2013年11月05日

小遣い、月あといくら欲しい?〜「プア充」の方が、金持ちよりも精神的に大人だと思う

puajyuu01.jpg


【小遣い、月あといくら欲しい?】


日経に、「小遣い、月あといくら欲しい?」というアンケート結果が掲載されていました。


●小遣い、月あといくら欲しい?

3000円未満・・・・・・・・・・11%
3000円〜7000円・・・・16%
7000円〜1万円・・・・・・14%
1万円〜3万円・・・・・・・・35%
3万円以上・・・・・・・・・・・24%


●小遣いが増えたら何に使いたい?(複数回答)

趣味・娯楽・・・・・・・・・61%
衣料費・雑貨類・・・・・37%
貯蓄・・・・・・・・・・・・・・28%


以上の結果、趣味や娯楽のために、小遣いを月に1万円〜3万円程増やして欲しいという人が、もっとも多かったです。



【「プア充」という言葉をご存知ですか?】


プア充とは、高収入を求めず、そこそこ働き、自分の生活を充実させていく生き方のことです。
宗教学者の島田裕巳さんが作った造語で、特にネット住人の間で注目されています。
スラングな感じですが、実は奥深いものだと思います。


●Amazon.co.jp: プア充 ―高収入は、要らない―: 島田 裕巳: 本
http://amazon.co.jp/dp/4152093943
(カスタマーレビューが、なかなか良いです)


現在は、プアでもそこそこ充実した生活が送れる環境が整っています。
外食も、牛丼280円をはじめ、100円でDVDをレンタルできます。
外で高い飲み会をしなくても、格安ワインや第3のビールで、仲間同志ワイワイ楽しめます。
インターネット環境も、昔と違って安価に整えられ、それを基に色んなことが楽しめます。
ガラケーよりは維持費がかかるけれど、スマートフォンがあれば、あらゆる情報が手の平の上で入手できます。


わざわざ30年ローンを組んでマイホームを買おうとも思わない。
公共機関が整った場所ならば、マイカーもいらない。
地方は移動にマイカーが必要だけれど、普通車ではなくても、維持費の安い軽自動車で問題ありません。
そもそも、結婚しないから、家も車も重視していません。


年収300万円時代が到来するぞと騒がれていた時代がありました。
あれも、もう一昔前です。
正規雇用が難しくなって、200万円代も当たり前ですから。


そして、ここからがもっとも大事なのですが、正社員になったからといって、安泰というわけじゃなくなりました。
出世しても、部下を管理するだけでは駄目になりました。
人手が足りないから、自分自身も業務をこなして成果を出さなければいけない時代です。
正直、かなりきついですorz


正社員という「形」のおかげで、残業代は支給されなかったり、ノルマがきつかったり、休みも取れない。
忙しさや辛さでは、非正規雇用をはるかに凌ぐ状態です。


そんな状態ですから、出世しても辛いだけなら、わざわざそこまでして這い上がらなくてもいいという考えが、不自然ではなくなりました。
その考えの先に、「プア充」があると思います。



小遣いをあといくら欲しいと聞かれ、実際に望んだお金を手にしても、それで満足ってしないよね。
欲望は欲望を招きますから。


プア充の人達は、身の丈にあった生活を実践しているだけです。
自分のレベルにあった生活の中で満足感を味わっています。



【足るを知る】


「足るを知る者は富む」という言葉があります。


人間の欲望にはキリがないが、欲深くならず、分相応のところで満足することができる者は、心が富んで豊かであるということ。


『老子』に「足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り(満足することを知っている者は富者であり、努力している者は志ある者であると言える)」と書かれています。
たとえ貧しくとも精神的には豊かで、幸福であるということです。


「プア充」は、「足るを知る」とか「清く貧しく」の現代バージョンなのかもしれません。

Posted by kanzaki at 2013年11月05日 22:09