって、銀座の美味しいお店の情報なんて貰っても、全く意味がありません。
そういう感じの情報が沢山あり、むしろそういうものがメインストリームになっているのです。
そんな情報誌もテレビ番組も必要ありません。
(だからこそ、地方誌や地方TV局、ラジオ局が今以上に大切になってくると思う)
本当に必要なものは少ない。
それが何なのかを模索していたけれど、それは他人が作った派手なメディアの中にはない。
目の前にいる人達とのコミュニケーションが財産というのは、実は何ものにも代えがたい財産なのかも。
紙媒体の書籍から電子書籍への媒体変化。
それを大人たちが考えているうちに、若い子達は「自分自身」が媒体となり、いろんな人達と繋がろうとしています。
原始的かもしれないけれど温かいよね。
「若者の○○離れ」なんて言葉をメディアはよく使うけれど、大人たちの旧態然とした器を必要としない一歩先の生き方へ進んでいるのでしょうね。
これは情弱ではなく、選択した結果だと思います。
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