2015年02月22日

「聴く」技術が人間関係を決める〜人の相談にのってあげる時、最後まで聴きましょう

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法政大学教授・宮城まり子さんは、職場のメンタルヘルスを専門とする臨床心理士です。


●Amazon.co.jp: 「聴く」技術が人間関係を決める (ナガオカ文庫): 宮城 まり子: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4522476574/


・社会を豊かにするのは、その絆を強める「傾聴(けいちょう)」の実践です。
待つのではなく、相手に声をかけ、積極的に「聴くチャンス」を作って欲しい。


・企業の管理者は、部下との面談を定期的に行います。
8〜9割の人は、ずっとアドバイスをしています。
もっと、部下の話しを聴きましょう。


・リーダーが相談にのるときは、「アドバイスをしよう」と思いがちです。
人の相談にのってあげる時は、最後まで聴きましょう。
その上で、アドバイスを一緒に考えていきます。
その方が、助言のピントがずれません。
良いことを言えなくてもいい。
親身になって、最後まで話しを聴く人がいた時、人は「あの人が分かってくれているから」と、前向きになれるのです。


・若い部下との接し方として、質問を投げかけるという手法があります。
カウンセリングの手法に、「閉じた質問」と「開かれた質問」の使い分けがあります。
「閉じた質問」は、「はい・いいえ」で答えられる質問。
「開かれた質問」は、自由に答えられる質問。
会話を深めるには、要件のやりとりだけではなく、開かれた質問を効果的に使いたいものです。
そうすることで、相手の感情を引き出しやすくなります。


・メンタルヘルスに悩む部下と関わる際は、8割は話しを聴くくらいの心構えが大事です。
相談にのる際、時間と場所にも配慮しましょう。
会話の途中で沈黙が起きてしまっても、せかさないことが大事です。
沈黙には意味があるからです。
沈黙が長く続くようであれば、相手の話しの要点を言葉にしてあげると、気持ちの整理がつく場合が多いです。
気長に、「会社の宝」である若手社員の育成にはげんでください。


※※※


話しを聴いてあげることが大事というのは、昔から言われています。
確かにそのとおりです。


しかし最近は、自分の事を話さない人も多いです。
その一つの現われとして、「自慢しない」というのがあります。


●男性の自慢話離れが深刻!76%は「自慢することない」と悲痛な声−Suzie
http://suzie-news.jp/archives/5054


ちょっと気になり、今回20〜30代の男性100人に「女性の前で自慢話をしたくなりますか?」と聞いてみました。

すると、「なる」と答えたのはたったの24%。なんと、76%は「ならない」と回答したのです!

「ならない」と答えた76%の内、最も多かったのが「自慢することがない」という、何とも悲しい結果に!

次に多かったのが、「自慢しても意味がない」という回答でした。
主なコメントは以下の通り。

「嫌われたくないから」
「自分自身が自慢話をされるのがとても嫌いだから」
「自慢する姿は良くないものだと理解している」
「ドン引きするのは目に見えている」
「逆効果であることを知っている」

意外とみんな知っているんですね、「自慢男は嫌われる」ってことを。
数年前まではまだまだ自慢男が存在したんだけれども、今は少なくなっている。
それは、情報過多の現在、自慢することは逆効果だということをわかっているんです。
これだけ情報がネットで氾濫していればわかりますよね。


今の子たちは、自制心がしっかりしており、逆効果になるような発言をしません。


部下との面談・会議でも、差し障りの無い会話で終わらせるようにします。
これは、自分にとっても、上司にとっても良いことだと思っているからです。


言って自滅するより、言わないのが無難。
それはとてもよく理解できます。


言わない事はメリットもあるのですが、心を閉ざす方向に思考が傾きがちです。
仕事やプライベートが充実しているうちは良いのですが、一度ショックな事が起きると、うつ病等へつながりやすくなります。
その際にまわりの人達は、その人の事をよく分からないので、どう対処したら良いか分かりません。


話しを聴くというより、普段から雑談できる仲になるのが良いのかなと思っています。
相談できる環境は、すぐに整うものでは無いですからね。
少しづつ、少しづつです。

Posted by kanzaki at 2015年02月22日 19:33