ここ最近、買い物などでレジ待ちをしている際、割り込みをされることが多いです。
お店の人も、そのままその人の会計作業をして、知らぬ存ぜぬです。
そういう時、カチンときて、しばらく不愉快になってしまいます。
どっちかというと、そのお客より、きちんと対応できないお店の方に悲しい思いをします。
2対1で劣勢になった感じもしますし。
そして、こんな事で怒りの感情が湧き出る自分に、一番腹が立ちます。
どこの県でも見られる光景なのでしょうかね。
※※※
【川柳は、うがちとユーモア】
嫌な思いをしたり、仕事が忙しいと、ユーモアが自分の中から生まれません。
その為、笑顔が消えていきます。
川柳研究科・荒木 清さんによりますと、川柳の根底は「うがちとユーモア」だそうです。
辞書では、「川柳とは、機知によって人情の機微(きび)をうがち、風刺、滑稽(こっけい)を主とする文芸」とあります。
よく、「うがったことをいう人」といいます。
なんとなく、疑ってかかるような見方という、悪いイメージに感じてしまいます。
けれど、それは誤った用法です。
「うがち」は「穿ち」と漢字で書きます。
「うがったことをいう人」とは、「物事の要所をずばり言い当てる人」という意味です。
辞書によると、「穿ち」の意味は、「穴を開けること」とあります。
他には、
・表に現れない事実・世態・人情の機微を巧みにとらえること。
・黄表紙・洒落本などにみられる、江戸文学の理念を示す語。人情の機微や特殊な事実を指摘し、特に遊里生活の手引き・案内とするもの。
とあります。
この「うがち」は、「おかしさ」や「言葉あそび」を伴います。
川柳が滑稽の文学といわれるゆえんです。
※
【うがった例】
「うがった」答えの例を書きますね。
●織田信長
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」
(才能のないやつは用なし)
●豊臣秀吉
「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」
(不可能でも可能にしてみせる)
●徳川家康
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
(我慢強く機会をうかがって待つ)
これに対して江戸庶民は、こう言ったそうです。
●江戸庶民
「鳴かぬなら鳥屋へやれよホトトギス」
(鳴かないなら鳥屋へ売ってしまえ)
その後に続けて、
「鳴かぬなら貰っておけよホトトギス」
(どうせ売るなら俺にくれ)
冷静な判断で、ついでに拝金主義って感じです。
けれど、シニカルなお笑いのセンスもあります。
俳句は、自然、時候、天文、行事などを対象にした季語を大切にしますが、川柳はあくまでも「人間」に関わるのが違いです。
川柳は、人情、風俗、歴史上の人物、言葉を対象にします。
その本意の裏側をうがち、風刺の対象として詠みます。
今なら、新聞の一コマ風刺マンガでしょうかね。
風刺や滑稽のユーモア精神が無ければ、川柳とはいえないのです。
※
とっさの頭の回転で、要所をつくだけではなく、そこにユーモアを乗せるのは、頭の早い回転と、広い教養が必要なのですね。
レジで割り込みをされた時、うがちとユーモアを込めて言えるぐらいの余裕がないといけないのかなあ・・・そんな大人になりたい今日このごろです。
※※※
(テンションが低い時に見ると、何故か涙が出てくる昭和生まれ)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |