2013年11月04日

紅茶文化ネパールのコーヒー事情

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(ネパールの「Himalayan Java Coffee」店内)


紅茶で有名なネパールでは今、国産有機コーヒーチェーン店が大盛況だそうです。
(ジャパニーズインベスターより)



【ネパールは紅茶文化の国】


インドと中国にはさまれた小さな国・ネパール。
日常的に飲まれているのは紅茶です。
極東部のイラム地方で生産される「イラムティー」は、ネパールを代表する高級紅茶です。
味や香りは、インドのダージリンに近いです(国境をへだてダージリン地方に隣接)。
飲み方はストレートが普通です。


一方で、「チア」とよばれるミルクティーがよく飲まれます。
牛乳で煮出し、スパイスを入れたものです。
茶葉は、あえて細かくしてあります(CTC茶葉と言います)。
紅茶が抽出しやすくなり、味が濃くなってコクが出ます。
ミルクティーに最適で、現地では「ネパールティー」として売られています。
チアの作り方は、鍋に適量の水をいれて沸騰させ、茶葉を入れて2〜3分間煮ます。
そこへ牛乳を水とほぼ同量入れてさらに煮ます。
砂糖を入れ、ティースパイス(現地ではティーマサラと呼ばれます)を入れ、茶こしでこします。
数種類のスパイスがミックスされたマサラをくわえると、本格的なネパールの味になります。



【ヒマラヤンコーヒーのブランド向上】


一方、コーヒーはと言うと、牛乳にインスタントコーヒーと砂糖を加え、鍋で煮たものが一般的でした。
しかし年々、ヒマラヤトレッキングの玄関口・カトマンズにて、旅行客を中心にドリップコーヒーの欲求が高まっていました。


1999年、「Himalayan Java Coffee」がカトマンズにオープンしました。
国産の有機栽培コーヒー豆を使用。
自家焙煎したドリップコーヒーを提供するや大盛況となりました。
ショッピングモールや空港、さらにカナダやアメリカへも出店しました。


ヒマラヤの澄んだ空気と水のイメージ戦略で、「ヒマラヤンコーヒー」はブランド豆として確立され、順調な経営を続けています。


●<公式サイト>Himalayan Java
http://www.himalayanjava.com/


●<口コミサイト>Himalayan Java Coffee 【トリップアドバイザー】
http://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g293890-d1846797-Reviews-Himalayan_Java_Coffee-Kathmandu_Kathmandu_Valley_Bagmati_Zone_Central_Region.html

“おしゃれなカフェで明るくゆったりできます” ちょっと高めですが何回か通ってしまいました。 雰囲気がいいです。 ノートパソコンもってきてる人がたくさんいました。 Wifi freeでいいですよ。
“スタイリッシュなカフェ” タメル地区の東側、王宮に向うTridevi通りにあるカフェです。 まだ新しく、スタイリッシュな雰囲気のカフェで欧米人を中心ににぎわっていました。 ここは朝7時オープンなので、朝食を求めてちょくちょく行きました。 本格的な焙煎を店内で行なっているようで、店先はいい香りが立ちこめ、コーヒーも美味しいです。 値段は高価な消費税がつくのでメニューより割高になりコーヒーが150円〜、モーニングで400円〜と外国人向け価格となっていますが、それでも美味しいコーヒーと朝食の魅力には抗いがたいものがありました。



【最大の輸出国は日本】


ネパールでコーヒー栽培が盛んになったのは20年ほど前です。
政府の奨励のもと、換金作物としてアラビカ種の栽培をはじめました。
2012年の総生産量は523トン。
今や、海外からもバイヤーが訪れ、輸出量は飛躍的に伸びています。


最大の輸出国は日本です。
専門店への直送の他、農園と直接契約を結んでオリジナル商品を作るメーカーや、缶飲料の加工品として商品化する大手企業もあるそうです。


しかし、各国の急激な需要に追いつけていません。
すべて手作業の小規模農家が多いからです。
国際機関の有機認定証を取得するのに80万ルピー(約80万円)、更新費用は毎年15万ルピー(約15万円)が必要な為、国内価格も暴騰しています。



【日本企業もネパールへ参入】


ネパール内のカフェ市場では、海外の輸入豆を使用した世界的有名企業も参入しています。
個人経営の店舗に、マシーンやオリジナルロゴ入りカップを搬入し、ブランド力とメニューの豊富さで集客を上げています。
日本からは、カルディが参入しています。


●カルディコーヒーファーム
http://www.kaldi.co.jp/


ネパールでは、コーヒー1杯が100〜200ルピー(約100〜200円)です。
ネパールの定食は、お代わり自由で同じぐらいの値段です。
決して安くはありませんが、紅茶文化の国でのコーヒー文化の浸透に注目です。


※※※


ネパールのコーヒー豆の最大取引先は日本なのですね。
日本でコーヒーを飲むことが出来るお店は、本当にたくさんあります。
それだけニーズが高いので、こういった海外の特別な豆も輸入しているのですね。


ネパールが紅茶文化だとはじめて知りました。
そういった嗜好の国で、真逆とも言えるコーヒーがどれぐらい受け入れられるのか興味があります。


日本で最初のコーヒー店は、1888年(明治21年)4月に上野に開かれた可否茶館(かひいちゃかん)だと言われています。
軽食やアルコール類を提供する近代的なコーヒー店が日本で広がるのは、1911年(明治44年)、銀座に開かれたカフェー・プランタンや、カフェ・パウリスタ、カフェ・ライオン(精養軒)等からです。
もともと日本に無かった嗜好品が、これほど愛飲されているのですから、他の国でもありえる話しです。
コーヒー好きの私としましては、愛飲家が増えるのは嬉しいことです。

Posted by kanzaki at 2013年11月04日 12:27