(ダメな電話応対の例)
元NHKアナウンサー・岡部達昭さん。
現在は企業、自治体の研修講演をしています。
岡部さんが「気をつけたい3つの省エネ話法」を解説していました。
省エネ話法とは、この3つです。
1.語尾の省エネ
2.「間」の省エネ
3.抑揚の省エネ
※
【1.語尾の省エネ】
言葉を最後まで言わずに止めてしまう事です。
(悪い例)
「お名前をどうぞ」
「ご住所をどうぞ」
「お品物がまだ届いていないと言うことで・・・」
このように、最後まで言わず、あとはお客さまに預けてしまうのです。
雑に聞こえてしまいますよね。
(良い例)
「お名前をお聞かせください」
「ご住所を教えていただけませんか」
「お品物がまだ届いておりませんでしょうか」
このように、語尾を省略することなく最後まできちんと話すと、言葉の丁寧さだけではなく、お客さまを大切にする心の丁寧さを感じさせます。
※
【2.「間」の省エネ】
電話では、聞き手は話し手が話すリズムに同調しながら聞いています。
話し手が「間」をとって考えれば、聞き手もその「間」で同じように考えます。
「間」とは、文章で言えば「、(句点)」の事です。
話し手のセンテンスの切れ目である一瞬の「間」で、聞き手は言葉の意味を理解します。
話し手が「間」を省略してしまうと、聞き手は理解する時間が無くなります。
質問もできません。
忙しいコールセンターは、話し方が「早口」というより、「間」を省略してしまいがちです。
特に、業務知識豊富・判断の早いベテラン対応者は要注意!
ベテラン対応者は、考える「間」もなく、流暢に言葉が出てきます。
その流暢さに引っ張られ、お客さまは分かった気になります。
しかし、実は分かっていないことが多いのです。
※
【3.抑揚の省エネ】
日本語は抑揚によって、表情や意味が変わってくる言葉です。
2オクターブぐらいの高低の幅で表情を作りながら話しています。
それが省エネ話法で話してしまうと、使う音の帯域が狭くなります。
そのため無表情で事務的に聞こえてしまいます。
※
効率化優先で電話応対業務が集約される昨今。
責任を持たされるプロの皆さんは、知らず知らずのうちに省エネへと追い込まれてしまいます。
「間」と「抑揚」を省エネ化した話し方に気づかず使用している人も多いです。
これは、流暢な応対の裏返しでもあるのです。
また、同じ言葉を何度も繰り返していると、言葉は慣れになり表情を失います。
たとえマニュアル言葉であっても、その言葉の意味を大切に伝えれば、自ずと「間」も生まれ、抑揚にも変化がつきます。
やがて、語尾の省エネもなくなるでしょう。
※※※
正直、電話応対は怖いです。
しかし業務上、見知らぬ人との会話は、避けて通れません。
なんとかやりとりしているものの、流暢とは程遠い話し方です。
省エネ話法を気にする域にも達していません。
話し方がヘタなだけならばまだマシ。
問題は、会話を焦ってしまい、相手の話しをうまく聞き取れない事です。
断片的な言葉を組み合わせて理解するため、トンチンカンな方向へ話しを持っていく事もあります。
さすがにそれはマズイので、相手の言いたいことを噛み砕き、要約した内容を伝え、これで合っているのかを確認しています。
時間はかかるし、とてもプロのやる手段ではないのですが、仕方がありません。
メールや手紙は、送る前にチェックを何度もできるので良いのですが、会話は本番一発勝負。
本当に気が抜けません。
世の中には「電話応対技能検定(通称:もしもし検定)」というものがあります。
●電話応対技能検定 | 電話応対教育 | ICTサービス&電話応対教育の 日本電信電話ユーザ協会
http://www.jtua.or.jp/education/moshimoshi/
2009年にスタートした 「電話応対技能検定(もしもし検定)」は、「お客様に喜ばれるビジネス電話応対」の実現、電話応対のエキスパートとして即戦力になり得る社内の指導者の育成を目的とした検定制度です。電話を受ける、かける等の電話応対やビジネスマナー、日本語の基本知識等の従来型の「電話応対教育」に加え、場面や人によって臨機応変に応対することができるコミュニケーション能力を養い、電話応対に生かしていく「新しいコミュニケーション教育」を実施しています。
電話応対のスキルは、仕事だけではなく、日常のコミュニケーションにも必要です。
試験は受けませんが、参考書や過去問を読んで、身につけたいと思います。
いつまでも、おっかなびっくりな電話応対じゃ、迷惑をかけるだけですしね。
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