2014年09月05日

摂養(せつよう)とは?〜漢方で考える生活習慣の改善方法。未病(みびょう)にならないように中庸(ちゅうよう)で生きよう

chuuyou01.JPG


【摂養(せつよう)とは?】


生活習慣の改善を漢方では「摂養(せつよう)」といいます。
これは、(1)摂生(せっせい)、(2)養生(ようじょう)、(3)保養の3つを合わせた概念です。


(1)摂生(せっせい):
腹八分目にするなどの適度な食事のこと。
食に関する健康法は、「何を食べるか」にばかり注目が行きます。
まずは、いつも同じ時間に食べましょう。
体の免疫力を保つには、「いつ食べるか」は重要です。
時間が不規則だと、自律神経が乱れやすくなります。


(2)養生(ようじょう):
喫煙や飲酒の摂生、睡眠をきちんととる等の規則正しい習慣。
江戸時代の貝原益軒(かいばらえきけん)の書籍「養生訓」。
これには、個人レベルでの病気の予防、健康増進の秘訣が書かれています。
摂養は、その養生を家族単位で考え、秒後の休息の取り方も広めた広い健康観です。


(3)保養:
体を休めて健康を保つこと。
保養も家族単位で取ることが望まれています。
たとえ仕事が多忙でも、病気で仕事ができなくなったら本末転倒。
自分で体調管理に努めることが大事です。


(日本薬科大学学長・ 丁 宗鐵(てい むねてつ)さんの解説)



【漢方上の3つの体質】


漢方では体質を3つのタイプに分けています。


(1)実証(じっしょう):
血色が良くて、いつも元気。食欲旺盛、風邪も引かず、声がでかい。


(2)中庸(ちゅうよう):
実証と虚証の中間。


(3)虚証(きょしょう):
疲れやすくて食も細い。よく風邪を引いて、声が小さい。


(1)の実証が一番健康そうですが、下手に無理が効くゆえ、無理な生活で体に負担が蓄積しがちです。
体力があるからといって、健康ではないのです。


実証も虚証も、「未病(みびょう)」の段階といえます。
未病とは、病気ではないが、健康でもなく、病気へ向かっている状態の事です。


不規則な食事、運動不足、日ごろのストレスが大きい人は、未病の初期段階です。


西洋医学では病気になってからの治療が主ですが、漢方は未病の段階から着目します。
中庸になるように生活習慣を指導したり、漢方薬を処方したりして病気を防ぎます。


※※※


【自転車の走り方に似ているなあ】


極端は良くないようですね。
自転車の走り方に通ずるものがあると思いました。


自転車にて、無駄を省いて楽する走り方というものがあります。


上り道と下り道。
人によって得意な方と、不得手な方があります。


得意な分野で頑張りすぎて必要以上の力を使ってしまうと、苦手な場面になって、思うように対応出来ません。


多くの人が巡航速度(スピード)を維持しようと努力します。
実は、ペダルにかかるトルクと回転数を意識し、負荷を一定にすることが大切なのです。
そうすると、トータルの走行時間を短縮出来て、結果的に楽に走ることが出来ます。


アップダウンの場合、負荷を一定にするのがコツです。
目安は、最大心拍数の約60%で走り、ケイデンス(1分間にペダルを回す回数)を70〜80回転を維持することです。
そのため、勾配に応じてシフトチェンジを行います。
トルクがかかりケイデンスが落ちる上りでは軽いギヤ、下りは重いギヤを選択して、トータルのバランスをとります。

急勾配を上る際、ダンシング(立ち漕ぎ)を行うと、自分の体重を利用できるので、多くの力を使える必殺技です。
ダンシングで20km/hのペースで上れる人が、ひとたび疲れて腰を下ろすと10km/h以下になることがあります。
それならば、はじめから15km/hほどのシッティングだけで走った方がラク。
タイムも変わりません。
シッティングで少しでも辛いと思ったら、早めに軽いギアを選びます。


中庸(ちゅうよう)と考えは同じなのかなと。
常に一定の負荷を保ち、結果的に無事に良い方向へゴール出来る方法。
人生も同じかも。


はたから見ると、「実証」な人生は魅力的ですが、オーバーペースで自爆する可能性も高いです。
地味かもしれませんが、他人がどう言おうが、自分が信じた生き方を中庸に進むのが良いのではないかと、私は思います。

Posted by kanzaki at 2014年09月05日 22:46