(格言日めくりカレンダー(手帳大賞作品集)より)
手帳で有名な高橋書店。
こちらでは、「手帳大賞」というものを開催しています。
●手帳大賞 トップ|高橋書店
http://www.takahashishoten.co.jp/techotaisyo/
1996年から毎年行われています。
現在は、第18回の作品募集をしています。
このコンクールは2部門あります。
●「名言・格言部門」:
ふとした会話で思わず感心した言葉・メモに取りたくなった言葉・エピソードを募り、優秀作を商品化する。
●「商品企画部門」:
実際に高橋書店で商品化することを目的にした手帳や日記帳などのアイデアとその企画の意図を募集する。
特に私が好きなのは「名言・格言部門」です。
元来、私は世界の名言・格言(金言名言)が大好きです。
名言・格言には、その言葉を生み出した一人の人間の命、人生が凝縮されているからです。
それだけに極めて個性的です。
名言・格言の対極が「ことわざ」です。
こちらは、多くの人々の生活体験の最大公約数です。
ことわざは、多くの人が気軽に使えるのに対し、名言・格言は、そう簡単には取り扱えません。
名言・格言は、それを発した人のかけがえのない実人生の裏打ちがあります。
その人が生きた証拠であり、その人の生きた時代、国、社会背景も反映しています。
その為、同じ主題でも、人と時代によって異なるのが面白いところです。
この「手帳大賞」の名言・格言は、ごくありふれた日常の場面にて、ふと発せられた言葉です。
誰にでも起こりそうな場面で発した言葉なので、「ことわざ」のような、他人が聞いても共感できるものが多いです。
平易な言葉とシチュエーション故に、逆に難しい。
創作ではまず思い浮かばないであろう秀逸なものばかりです。
※
ラジオでこのコンクールの事を紹介していました。
アナウンサーがお気に入りの受賞作を読みました。
お前、一年前の悩み言える?
(第17回・椎名誠賞)
和田 崇史(21歳・大学生):
高校時代、親友からもらった言葉です。
今考えると何てことないのですが、当時はちょっとした悩み事を世紀末のように深く悲観的に捉えていました。
今は大学生となり、就職活動真っ只中ですが、この言葉に何度も救われています。
椎名誠氏コメント:
人は常にいろんな悩みを抱えている。
その当座は深刻だが、たいてい少し経つと何であんなに悩んだのだろうか不思議に思うことが多い。これまで気が付かなかったそんなことをこの一言が見事に教えてくれた。
※※※
心に響くものって、一言でシンプルなものが多いです。
そして、自分の過去の体験に、もろにシンクロします。
「お前、一年前の悩み言える?」は、どの世代の誰にでも当てはまり、救いのある言葉ですよね。
仕事をしていると、自分を追い込んでしまう辛い場面というのは多々あります。
そんな悩みも、1年もすれば笑い話しになります。
振り返ってみると、殆んどそんな感じなのですよね。
けれど、その時はそう思えません。
追い詰められているから(他人からも、自分自身からも)。
そんな時、自分以外の客観的に見てくれる人がいるのは助かります。
負のスパイラルから引っ張りだしてくれるからです。
「岡目八目(おかめはちもく)」という言葉があります。
もともとは囲碁の言葉です。
対局者よりも、横から見ている人の方が冷静に状況を分析できて、囲碁で言うならば八目(8個の碁石)ぐらいの大きなアドバンテージがあることを意味します。
ちなみに、横目でチラチラ見ている方が、より敏感に危険を察知できる事を専門用語で「周辺視野」と言います。
視野の中心、すなわち「中心視野」よりも、そこから20度ぐらい角度を離した同心円のあたりにある「周辺視野」の方が鋭敏なのです。
狩りで狙っている獲物よりも、周辺に潜む危険を察知することで、命の危険を回避する為に得た、人類の進化なのです。
今の時代、狩りはしなくなりましたが、日々の仕事の中に危険はたくさん潜んでいます。
それも精神的に追い詰められる危険です。
これに耐えられなくなると、鬱病や自殺という結果に至ります。
仕事などで困ったとき、「周辺視野」となってくれるのが同じ職場の同僚や上司だったりします。
時として、外部の親友だったり、取引先の人格者の場合もあるでしょう。
「お前、一年前の悩み言える?」という言葉は、物凄い特効薬ですよね。
問題解決そのものに作用はしなくても、悩んで打ちひしがれる心を前に向かせ、再び歩み出せる力があります。
その言葉をかけてくれる人物というのは、本当にありがたいね。
私も他の人達にとっての「周辺視野」になりたいものです。
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