2011年11月27日

イギリスは、電力・ガスの自由化により、選択肢が多すぎるのが消費者の悩み

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・近くの公園で撮影。三脚を持っていかなかったので、スローでシャッターが切れる間、気合いでカメラを固定していました。

イギリスは、電力・ガスが自由化しているそうです(ジャパニーズインベスターより)。

イギリスは10数年前まで、発電から消費者へ電力を届けるまで全てを国が行っていました。
それを発電・送電・配電・小売供給と事業を分割して、免許制にして民営化させたのです。

現在、小売供給免許を所有しているのは89社もあります。

自由化により、スーパーや航空会社など様々な企業が参入しました。
これにより、激烈な販売合戦が繰り広げられています。

例えば、スーパーのビラに、こんな事が書かれています。

「今、電力とガスの購買契約をすれば、特典として50ポンド(1ポンド120円)割引します。
更に、1年続ければお買い物ポイントが1100ポイント加算します」

「今、予約すれば、エネルギーの専門家が訪問して、個別の電力とガスの使い方指導、使用料見積もりをします。
これによって、年間200ポンドの節約になります」

こんな感じでセールスしています。
しかし、スーパーが契約している卸売り会社が値上げをすれば、それはすぐに消費者の負担増になります。

安いと飛びついた途端に値上げは当たり前になっています。
卸電力・ガスは、取引市場で取引されているので、日々価格が変わってしまうからです。

契約期間は短くても2〜3年ですし、途中解約すれば違約金も発生します。
消費者は、販売会社選びに慎重となっています。

また、支払い方法の選択肢もありすぎです。
ざっと150ぐらい選択があるそうです。

例えば、
「電力とガスを一緒に契約して、支払いを特定銀行の自動引き落としにする」、
「電力とガスを別々に契約し、3か月払いにする」など。
色々と複雑になっており、インターネットで調べられないお年寄りには、他との比較が難しくなっています。

自由化により、故障や停電に即対応するようになったのはありがたいのですが、値段が上がる傾向にあるそうです。

※※※

複数の会社が競争すると、
「うちは他社より、こんな良いサービスがあります」
とアピールするのは当然です。
しかし過剰な値下げは、自分の首をしめてしまうので、「条件付きのサービス」となっています。

パンフレットの下の方に、細かい文字で但し書きがあります。
そこにちゃんと条件が書かれているものの、専門用語や複雑な言い回しにより、一般の消費者には、何がなんだかさっぱり分かりません。

選べる自由はありがたいのですが、きちんと調べないと、本当に自分にとってお得かどうかが判断できません。

こういった条件付サービスをやっているのは、日本だけではなかったのですね。
正直、驚きました。

同じものを売るならば、大企業の方が販売力が強い感がありますよね。
家電でも、書籍でも。

そんな中、ちょっと気になった記事がありました。

●サトーカメラに見る中小企業のあり方(VOICE OF FASHION) - livedoor HOMME - livedoor ニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/6056742/

・喧嘩上等のカメラ店が「ど素人」に教わった商売の極意
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/29764

このカメラ屋は、大型店舗のような販売効率化を捨てることで成功しています。
長時間接客を続けることで、増収増益を達成し続けているのです。
商品は有名ブランドにこだわらず、スタッフが一つ一つ自分の目で選んだ商品を置いています。
また、ポイントカード制を廃止することで、利益も確保しています。

スタッフの目で確かめた商品だけを仕入れて、それを丁寧に説明することでお客様の信頼を得ています。
その為、大型店舗より値段が高くても買ってくれるし、リピーターにもなってくれます。

カメラ屋に来る人達みんなが、専門的知識を持っているわけではありません。
そんな初心者のお客様から、どんな用途で使いたいかを聞き、それに適した商品を紹介する。
時間はどんなにかかっても、お客様が満足してくれるものを提供する。

時には、カメラ本体では無く、一眼レフカメラの撮影方法についても教えてくれます。
例えば、この記事の冒頭に掲載した滝の写真。
滝の水の流れを綺麗に表現する手法を用いています。
これは、シャッタースピード優先モードにして、シャッターを切る迄に1秒以上時間がかかるようにすると撮影できます。
こういうのは、カメラを買っただけでは知る由もありませんし、誰も教えてくれません。

店員が本当の意味でプロフェッショナルなんですね。
消費者にとっては、僅かな価格差より、店員のスキルの方がありがたいのではないでしょうか。

カメラの世界で、しかも地方だからこそ成立するのかもしれません。
けれど、そういう事を率先して行ったところに意味があります。

過剰な値下げ合戦より、販売員のスキルアップを目指す方向性は、進むべき正しい方向なのではないかと思います。

Posted by kanzaki at 2011年11月27日 20:53