五月(さつき)、あやめふく頃、早苗とるころ、水鶏(くひな)のたたくなど、心細からぬかは
・ 兼好法師の「徒然草」の1文です。
心寂しさを覚える夏の情趣(じょうしゅ)を味わうことができます。
・旧暦の五月は、今年2015年では6月16日から始まります。
・「あやめふく」は、平安中期から行われている風習です。
軒に菖蒲を菖(ふ)いて災いを避ける呪い(まじない)をしました。
・「早苗とるころ」は、苗代田から早苗を抜き取り、田植えに備えるころの事。
田に水が引かれ山々の緑が映り込む季節。
・「水鶏(くひな)」は、水郷や低地の水辺に生息する鳥の事。
鳴き声がコツコツと戸を叩く音に似ていて、和歌に「水鶏叩く」と詠まれたことから、俳句の季語でも鳴くと言わず「水鶏たたく」とされています。
夕方から夜にかけて鳴く夜行性の鳥で、その声を耳にすると、古人はもの淋しさを覚えたといいます。
●ヒクイナ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%8A
ヒクイナ(緋水鶏、緋秧鶏、学名:Porzana fusca)は、ツル目 クイナ科 ヒメクイナ属に分類される鳥類。 古くは単に「水鶏」(くひな)と呼ばれ、その独特の鳴き声は古くから「水鶏たたく」と言いならわされてきた(下記参照)。くいなとして、三夏の季語。
・「心細からぬかは」は、心寂しくないことがあるだろうかと、反語を用いて夏の情趣を強調しています。
最近は、水鶏の繁殖に適した湿地が埋め立てられ、その声もあまり聞かれなくなりました。
(俳人・西村 和子さんの解説)
※※※
「俳人」という生き方は素晴らしい。
道具に頼らず、言葉だけで森羅万象を表現するのですから。
私なんて、ネットの中で生きる「廃人」でございますorz
現在、5月の中旬。
つい油断していると、6月へすぐ突入です。
6月は、5月などと違って祝日がない無能な月だと思っていました。
それも見方を変えれば、また違った感情が湧いてくるものなのですね。
6、7、8月と暑い季節って、なにか物悲しい感情が芽生えてくることがあります。
特に、天気の良い昼下がり、外出中に感じます。
私にとってその時間は、なぜか賑やかなイメージはなく、もの静かなのです。
今みたいに、無駄にモノがあふれている時代だと、景色や感情を言葉になかなかあらわせません。
安直に、スマホで写真を撮って、短文をつけてSNSにアップして終了。
時間が経っても色褪せない表現を身につけたいものです。
※
最近は自宅で、水出しコーヒーにハマっています。
この香りと味を知ると、下手なコーヒーショップに行けなくなります。
メイプルカシューナッツと一緒にいただく時間が至福です。
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