2012年01月02日

ゾーン30とは?〜自転車ツーキニスト疋田智さんは、欧州で主流の「速度制限のエリア分け」を提案しています

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TBSのTVプロデューサーである疋田智さんは、自転車ツーキニストとしても有名です。

●疋田智 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%8B%E7%94%B0%E6%99%BA

疋田 智(ひきた さとし、1966年 - )は、TBSテレビ情報制作局参事のTVプロデューサーで、自転車に関する著述活動で知られる。「自転車ツーキニスト」を名乗り、自転車で通勤する人を意味するこの言葉を広めた。都市交通の中で自転車を活用することを説き、本業の傍ら、特定非営利活動法人自転車活用推進研究会の理事と、学習院大学生涯学習センター非常勤講師を務めている。

疋田さんは、日本の交通事情の改善として、欧州で導入されている「ゾーン30」をあげています。

【ゾーン30とは?】

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ゾーン30とは、一定のエリア内にて、全ての移動体の速度を時速30km以内に制限するという考え方の事です。
現在、ヨーロッパなどで導入されています。

路面電車にトラック、マイカーに自転車、全てが時速30km以内に制限されるのです。
例外はありません。
あるのは、どのエリアを制限するかだけ。
例えば、中心部の直径2kmのエリアなどと定めます。

30km以内と言いますと、自転車などは問題ないですよね。
けれど、マイカーやバイク、バスにタクシーなどにとっては遅すぎるスピードです。
実はこれにより、都市部の安全性が増し、都市内の移動がスムーズになることが分かってきました。

時速30km以内ですと、人は知覚も運動神経もなんとか追いつけます。
事故が起きても、多くの場合は死亡事故に至りません。
安全性の向上へ繋がるのです。

スピードを抑えることで、移動手段の再配分が起こります。
例えば、自転車の利用者が増えます。
結果、都市内の渋滞が減り、全車両の平均スピードが上がり、都市内の移動がスムーズになるのです。
東京都内の車の平均スピードは、たった時速14kmなんだそうです。
マイカーの利用が減れば、車の平均スピードも上がり、スムーズな移動が期待されますね。

一方、都市内の制限とは別に、街と街の間は高速移動がヨーロッパでは主流です。
電車や高速道路、高速バスなどは、日本より速いスピードで走っています。

都市内の移動は、遅いスピード。
都市間移動は、速いスピード。
安全性と交通のスムーズさを両立させる為、このような方法を日本でも導入しても良いのではないでしょうか。

※※※

日本の警察庁でも、こういった考えは認識しています。
実際、高速道路の最高速度は時速80kmから時速100kmになりました。
しかし多くの場合は、もっと遅い速度に制限されています。
他国に比べて、きついカーブや勾配があったり、交通量が過密だからです。
海外と日本の街のつくりが違うのですから、そのまま当てはめるのには調整が必要でしょう。

日本の至る所で、自転車専用レーンが作られていますよね。
歩行者や自動車とは違うスピードですから、専用の道を作って走るのは、非常に良い考えです。

しかし、実際に私のように自転車に乗って、専用レーンを走る人間にとっては、怖い場面も多々あります。
新潟市内の専用レーンの多くは、自動車用の道路の端に線を引いて、無理やり区分けしただけです。
道路の端って、少し斜めになっているんですよね。
また、レーンのほとんどが、側溝(U字溝)の場合も多い。
だから、まっすぐ安定した走りをしにくいのです。
また、自動車が踏んだ小さな石が専用レーンへ飛んで、石だらけで走行しづらい。

スピードを出した自動車の真横を走るので、本当に怖いです。
もし、何かしらの原因で自転車が横転しますと、自動車に引かれ、大惨事になります。
線を引いて分けただけで、ガードレールも何もありませんからね。

専用レーンを示す線なのですが、あれって雨が降った際にその上を自転車で走ると、スリップして滑りやすいのです。
レーンの線に限らず、多くの道路の白線がそうです。
(マンホールの蓋も、雨の日にその上を通ると滑りやすいので注意)
どういった材料であの線を描いているのか分かりませんが、もっと滑りにくいものにして欲しいものです。

自転車を移動手段にしている人は、日本にも多くいるのですから、その方達の意見をもっと取り入れてもらいたいです。

Posted by kanzaki at 2012年01月02日 23:50