2012年10月05日

いくつか方法はあるはずだ〜海洋冒険家・堀江謙一さん

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堀江謙一さんは、西宮甲英高等学院の校長です。
しかし、海洋冒険家という肩書きの方が有名ですよね。

1962年、小型ヨット「マーメイド号」にて、西宮-サンフランシスコ間の太平洋単独横断航海に成功しました。

近年では2008年、約6000Kmある紀伊水道-ハワイ間を波浪推進船「SUNTORYマーメイドII号」にて、世界初の航海に成功しています。

●堀江謙一オフィシャルサイト
http://www1.suntory-mermaid2.com/

堀江謙一さんが、「いくつか方法はあるはずだ」という寄稿文を書いていました。

【何が何でもやり通す】

ヨットとの付き合いは、高校生の時からです。
先輩に誘われてヨット部に入りました。
入部してわずか1か月後には、残った新入部員は堀江さんただ一人でした。
しかし、「何が何でも3年間はやり通す」という信念で続けました。

どうしてそのように考えていたのか。
その理由は、中学時代にあります。
堀江さんは中学2年から体操部に入りました。
一生懸命頑張っても、1年生から入部した友人に追いつけませんでした。
その悔しい思いから、高校ではクラブ活動は最初から入部し、3年間貫き通そうと決意したのでした。

その姿勢は、数十年経った今なお続き、人生の殆どをヨットと共に歩んできました。

【いくつか方法はあるはずだ】

やり通す信念を持ち続けたからこそ、より高い目標に向かって挑戦し続けてこれました。

挑戦を続けるという事は、幾多の困難に遭遇することでもあります。

堀江さんは航海中、マストの先端部分の修理を行いました。
誤って10メートルの高さから転落してしまいました。
幸い、転落地点が海の上だったので大事には至りませんでした。

マスト先端のトラブルだから、必ず登らなければいけない。
そう決めつけていました。

よくよく落ち着いて考えると、そもそも命に関わるような危険を冒す必要はなかったのです。
事故直後、マストに登らなくても解決できる方法を思いつきました。

それ以来、どんな困難に遭遇しても「いくつか方法はあるはずだ」と、冷静に考えるようになったそうです。

情熱を持ち続けるのは大切です。
しかし、「どうにもならない、この方法しかないのだ」とヤケクソになる前に、クールダウンして考え直すのも良いことだと語っています。


※※※


机の前に座っていたんじゃ分からない事・経験出来ない事はたくさんあります。
スポーツ、旅行、イベント、色んな人達との交流・・・。
自分がお膳立てした環境ではないですから、思いもよらぬハプニングに遭遇します。

そのハプニングは、テレビの中の出来事じゃないから、直接自分に降り掛かってきます。
対処に時間はない。
道具は手に持ったものだけ。
さあ、どう乗り越えるのか?

そういう経験ですと私の場合、マラソン大会かなあ。

初挑戦時、あまりにも人が多すぎて、追い越しが出来なかったです。
それを踏まえて次の大会では、スタート位置をトップランナー達がいるところからにしてみました。
トップランナー達の物凄いスピードに、ついついつられ、自分のペースを超える走り方をしました。
おかげで、前半からバテバテで大変でした。

その次からは、順位は遅くてもいいから、笑顔で完走出来る事にシフトしました。
ようやく市民ランナーとしてスタート地点に立てたと思いました。

それ以外にも、走っている最中に、小さなハプニングはつきもの。
それを瞬間瞬間で対応するというのは、練習の時には無い経験です。

写真だってそう。
撮影するシチュエーションを予想し、持っていくレンズを選択します。
体力はありませんから、せいぜい3本程度です。
(クルマが無いので、大荷物で出かける事はできません)

実際に現地へ行ったら、持ってきたレンズでは、普通は対応できない場合もあります。
いかに持ってきたレンズで対応するか、そこからはアイディア勝負です。
かえって面白い構図となり、成功する事が多いです。

とっさの対応というものが求められる場面を経験していくと、仕事の場面でも、とっさに応用が効くようになってきました。
視野が広くなったという感じでしょうか。
または、肝が据わってきたのかもしれません。
少なくとも、ビクビクしなくなりました。
怖がる時間を考える時間に使った方が良いですから。

逃げずに冷静に考え、選択肢を複数ひねり出す。
その中から、最適なものを選択したり、組み合わせる。

前回にもご紹介しましたイギリスの政治家・ウィンストン・チャーチルの言葉。

「危険が身に迫った時、逃げ出すようでは駄目だ。
かえって危険が二倍になる。
決然と立ち向かえば、危険は半分に減る。
決して逃げだすな」

逃げずに方法を考え、堀江さんのような人物になっていきたいものです。

Posted by kanzaki at 2012年10月05日 22:03