2013年06月06日

プルーテッドとは?〜惑星から外され降格した冥王星の生き方

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(アトム対プルートウ)


【プルーテッドとは?】


「プルーテッド」とは、2006年にアメリカ方言学会が選んだその年の言葉です。
プルート(冥王星)を動詞にした造語で、「降格される」という意味で使われます。


惑星科学者である京都情報大学院大学教授・向井正さんが、そう解説しています。


プルートは1930年、アメリカの若い研究者・クライド・トンボーによって発見された太陽系9番目の惑星です。
その年、ディズニーのミッキーマウスのペットの名前になりました。


その後、長く親しまれ愛されてきたプルートが、惑星の仲間から外されたということで、プルーテッドという言葉が生まれました。



【降格の理由】


冥王星が惑星から外されたのは、2006年に惑星の定義が作られたからです。
逆に言うと、今まで惑星の定義がなかったのです。


●惑星の定義 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%91%E6%98%9F%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9

●国立天文台 | 質問5-8)惑星の定義とは?
http://www.nao.ac.jp/faq/a0508.html


2006年8月14日から25日迄、チェコのプラハで開かれていた国際天文学連合の総会で、「惑星の定義」が採択されました。


1.太陽系の惑星とは、「太陽の周りを回り」「十分大きな質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち」「その軌道近くから他の天体を排除した」天体である。

2.太陽系のdwarf planetとは、「太陽の周りを回り」「十分大きな質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち」「その軌道近くから他の天体が排除されていない」「衛星でない」天体である。

3.太陽の周りを公転する、衛星を除いた、上記以外の他のすべての天体は、Small Solar System Bodiesと総称する。

さらに、冥王星について次の決議が採択されました。
冥王星は上記の定義によってdwarf planet(準惑星)であり、トランス・ネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。


大きさは月より小さく、海王星の軌道の内側にまで入り込む冥王星は、惑星らしくない惑星でした。
近年、海王星軌道の外側に続々と見つかってきた氷天体の仲間とすることにしました。


「冥王星は仲間はずれにされてかわいそう」「寂しがっている」という声があります。


向井教授はそれに反論します。
冥王星は、今から45億年前の太陽系誕生のころに生まれました。
この太陽系が消滅する50億年先に至るまで、淡々と太陽の周りを回り続けます。


この太陽系の歴史から見れば、ごく最近生まれたばかりの人類が、冥王星を惑星と呼ぼうが、プルーテッドしようと、冥王星は何も影響を受けないのです。
レッテルなどはどうでもよい事なのです。


※※※


私のようなおっさん世代の殆どは、惑星の順番をロボットアニメの歌で覚えたものです。
「宇宙大帝ゴッドシグマ」というアニメのエンディング曲「レッド・ブルー・イエロー」です。


歌の途中「♪水金地火木土天海冥〜」と歌っています。
まさか「冥」が仲間はずれされる時代が来ようとは、夢にも思いませんでした。


向井教授の意見を聞いていたら、冥王星の生き方(?)がカッコよく思えました。
他人の考えや批判など、いくらでも言わせておけばいい。
しかもそれらは、自分よりも未熟者達です。
自分は自分。


本人のいない席で、他人が勝手に「降格」とレッテルを貼ったわけです。
しかし、いちゃもんを付けた人達の誰一人として、冥王星に触れることはできません。
冥王星は寡黙に、今日も粛々と回り続けます。


他人の批評に動じること無く、自分の生き方を貫き通すというのは、人間にはなかなか出来ないことです。
さすが、45億歳の人生の先輩です。
そんな人間になりたいものです。



【28日目の筋トレ】


腕立て伏せ×20回
腹筋×20回
ヒンズースクワット×20回
アイソメトリックトレーニング8種類・計10秒ずつ

Posted by kanzaki at 2013年06月06日 23:36