【幸せな人は長生きする】
幸せな人は長生きする・・・これは事実でした。
それを順天堂大学大学院・加齢制御医学講座の白澤卓二教授が解説していました。
イリノイ大学心理学名誉教授 エド・ディーナー博士は、「幸せ博士」の異名を持つ、幸福研究の第一人者です。
さまざまな検証から、「幸せである」ことが平均9.4年の長生きにつながっていると推論しています。
とあるカトリック修道院の尼僧を対象に、「ポジティブな言葉を良く使う人」と「ネガティブな言葉を使う人」に分けて、各グループを調査したところ、ポジティブな言葉を使う人の方が2.5倍も生存率が高かったそうです。
とある日本の研究では、人生に喜びを感じている男性は、そう感じない男性に比べ、心臓病、脳卒中の発症危険度が低く、心臓病の死亡率が低いと報告されています。
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【2種類の幸福感】
さて、「幸せ」と一口に言いましても、あまりに抽象すぎます。
人によっても概念は異なるでしょう。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のスティーブ・コール博士と、ノースカロライナ大学心理学部のバーバラ・フレデリクソン博士の共同研究グループは、2つに幸福感を分類しました。
(1)向上心追求型の幸福感:・定義:向上心や目的意識を持ち、生きている自分に「生きがい」を感じているときの幸せ
・例:大好きな人のためにケーキを作る
(2)快楽追求型の幸福感:・定義:好きなことをして欲求を満足させているときに感じる幸せ
・例:大好きなケーキをお腹いっぱい食べる
研究の結果、この2つには生物学的に違いがあると発表し、話題になっています。
研究チームは、健康な成人80人を対象に、(1)と(2)のどちらをより強く感じる人間か分類しました。
結果、
(1)向上心追求型の幸福感が優勢だったのは全体の22%、
(2)快楽追求型の幸福感が優勢だったのは78%
でした。
他人を幸せにすることより、自分の快楽を求める人が圧倒的だったのです。
それぞれの被験者から血液を採取して検査してみました。
(1)向上心追求型は、免疫力がアップする遺伝子発現が誘導されていました。
(2)快楽追求型は、炎症を引き起こす遺伝子発現が増強し、ストレスを感じた時の遺伝子パターンを示しました。
向上心を求める時と、快楽を求めるときでは、幸福感の度合いは同じでも、体の中では反対の作用が起きていたのです。
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「快楽追求型」はストレスと同じなのですね。
これって、幸福と言えるのでしょうか?
でも、世間は快楽を求めがちですよね。
快楽の場所・モノを提供するすることで商売は成り立つわけですし、社会には必要ではありますが・・・。
そんな中、相手を思いいたわる気持ちが強い人は、相手を幸せにするだけではなく、自分の体までも良くしてしまうのです。
幸せは鏡のように、自分にはね返ってくるのですね。
理想と現実が、こんなにも合致する実験結果が出てくるとは、この世の中そう悪くはありません。
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