2015年04月04日

4月、新しい環境で頑張るのも良いのですが、休息も忘れずに〜長時間労働になりやすい怖い日本の職場の特徴

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4月は、入学、入社、異動、転居など環境が変わる季節です。
心身ともに、多大なエネルギーを費やします。
休息を意識することを忘れていないか注意しましょう。
(日経より)



【5月病に注意】


躍起になっている時は、疲れを自覚しにくいものです。
興奮状態で、アドレナリンなどのホルモンが血中に放出されると、麻酔にかかったような状態になります。
痛みや疲れが感じにくくなるのです。


ふと力を抜いた時から、本来の痛覚や疲労感が出てきます。
精神医学では「荷おろし」と呼ぶ状態です。
大きなプロジェクトが終わった後の脱力感、虚無感です。


正式な医学病名ではありませんが、「5月病」というものがあります。
4月からの新生活から1ヶ月が経った頃。
興奮や緊張の糸が切れ、疲労感、倦怠感、気分の落ち込みなどを自覚しながら連休を過ごし、休み明けの生活が思うようにいかなくなるのです。



【長時間労働にも注意】


これはなにも、生活環境が変わる人だけの話ではありません。
長時間労働を常日頃からしている我々にも関係あります。


仕事は長距離走のようなものなのに、短距離走のようなリズムで行っていると、いずれ心身に支障が出てきます。
最悪、心と体が「破壊」されてしまいます。
いくら高収入を得られても、これでは何にもなりません。
(大抵は、いくら頑張っても給与は上がりません・・・)


2013年の資料によると、週60時間以上の労働をしている人は、全雇用者の9.1%です。
30代男性にしぼると、18.2%にも及びます。


法定労働時間の上限は40時間。
つまり彼らは週に20時間、月にして80時間以上の残業をしている計算になります。
これだけ多くの人たちが、過労死ラインで働かされているのです。


忙しいから残業をしているわけです。
興奮状態で仕事をこなすのは良いのですが、片づけた後にくる、脱力感・虚無感は恐ろしいです。
そういう時、病気やケガになりやすい。



【怖い日本の職場の特徴】


雑誌AERAに、日本の職場の特徴が書かれていました。


「目標を達成したら、もっと、もっと、と期待値が上がる文化」


これは長時間労働の末、自殺を選んだ人の遺族の言葉。


労働者はどんなに成果を残しても認められない。
結果、自信も誇りもなくしてしまう。
経営側の要求に応えようとする真面目な人ほど危険です。


成果が出ないのは「努力不足」と考え、長時間労働で補うのも特徴です。


また、残業の原因として、難易度が上がり続ける仕事にもあります。
誰だって、新しい仕事には、必要以上に時間がかかる。
年齢と共に、仕事の難易度が上がり続け、いつまでも残業と隣合わせです。


今は、経営側が、残業代の割増賃金を払わないように、残業時間を減らそうとしています。
しかし、今の政権は、「残業代ゼロ制度」を推進しようとしています。
そうすると、経営側の抑止がなくなるから、さらなる長時間労働になってしまうのです。


●政府がゴリ推す「残業代ゼロ法案」の内容が怖すぎる・・・ - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2142811525997242801


成果で報酬を決めるための規定は一つもありません。
残業しても残業代が出ない働き方は作るけど、成果に応じた賃金については労使で勝手に考えてやってくれ、ということ。
なぜか、メディアでは指摘されない。
残業代ゼロ法案が成立すれば、その後に適用範囲がどんどん拡大することは、派遣法改悪の歴史が証明している。



残業が、仕事を頑張っているアピールに使われている面も否定できません。
会社も、それを忠誠心の指標に使っています。
しかし今後必要なのは、頑張りを強要しない環境ではないでしょうか。

Posted by kanzaki at 2015年04月04日 21:28