2014年01月11日

なぜ、携帯電話のテレビ電話は普及しないのか?

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(ウルトラ警備隊が腕にしているビデオシーバー)


ガラケー全盛時代から、「テレビ電話」の機能はありました。
けれど、その機能を使っている人を殆んど見たことがありません。
スマホ全盛期の今でも、電話をする時は耳に当てて会話をしていますよね。


テレビ電話が流行らない理由は、動画で、どのような場所にいるのか相手に分かるとマズイ場合があるからです。
(脳科学者・茂木健一郎さんの解説)


しかも、一度テレビ電話に出てしまうと、次が困ります。
次にかかってきた時、もしテレビ電話モードを拒否すると、「なぜ拒否したの?」と追求されることになります。
それならば、最初からテレビ電話は使わない方がいい。
だから、普及しないのです。



インターネット上では、プライバシーがあいまいな部分があります。
掲示板は匿名性が高いです(調べれば発信元が分かりますが)。
ツイッターやブログは、自分が意識していれば匿名性が守られます。
けれど、フェイスブックなどはユーザ名が本名ですし、匿名性を排除しています。


技術が進み、便利になったからといって、プライバシーに関する私たちの感覚に合わないものは普及しません。
そういう意味では、昨今のSNSは、まだ過渡期と言えます。


恋人との写真を気軽に載せて、それが「流出」して騒ぎになるニュースなんて、いくらでもあります。
プライバシーの設計は、いまだ成熟していないのです。



【Snapchatとは?】


(Introducing Snapchat Stories feat. Guards - YouTube)

そんな中、北米を中心に新しいサービスが注目されています。


●Snapchat 公式サイト
http://www.snapchat.com/

●Snapchat - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Snapchat

Snapchatとはフォトメッセージ(英語版)アプリケーションで、写真や動画の撮影、テキストや絵の追加、受信者が設定したリストへの送信ができる。そして受信者が写真を閲覧できる時間を最長10秒まで設定でき、その後は受信者の端末からも企業のサーバーからも完全に削除される。

●安心を売る新SNSスナップチャットの実力 | ビジネス | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2013/12/sns-3.php


2011年、スタンフォード大学の学生らが創業しました。
フェイスブックが30億ドル(約3000億円)で買収しようとしたけれど、断られたことでも有名です。


このサービスは、究極のプライバシー保護に特徴があります。
メール、写真、動画などを送って、それを相手が見ると、データが消えてしまいます。
しかも、サーバーにも残らない。
流出しようにも、そもそも記録が残らないのです。


ユーザーは、13歳から23歳の若い世代が中心です。
次世代のインターネットがどうなるのか、一番敏感に動く層です。
プライバシーに関するネットの考え方が、変わりつつあるかもしれません。


従来のSNSは、ユーザーに関するデータを蓄積し、それぞれに合ったサービスを提供しつつ進化してきました。
スナップチャットは、それと真逆です。
フェイスブックによる買収を断ったことを含め、今後もしばらくは台風の目になりそうです。


※※※


インターネットの世界は、個人情報の集積体になっていますね。
便利だけれど、ちょっと怖い気もします。


特に日本人は、企業に頼り、自分で防衛するという意識が薄いように思います。
ですので、安心とプライバシーが保証されているネットサービスが歓迎されるはずです。


そういった面を重視した、純粋な日本発の新サービス登場に期待したいです。

Posted by kanzaki at 2014年01月11日 11:17