社内の文書・稟議書などは、課長→次長→部長など複数の印鑑が必要になることが多いです。
そのような書類にて、上司の印鑑の方へ傾けて押すことがあります。
つまり、お辞儀をしているように捺印することを「お辞儀押し」と呼びます。
金融業界の変わった習慣です。
昔、よくやっていたそうです。
※
上司の印鑑と反対に傾けて印鑑を押し、しぶしぶ感を表明する「反抗押し」などもあったそうです。
このような習慣を知らずに、雑に印鑑を押したがため、相手にケンカを売るようなこともあるかもしれません。
印鑑はまっすぐ押したほうが良いですね。
(日経より)
※※※
日本は、なにをするにしてもハンコが必要です。
「これって、本当に本人確認になるのか?」と思えるものまでです。
法務局へ商業登記申請するとき、役員全員のハンコを各ページに割印・捨印をしなければいけないものもありますよね。
例えば、取締役会議事録とか。
以前、会社法が大幅に変わった際、株主総会議事録への捺印が不要になったのは、本当にありがたかったです。
しかし旧態然とした会社は、法律上必要はないのに、あえて押しているところもありますよね。
「私(役員)が確かに、議事録へ目を通した証だからだ」と言う古い人がいるからです。
そういう人に限って、諸々の法律改定を知らなかったりします。
法律などを知れば知るほど、世の中にはびこる「単なる手続き」に精神論を持ち込む無駄さ加減にあきれてしまいます。
法務局や裁判所の人と話し合いをする時は、もの凄くスムーズに進められます。
お互い、諸々の知識があり、ドライに進行できますから。
問題は、知識のない人へ説明する時です。
いくら論理的に話しても、精神論でぶつかってきます。
それでも解きほぐすことができる人は、本当にすごい。
今回ご紹介した「お辞儀押し」は、いかにも日本らしいなあと感じます(悪い意味で)。
捺印をする前に、その書類へ目を通し、検討するのはもちろん当然です。
しかしその上で、了承した証を残すための「単なる手続き」に意味を付け加えるのが、とても滑稽に感じます。
なにか言いたければ、きちんとコメントすべきです。
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