2014年05月29日

「全国学力テスト」〜親の年収が高いと好成績。東大生の親の世帯年収は、950万円以上の家庭が51.8%

【学力と家庭環境の関連性】


先月、「全国学力テスト」が実施されました。


●本や新聞読む子は好成績 年収も相関、学力テスト : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/47topics/e/252673.php


国語、算数・数学のいずれも、本や新聞を読むよう保護者から勧められている子は、そうでない子より正答率が10・7〜17・1ポイント高かった。
「子どもと読んだ本の感想を話し合っている」場合は知識の活用力を問うB問題の正答率が、平均より6・5〜9・0ポイント高かった。


「小さいころ絵本の読み聞かせをした」「親が新聞の政治や社会問題に関する記事を読む」などを含めた読書活動は学力に強い影響があった。


一方、年収1500万円以上の世帯の子どもは、200万円未満より正答率が12・7〜25・8ポイント高かった。保護者の学歴が高いほど成績がいい傾向も判明。
年収と学歴を基に四つの階層に分けると、最も高い層と最も低い層では正答率に12・9〜23・9ポイントの差があった。


●【2014年度全国学力テスト】 問題と解答を掲載しています : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/47topics/e/252676.php


●神崎のナナメ読み: ブックスタートとは?〜地元の図書館などが協力し、赤ちゃんと保護者が絵本を介して心ふれあう時間を持つきっかけをつくる活動
http://kanzaki.sub.jp/archives/003119.html



【経済力格差と学力格差】


教育政策の研究者に、このテストの意義を尋ねました。


「全国学力テストは競争をあおるだけ。
それで学力を向上させた例は、他国を見てもない。
むしろ親の経済力に影響されない学力の付け方を模索すべきだ」


「マイナスの自己評価が積み重なった子は、自己肯定感が持てないまま大人になる。
うっせきした思いが募れば、暴力的な行為や犯罪などの芽も生みかねない」


彼は、テストの在り方を強く批判しました。
家庭の経済力格差が、子供の学力格差につながっている現状を懸念しました(地元新聞紙より)。


収入の多い親の子ほど、学歴が高い傾向が明らかになっています。


2010年の日本のGDP(国内総生産)に占める、公的な教育支出の割合は、比較可能な30カ国で最下位です。
家庭の負担が重く、高等教育では、私費負担割合がOECD(経済協力開発機構)平均の2倍以上になっています。


※※※


【東大生の親は高収入】


東京大学生の家庭状況を調査したものがあります(「2010年学生生活実態調査の結果」)。


それによりますと、世帯年収950万円以上の家庭が51.8%なのだそうです!


一般の世帯平均年収は約550万円です。
つまり、東大生の半分が、日本の平均世帯年収の2倍以上を稼ぐ家庭の子どもなのです。


また、東大生、早大・慶應・一橋などの難関大学生が塾通いを開始した時期を調べると、「小学4年生:東大生(36.1%)/難関大生(43.2%)」の入塾が一番多いです。


裕福な家庭と、学力の高さは、やはり関連があると思います。



【若い女性の貧困】


ここ最近、NHKが、「若い女性の貧困」をとりあげています。


●あしたが見えない - NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3458_all.html


10代、20代の働く女性は、全国で503万人。
この20年、正規の職に就ける若い女性は、急速に減っています。
高校卒業の女性の場合、正規の仕事に就ける人は、48%にとどまっています。


20代のシングルマザーのうち、およそ80%が、年収114万円未満の貧困状態に置かれています。


子どもを生み育てる若年女性が、風俗産業しか頼る場所がない現実があります。
社会のセーフティーネットからこぼれ落ちた人たちが、ここに集まっているんではないかというふうに、強く感じます。
共通して感じたのは、やはり育った家庭の経済環境が、非常に厳しいという背景があるということ。
親の世代も貧困で、第2世代、第3世代の彼女たちが、そこからなかなか抜け出せないと、社会の階層化が非常に進んでいるんではないかというふうに実感します。


私も実際、「クローズアップ現代」のこの回を観ました。
ネットカフェで暮らす子、満足に食べることのできない子など、とても勉強ができるような環境ではありません。
その中から自力で這い上がり、正社員として満足な収入を得るのは、とても難しいと思いました。


私は母子家庭です。
けれど、大学も出て、正社員として働いています。
よく考えてみたら、今置かれている立場は、本当に奇跡なのかもしれません。


中学卒業と同時にアルバイト生活をして、ネットカフェで過ごす生活だったとしてもおかしくありません(当時、ネットカフェは無かったけれど)。
もしそうなっていたら、とても勉強どころでは無かったでしょうね。
母と、私を支えてくれた社会に感謝しなければいけません。

Posted by kanzaki at 2014年05月29日 23:44