書道家・武田双雲さんが、「周りの幸せを考えながら生きる」ということについて語っていました。
●Kanji Artist Souun 書道家 武田 双雲 公式ウェブサイト
http://www.souun.net/
【書の道で生きていくきっかけ】
武田さんは会社に勤めたものの、なにをしても中途半端。
自信もなく、ほめられることもなく、ただ上司に怒鳴られるだけの日々でした。
勤めて2年くらい経ち、実家の熊本へ帰省しました。
お母様は習字の先生をしています。
家をリフォームして、壁やフスマ、障子などに力強く、個性的な書を書いていました。
お母様を普通の習字の先生と思っていたので、その圧倒的な個性とパワーに触れて鳥肌がたち、不思議と涙が出てきたそうです。
武田さんは再び、書に目覚めました。
会社の独身寮で、ひたすら書に打ち込みました。
仕事のメモを筆ペンで取るようになってから、「字がうまい武田くん」という噂が社内に広まりました。
ある日、一人の女性に名前を書いてと言われました。
書いて渡したら、涙して喜んでくれました。
「嫌いだった自分の名前が、好きになれそう。ありがとう」
その喜びが忘れられず、日本中の人の名前を書きたいと独立を決意しました。
会社を辞め、地べたにゴザを敷いて、通りすがりの人に書を書くということを始めたのです。
※
【周りの幸せを考えながら生きる】
最初は誰も集まりませんでした。
今振り返るに、自分のことばかり考えていたので、うまくいくわけがなかったのです。
ストリートチャレンジ5回目。
もう諦めようと思った時のことです。
一人の女性が立ち止まりました。
「愛」と書いて欲しいと。
恋人と別れたばかりのような彼女に、悲しみを和らげてあげたいとの一心で書きました。
彼女は涙を流し、感謝の気持ちを伝えてくれました。
武田さんの方が感動をもらったと感じました。
それからというもの、自分自身がどう見られているかではなく、どうやったら目の前の人がより幸せになるかに集中するようになりました。
不思議なもので、たくさんの人が集まるようになり、イベントにも呼ばれるようになりました。
それから良い流れが止まらなくなりました。
周りの幸せを考えながら生きると、こんなにも人生が変わるのかと驚いたそうです。
その気持ちで家族や友人にも接したら、やはり大きな変化が起きました。
※※※
相手の心に触れるというのは、時に怖いもの。
けれど良い出会いの時は、これほど幸せな気持ちになれることも、他にはありませんよね。
武田さんの素晴らしいところは、いろんな出会いに対し、そこから自分の生きる道・心のあり方を考えたことです。
日々の生活の中に、「意味」というものを見いだせる人は、案外少ないものです。
何十年も経って、後から気づくことが多いのですが、リカバリするには遅すぎる。
平凡な日常を平凡と思わず、意味を見いだせるかどうか。
見いだせない人というのはおそらく、承認欲求・・・認められたいという気持ちが強すぎるのかもしれませんね。
承認欲求を減らせばその分、心にゆとりができます。
相手のことを色めがね無しに受け止めることができて、相手の幸せを考えられるものではないでしょうかね。
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