2015年09月20日

青い鳥症候群〜それから抜け出すには、アンカー(船のいかり)とサバイバル(生き残ること)という概念で仕事を考えましょう


NIKKEIプラス1に、「青い鳥症候群」のことが書かれていました。


自分を最大限に活かせる仕事を追い求め、環境を転々と変える人がいます。
そこに時間や労力を費やすあまり、能力を磨く機会を逃し、最後は理想と現実のギャップに苦しむ状態のことです。


新卒が入社して3年以内に3割以上が会社を辞めます。
しかもその半数は、1年以内に辞めています。



【アンカーとサバイバル】


組織心理学者エドガー・シャインは、キャリアをアンカー(船のいかり)とサバイバル(生き残ること)という概念で説明しています。


・アンカー:
船が流されるのを防ぐイカリのように、仕事をする上で「自分が大切にしていること」


・サバイバル:
求められる役割をこなすことで職業生活をやり遂げる、つまり「周囲から求められること」


例えば、ある画家がいます。


人物画を描くことを大切にしている。これがアンカー。


しかし、全く売れない。
ある時、花の絵を頼まれる。
画材さえ満足に買えない生活なので、客の要望どおりに花の絵を描く。これがサバイバル。


花の絵が思いのほか評判となり、他の客からも注文が入る。
客の中には人物画にも興味を示す者が現れ、売れるようになる。


自分の意にそぐわないことであっても、しているうちに偶然に自分の能力を認めてもらえたり、意外な特技を見いだせることがあることを示しています。
それがアンカーの充足にもつながります。


アンカーとサバイバルは、両立が大切なのです。
隣の青い芝生を見る前に、自分のアンカーとサバイバルを意識的に考えてみましょう。


紆余曲折の果て、青い鳥にたどり着けるかもしれません。


(神田東クリニック院長・高野知樹さんの解説。神田東クリニックは、企業のメンタルヘルス対策を支援しています)


※※※


今の職場が自分にとって最良の場所なのかどうかなんて、正直、誰にも分からないですよね。
自分の才能を100%活かせて、メンタルヘルスとは皆無で働き、しかも給料が高い場所なんてあるのでしょうかね。


アンカーとサバイバルの考えって、童話「青い鳥」そのものかもしれません。


(「青い鳥」より)
やがて、朝になり、ふたりは目をさましました。
するとどうでしょう、青い鳥は、木こり小屋の鳥かごの中にいるではありませんか。
ほんとうの青い鳥(しあわせ)は、すぐそばの、自分たちの生活のなかにあったのです。


●「青い鳥」のあらすじ | いずみ書房 |せかい伝記図書館
http://www.izumishobo.co.jp/onlinebook/c02_denki/99shoden/shoden14-3.html


結局、環境ではなく、自分の心がけ次第ということになります。


理想とか夢を大抵の人は、「楽しいこと」「楽ちんなこと」「人にちやほやされること」だと捉えやすい。
しかし世の中、そんなに甘くない。
理想と現実は、ますます大きくギャップが出来てしまいます。


私は「夢」を見ません。
自分の人生の道筋上にはなく、メディアなどの他人様が作ったまがい物に感じるからです。
テレビコマーシャルの、生活感のないあの感じ。


私は、「夢」より「目標」と「締め切り」です。
この2つに追いかけられ、悩みもがき、みなさんの協力を得ながら到達する感じ。
その中で、満足感、達成感を得ます。
企業のオーナーならば違うのでしょうが、一般人はこれが現実的で実践的。


「ワーク・ライフ・バランス」という言葉があります。
「仕事と生活の調和」と訳されます。
イメージが良いから、現実無視で、メディアがよく伝えています。


仕事と私生活については、いろいろと語られるのに、仕事(アンカーとサバイバル)のバランスについては、あまり語られません。
あまりにもリアルすぎて地味なので、メディアで語られにくいからでしょうかね。


短期間なら、一点集中、一点突破でなんとかなりますが、長い年月を同じ仕事でやり通すには、アンカーとサバイバルのバランスを意識する必要があるようですね。
長い休暇が終わったら、実践せねば。

Posted by kanzaki at 2015年09月20日 22:05