炊き込みご飯、栗ご飯、五目飯・・・。
混ぜご飯は多種多様です。
江戸時代、混ぜご飯は「骨董飯」と書いて、「ごもくめし」とよんでいました。
(食文化史研究科・永山久夫さんの解説)
「骨董(こっとう)」は、小道具類のこと。
また、「寄せ集め」という意味もあり、そこから転じて、いろとりどりの多彩な材料を混ぜ合わせて、炊き上げたご飯を意味するようになりました。
※
江戸時代のご飯料理百科「名飯部類(めいはんぶるい)」には、「骨董飯」の作り方が掲載されています。
●Amazon.co.jp: 名飯部類 (教育社新書―原本現代訳): 杉野 権兵衛, 福田 浩, 島崎 とみ子: 本
http://amazon.jp/dp/4315508721
骨董飯の作り方:
ご飯を炊いて沸騰し、吹きこぼれが始まったら、食べやすい大きさに切ったアワビ、揚げ麩(ふ)、たまご焼き、シイタケ、マツナ(江戸野菜の一種)、ミツバ、セリなどを飯の上にのせて、よく蒸らす。
食べる時は、飯椀にとり、ネギや海苔などを散らし、ダシ汁をかける。
上記を読みますと、現代でも再現できるレシピですね。
っていうか、美味そうです。
しかも栄養バランスも申し分ありません。
※
大抵の五目飯には、シイタケが使われます。
理由は、味をよくするための「だし(出汁)効果」を高める為です。
干しシイタケは、和食のだしとしても人気が高く、江戸時代の「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」という書物で紹介されています。
●Amazon.co.jp: 本朝食鑑 1 (東洋文庫 296): 人見 必大, 島田 勇雄: 本
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「カツオダシに代わることのできるほど味が良いので、僧家では、もっぱらこれを賞する」
と書かれています。
特に、精進料理に欠かすことの出来ない食材だったのですね。
※※※
白い炊きたてのご飯も美味しいのですが、様々な具と混ぜ合わせたご飯というものも美味です。
そこまで立派なものではなくても、ふりかけや、生卵などと一緒に食べても最高です。
小さく切った具だけではなく、ドカッと大きなトンカツや天ぷらをのせても美味しいし、それで一つの立派なメニューになります。
丸めて握り飯にすれば、モバイルフードに早変わり。
しかも、中の具で幾らでも変化が可能。
小さく握って海の幸をのせれば、寿司という、これまた奥の深いジャンルになります。
おっと、伏兵として茶漬けなんてのもあるぞ。
これだけバリエーション展開できるのは、ガンダムとご飯ぐらいではないでしょうか。
しかもこれらのメニューは、大昔からあるものです。
本当に凄いですね。
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